学校ではそろそろ次年度の動きを考え始めます。次年度どんな計画で、学校の運営を進めていくのか、今年の反省を踏まえて、どの職員もグループになり考え始めます。

私は立場上、学校内の全体の話を考えるのですが、1つには学校で飼育する動物について考えております。
生活科の教科書が、今年新しくなったために、そのページをよく見てみると、なんとドーンと大きなヤギの写真が!

一昔前までの生活科と言うと、うさぎがメインだったはず。
これはうさぎならば、都会でも飼育しやすいことが理由でしょう。そして、うさぎより小さな生き物だと、ほとんど虫になってしまうからです。

神奈川県の小学校勤務だったときには、生活科と言えばダンゴムシでした。
学校の中に小動物を飼うスペースや設備はなく、植物か、せいぜいダンゴムシが飼育できるものだったのです。
ダンゴムシなら、春から秋までずっと動いてくれますし・・・。

ところが、ダンゴムシでは、ちまちました作業になってしまいますから、それほど子供たちも盛り上がらず、低学年の担任は悩んでいるのが常でした。

新しい教科書に、ヤギがドーンと載っていたのには、どうやら、文科省の意図が隠れていそうです。
文科省の立場からすると、下じもの小学校には負担をしていただき、ぜひ、教育効果の高い動物を飼育することを推奨したいらしいのです。

そこで私はウサギに代わる動物として、ヤギ、羊などを考えました。
ところが、どちらも、ある程度どう猛であることに変わりはありません。
昔話や絵本のイメージで、ヤギも羊もおとなしい動物だと思われがちですが、実際には、血気盛んで、人に体当たりする事だってあります。

特に、オスのヤギの凶暴さについて、知人の農家の男性T氏が語っているのを聞きました。
T氏は、ヤギはおろか、ポニーやうずら、鶏などを飼育する農業のプロです。学生時代は、虫や酵母菌についてもレベルの高い研究をしていて、ここでは、あまり書けませんが、酒はほぼ自作していました。私は自分の結婚祝いに、彼からどぶろくをプレゼントされましたが、恐る恐る飲み終えるのに、半年以上かかりました。

彼は
「体力が余ってるから、たまにこうやって遊んでやらないといけないんだよね」
と。
T氏は、そう言いながら、ヤギの頭を、長靴の裏でバチコーンと蹴っています。
私が驚いて、そんなことをしていいのと聞くと、鼻で笑って、
「こんなの向こうは何も感じていないよ」
といい、また、何度も靴の裏で、バンバンとヤギの頭突きを受けています。
驚くのは、ヤギも遊び方を心得ているようで、津村氏に向かって、いかにもやって欲しそうに頭を向けて突進していくのです。
津村氏はまた来たかと遠くを見つめながら、まるでこれを10年以上続けているプロのように、長靴の裏をヤギの額に合わせて、ポンポンとはずみをつけて蹴っているのでした。

私はムツゴロウさんか!と、心の中でツッコミましたが、ヤギはそのくらい元気が良いし、体力もあるし、よく動くのです。

そこで私はヤギに関しては少し恐れがありまして、羊はどうだろうかと思ったのです。羊のショーンなどを見ると柔らかくて、ふわふわしているし、ガラガラドンに出てくるヤギのような凶暴性は比較的、無いと思ったわけです。

そこで今回は、とあるMと言う町に行きまして、羊を観察しに来たのですが、とてもおとなしいようです。私が与えた草もぺろぺろ食べましたし、お前はおとなしいのかと聞くと、ふわふわした白い毛で、はいそうですと言うような表情。

よし、オッケー。
私は心の中で来年度生活科で買うのはこのひつじだと決めました。

ところが・・・

念のため、例のT氏に聞きますと、



「え?羊?ひつじはジャンプすると、大人の背の高さ位は飛び越えるよ」

とのこと。

やはり、やめときます・・・。

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