30代転職組・新間草海先生の『叱らないでもいいですか』

We are the 99%。転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

算数

【5年算数】分数が分からない

算数の分数計算、いよいよ通分に入った。
これが難しい。
多くの子が、?という顔。

たしかに、分数は割合を示す記号のようなものだから、通常の整数とは世界が違う。
これを今までの、整数の感覚をもったまま、勉強しているのだから難しい。

3分の1が、1÷3、であることを、なかなかうまく説明できない。
ついぞ、整数の感覚で考えるために混乱してしまうようである。

4/2=2/1=2=6/3。
これを、図で書いたり、絵で描いたりすれば、

「ははあ。なるほど。わかった!!」

ところが、次の日にもう一度これを確認すると・・・。

え?なんでこうなるんだっけ・・・?

という子が、必ず2,3人は、いる。



分数の引き算で、通分が必要になる。

少しずつ、ゆっくりと、進めていく。
ここで焦ってはいけない。

進度が遅れた分は、次の「面積」の単元で取り返す。
ぎゅうぎゅうに詰め込まれた、新学習指導要領の『算数』。
ここを乗り切るには、柔軟な思考と、健全な進度変更、ハンドルの遊びが要る!

進度から遅れてはいけない!と、なんでもかんでも白黒をハッキリさせるのはよくない。
人間、なにごとも、そうであろう。

きちんと、絵を描いて、分数を面積で体感しながら、ゆっくりとやっていこう。
これが、りんご畑の堆肥のように、徐々に効いてくるはずだ。
6年生になっても、中学生になっても、分数の理解に、このときの体験が、

かならず生きてくるはず!!

堆肥のように、効いてくるはず!

あきおさん


りんご畑の12か月。
お勧めです。

りんご農家で実際に働いている、絵描きの中武ひでみつさんが、絵を描きました。
小学生の子が、手紙を書いている風に、物語が進みます。
いい本ですよ~。
(そろそろ、りんごがお店に並び始めましたね)







6年算数・量と単位

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メートル法、というものがある。

日本はもっぱら、メートル法。

1メートル、2メートル、という長さ。
その単位であります。
重さならグラム、容積なら、リットル。

これを、6年生で、自由自在に換算したり、言い換えたり、単位をなおしたりできるように、習得していく。


基本になるのは、この基準であります。
読み方は、ギリシャ語からきてる。
km hm dam m dm cm mm
キロ ヘクト デカ - デシ センチ ミリ
1000倍  100倍 10倍 1倍 1/10倍 1/100倍 1/1000倍

km / hm / Dm / m / dm / cm / mm

これを使って、次のような問題を解く。

『6キロメートルは、何センチでしょう?』

ふつうに計算しても、すぐにできる。


念のため、さきほどの基準ものさし、を使ってみましょう。
基準ものさしの、km のところに、6と書く。
km / hm / Dm / m / dm / cm / mm

そして、問題が何センチでしょう?だから、センチのところに、小数点を書く。
km / hm / Dm / m / dm / cm / mm
6                 .

あとは、その間を、0 でうめていく。
km / hm / Dm / m / dm / cm / mm
□  □  □  □  □  □  □
6   0   0   0  0  0 .

つまり、6キロメートルは、600000センチ、六十万センチ、ということになる。



もう一問。

『15キロメートルは何ミリでしょう』

この表のキロのところに『15』を書いて、
ミリのところに小数点。
km / hm / Dm / m / dm / cm / mm
□  □  □  □  □  □  □
15  0   0   0  0   0   0 .

15キロは1500万ミリメートル、ということだ。



この基準は、いろいろ使える。

3


暦算(こよみざん)でみんな驚く件

.
暦算(こよみざん)。

たとえば、こんな問題である。
2013年の1月28日は月曜日でした。同じ年の8月28日は何曜日ですか。


こういうの、計算もめんどうだし、なんだかよく分かりませんでしたネ。


中学入試をひかえた6年生になると、こういう問題を解いていくことになる。
そこで、みんなでカレンダーを眺めながら、どんどん気が付いたことを発表する。

すると・・・



4月と7月をくらべてみましょう。なにか、気づきましたか?
9月と12月をくらべてみてください。なにか、気づきましたか?
ヒント:曜日


へへへ、気が付きましたか・・・。
4,7と9,12は曜日が同じだってこと。




パート2。
4月4日と6月6日と8月8日と10月10日と12月12日。
なにか、気づきましたか?
ヒント:曜日



ホホホ。
4月以後の偶数月の、ゾロ目の日付の曜日って、まったくいっしょ。




こういうの、みんなで見つけないと、面白くないよネ~。


カレンダー

【6年算数】面積図をフル活用する

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昨年から、6年の算数では面積図が使えるな、と実感があった。
苦手な子が、これで100点をとり、親子で

「苦手苦手、といってた子が、6年生で100点連発。親子で驚いています」

ということがあった。

手ごたえのある話なので、ここに記録しておく。


なぜ6年で面積図かというと、実はみんな5年生の「割合」の問題でけっこう悩むからだ。

なぜ、小学校の算数では、5年の「割合」が難関だとされているのか。

1,2,3,4年生までの算数は、文章問題がイメージできるものが多い。

どのような問題なのか。それを絵にすることができる。

1年生だと、

「ここにりんごが14こあります。ここから4こだけ食べました。のこりはなんこでしょう」

というような。




これ、絵にしてごらん、といえば、1年生でも、さいしょに14このまるをかいて、

そのうちの4つにしるしをつけて、食べたからなくなった、と説明し、

「だから、のこりは、10こ」

と、説明することができる。

つまり、ペケをかいて、4こ、消せるのだ。


これが、割合の単元だと、うまくいかない。

たとえば、8%だけ値段を上げる、ということが、できない。

1.08倍に、金額が増えたからといって、見た目の商品の図が変わらない。

商品の形も大きさも変わらないので、それをイメージすることがむずかしい。




そこで、面積図を使う。

面積図という考え方自体は、むかしから学習塾でも使われてきた。

だから、どちらかというと「受験テクニック」というようなアイテムであった。

しかし、これが、今、見直されている。

なぜかというと、

PISA型調査テスト(全国学力テスト・学習状況調査)で、求められている力と相似しているから、である。


全国学力テストでは、

①文章を読み
②状況を掴み
③それを一度図に表し
④説明できるようにし
⑤そこから解法を導き
⑥解いてみる。

このような流れで、解いていく流れそのものが、問題になる。
あなたはどのようにこの問題をとらえ、分析し、解法を導いたのか。
それが問われる。

つまり、

文章題を習った通りに、いわば公式通りに解けたらそれでよい、という時代

ではなくなったのだ。



これに対応するには、なんらかの手段を使って、この問題を



にする必要がある。




それで、いま、「面積図」が、有効ではないか、と注目され始めているのだ。

たしかに、うちの学級でやってみると、面積図だとすらすら説明できる。

「片方のAの割合を1と考え、対するBの割合を0.8だと考えると、
1に対応する量が20なので、Aが20。Bに対応するのは、かけ算で求めて・・・」

みたいなことを、言い合うことができる。



子どもたちの算数授業の振り返りアンケートをとった。

算数の授業のなかで、どんなことがいちばん楽しいか。

「友達にうまく説明できたことが一番楽しかった」


だって。



これ、図を使わないと、無理でしょ。

だから、『面積図』です。

おすすめですゾ。


serveimage

公式を覚えないで100点をとる法

.
6年生の算数。
難しいところ、つまづきやすいところ。
速さ=道のり÷時間
道のり=速さ×時間
時間=道のり÷速さ

これを覚えるというのに、抵抗ある方、多いでしょう。

丸暗記することの多い小・中の算数(数学)で、これはまさに丸暗記型で解けるから、いいっちゃあいいんですが、それだとなんだか算数をしているようでない。
どうにかして、解法としてスマートに、論理的に、数学的な枠組みとしてとらえられるようにしたい。
欲を言えば、この解法を他でも応用できるように・・・。


そこで、図を使って計算する。


最初に、正方形をかいて、左下に 1 とかく。
左下のこの「1」は、一(いち)単位量あたり、という意味。

速さ1


つぎに、時速というのは、1時間にどれだけの距離走るか、なのでこれが基準だから、
たとえば時速40Kmの自動車だとしたら

速さ2


と書く。

この自動車が5時間走ったとする。
さきほど、単位量あたりの基準にした「1時間」の横・右側に、5時間 という時間を書く。
こうなる。

速さ3


ではいよいよ、正方形の中身にうつる。この正方形の面積が、実際の距離(道のり)にあたる。

正方形の縦辺が時速で、40Km。
正方形の横辺が時間で、5時間。
式) 40×5 = 200
こたえは面積(道のり)で、200Km。

速さ4


この図を書けるようにしておくと、公式を覚えなくてもいい。


1)
たとえば、時速が分からないとき。

時速の数字を隠す。

速さが分からない場合


すると、面積(道のり)と横辺(時間)が見える。
それぞれ、面積(道のり)が200で、横辺(時間)が5なので、縦辺は、

式)200÷5=40
こたえは時速で 40Km。


2)
つぎに、時間が分からないとき。

時間の数字を隠す。

時間が分からない場合


すると、面積(道のり)と縦辺(速さ)が見える。
それぞれ、面積(道のり)が200で、縦辺(速さ)が40なので、横辺は、

式)200÷40=5
こたえは時間で 5時間。


うちのクラス、これを教えて100点続出。

ひとめでみて、パッと見て、すぐ分かりやすい。
これが人間に、とても優しい。
これはもう、真理といっていいんじゃないか。

算数の難題について

.
算数は、1学年につき、大体、全部で12くらいの単元がある。

1学期ごとに、3,4つくらいの単元をこなすのが普通です。

さて、7月1日、今日でまた、1つの単元が終わりましたので、わたしは単元のテストを実施しました。

テストを実施したあと、1日だけ、算数は、教科書をお休みします。

そして、うんとむずかしい、算数の難題を出すことにしています。

「先生ー、テスト終わったから、今日は難題でしょう?」

子どもたちにも伝えてあるので、そのつもりにしています。

わたしは、これはとうてい、解けそうもないだろう、というような文章題を出します。




ぜったい解けないよ、といってあきらめる子もたくさんいるので、
そういう子たちのためには、またちょっと毛色の違う、おもしろ問題を用意しておいて、

「この問題が難しすぎる子は、こっちのおもしろ問題をやってね」

ということにしておく。




ところで、難題なのですが、おどろくことは、その中学生が解くような方程式を、

なんとかして、解いてしまう子がいる、ということです。




クラスでも、1人か2人ですが。



あとの休み時間になって、


「先生、さっきのでけた!」


と持ってくる子もいます。





こういうとき、子どもはまったく、いつもの感じではなくなります。

なんともいえない、充実感を漂わせているし、こちらが素直に

「できたの??!」

と驚いていることに、自慢するでもなく、間違ったらどうしようと不安になるでもなく、

純粋に、「どうかな?あってた?」と、もってくる。



子どもの可能性というのは、すごいなあ、と感心する。

それと、学校というのは、ふだん、



「迷ったり困ったりすること」



を、極力排除している、のだな、と思います。



さらに、それはとてもいいことなんだろう、と思います。

大多数の子が、算数ができるようになり、わかるようになっていくのは、やはり教え方が長年の教育研究によってかなり工夫されている、ということなのだろうし、大多数の子が苦労せずとも、学校の短時間の学習だけで、できるようになっている、ということは、すごいことです。
また、算数に苦手意識を持つ子は、このことで、心の底から、助かっているのでしょう。



ただし、たまに、



歯ごたえのある課題




が出た方が、いいのかもしれません。

そういう課題でこそ、脳みそが快感を覚える、という子が、少数ながら、いるのですな。




デカルト

増えた算数の単元・・・どう対応するか?


教科書の進度が気になって、年間のおおまかな進度を確認してみた。
すると驚いたことに、なかなかに厳しい状況でないか。
とくに、9月、10月、11月の行事だらけの時期。

算数、まともにやってられるのか??

10月ごろ、あまりのある割り算だって。
この「あまりのある割り算」が、なかなかに曲者です。
あまり、という概念がすっかり分からなくなる子がいるんですな。
ちょっと、ていねいに進める必要が出てきそう。
ここらあたりで、進度が一気に遅れてしまう気がしてならない。

そのために、スピードをMAXにして、かかっていかねばならない。
1学期のうちに、啓林館の3年生だったら、「時間と長さ」を終わっているようにしたい。


たとえば、こんなふうにするか・・・。
考え中。
(この時数計画の中に、ワークテストを盛り込めたら一番いい)

=========================================
小学3年生 算数 啓林館 進度計画
=========================================
4月(14)
1.九九の表とかけ算 3
2.わり算 11

5月(17)
どんな計算になるのかな1
3.円と球 5
ふく習 0.5
みんなで話しあいましょう 0.5
かくれた数はいくつ(1)2
じゅんび運動1
4.たし算とひき算の筆算7

6月(20)
4.たし算とひき算の筆算5
買えますか?買えませんか?0.5
ふく習,じゅんび運動0.5
5.一億までの数10
6.たし算とひき算4

7月(12)
算数の自由研究1
ふく習,じゅんび運動1
7.時間と長さ9
じゅんび運動1

8月(5)
8.あまりのあるわり算5
9月(15) ←●運動会で厳しい。少なめに見積もる●
8.あまりのあるわり算3
何倍でしょう2
9.計算のじゅんじょ1
よみとる算数(1)1
間の数1
算数のまど1
10.三角形6

10月(16) ←●音楽会で厳しい。少なめに見積もる●
10.三角形2
11.1けたをかけるかけ算の筆算14

11月(18)
ふく習1
12.重さ10
13.分数7

12月(15)
13.分数5
べつべつに,いっしょに3
14.計算のきまり1
ふく習,じゅんび運動1
15.表とグラフ5

1月(14)
15.表とグラフ3
16.小数8
ふく習,じゅんび運動1
17.2けたをかけるかけ算の筆算2

2月(19)←●インフルエンザにでもなったら大変!●
17.2けたをかけるかけ算の筆算6
よみとる算数(2)2
かくれた数はいくつ(2)2
18.□を使った式3
19.そろばん4
もうすぐ4年生2

3月(10) ←●ふくしゅうにあけくれる●
算数のまど-
ふくしゅう10

これだと合計175時間。
実際はもっとたくさん授業時間がとれるので、さらに余裕がもてる。

この進度ですすめられるようにするには、余計なことを抜きにして、シンプルな発問をくりかえしながら、混乱するような説明をできるだけしないでやれるようにしないと・・・。

「算数は、習うより慣れろ」です。




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