30代転職組・新間草海先生の『叱らないでもいいですか』

We are the 99%。転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

採用試験あれこれ

教員採用試験を受ける人が少ない件

転職、転職、そして転職、さらに転職で教員になった私のような人間こそが、このことについていうべきことがあろうと思いまして。

文科省が、「教員のなり手がいない、採用試験の応募者も少ない、どうしよう」と悩んでいるようです。

それはもう若者自体の人数が減っているわけだし、日本人の総数が減っていくのですから、もう日本自体が昔のようにぜいたくはできないし、あるものを有効に利用しながら活かしていくという、省エネの暮らしに変えていくしかないわけで、教員になりたいという若者がいなくなるのは当然でして。

それがわかっているので、手を打たなければならないのですが、有効な手を打てていない。

文科省は、学校というシステムや装置自体を、縮小していくことに加えて、とりあえず今の危機をしのぐために教員になろうとする人間を増やさないといけない。しかし、なかなか難しいようです。

このことがだんだんと世間でも話題になっていまして、どうやら採用試験のルールや日付を変えたりなど、小手先のことしかまだやっていない様子。
あとできることは、「やりがい」がある仕事です、というのを世間にアピールすることくらいらしい。

やりがいのない仕事なんて、ないでしょう。
どんな仕事だって、やりがいはありますよ!

なぜ教員のやりがいを主張したら、世間の若者が応募してくると思っているのかわからない。
他の仕事にもたくさんやりがいがあるんで、・・・
やりがいがあるよ、と100万回、文科省が叫んだところで「あそう」で終わると思う・・・。
くれぐれも、どんな仕事にも、やりがいはありますから。

もしかしたら、教員のしごとは特別だとか、文科省さん、思い上がった気持ちでいるのでは・?
そんなことないっすよね。

わたし、19歳から35歳まで、他の仕事をしまくりましたので、これ言えるんです。
教員になる前に、たーくさんの職業をしたんで。
どの仕事もね、夢中になってやっている人がたくさんいて、みんな誇りをもっておりまして、世のために尽くしているのですね、それでやりがいがあるんです。教員のやりがいを主張されても、

だから、なに?

というしかない・・・
やりがいがあるから、教員になってくれ、といわれて、若者たち、じゃあ教員になろうかな、とはならない。
文科省は、なぜそれがわからないのか、と考えていたら気づいた。

それがわかるような文科省なら、もう10年以上前から働き方改革してるよ!
わからないからこそ、その体質だからこそ、今の困った現状があるのじゃないか。至極当然。

他の仕事、他の業種は昭和から平成にかけて、どの職業も、どの職種も、労働基準法で仕事が成り立つように、苦しいながらも現場で人が働けるように、それでも利益が出るように、と、ものすごく苦労してきた歴史があるわけですね。

でも、その努力を、すべて教員の個人的な良心と善意に、依存してきたわけで。
今、そのマイナス面が噴出してきちゃった。
だれも、教員になんて、なりたくないんですよ。お昼ご飯を5分以内で食べなきゃいけなくて、休憩時間というものがなく、ほぼ10時間くらい、立ち続けているような仕事。みんな少しは座りたいから。

先日来ていた教育実習生が、「本当に休憩ってないんですね」と言っていたのが印象的でした。
当たり前過ぎて麻痺している、担当の先生に「そだよ」と1秒で流されていましたが。

労働基準法が、例外視されてしまい、それがふつうとなってしまった教員の仕事。
労働基準法が、ないこととされている異常な空間。
若い人たちがやりたくないって。無理もない。

文科省の人たちも、本当は気づいている。
でも、予算がおりないんだって。
だからどうしようもないって。

いや、予算かけないでいいのですね。金は使わないでも。
子どもに関すること以外の余計な仕事が減れば、万事、うまく回転し始める。かんたんなこと。

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【教員採用試験】ピアノと水泳を廃止!

BIGニュースが流れてきた。
なんと、教員採用試験からピアノと水泳が廃止されるという。
『教員採用試験、水泳とピアノ廃止 負担減で受験者増狙う』(朝日新聞デジタル)


わたしはいくつかの県の採用試験を受けたが、もう他の若い子に比べて、ほぼ中年の域であったし、試験会場では最初から周囲の『若さ』に圧倒されて、気を呑まれていた。

おまけに、ピアノを演奏するのはひとりずつ、ではないのである。
時間短縮のためか、同じ受験生が10人ほど、広い音楽室に同時に入るのである。
だから、よけいに緊張した。

そのため、ピアノはもう、心臓がばくばくして、汗もひどい。手のひらがじっとりとして、頭はぼうっと熱くなり、半分失神したまま演奏をした。
途中で、ちょっと難しい箇所があったのだが、案の定間違えた。すると、同じ部屋で受験している若い他の子たちが、「ハッ」と息をのむのが、分かるのである。

教室中の空気が、動くのだ。

「あの人、まちがえちゃった」

ということのオドロキと衝撃、「かわいそうに」という思いに「これで一人減った!やったぜ」という思いがいっきに交錯し、みんなが一斉に、同じタイミングで息をのむのである。
そして息をとめる。(声を出さぬように、という配慮)

だから、わたしは鍵盤を弾きながら、
「おいおい、きみらが緊張してどうする!こっちにその緊張が伝わるだろうが!」
とますます緊張して思い、あとはもう、何をどう弾いたのか覚えていない。

ただし、その後に「とんび」の歌唱テストもあるのだが、こちらはまったく緊張しなかった。もう落ちたな、と思ったからだ。だから、10人の若者がおっさんのわたしを凝視する中でも、わりと平気で、そうであるばかりか逆に、かなり朗々と、のびのびと、われながらうまい、と思えるほどの「とんび」を歌うことができた。こぶしで唸り、しゃくりでアレンジし、思い切りビブラートを効かせる。すべてを駆使した、大人版の「とんび」。なかなか歌えるものではない。

このときは、とんびを練習するためにカラオケボックスに通い、「とんび」をリクエストして、なんども歌ったものだ。

試験官の前で、

とーべ、とーべー、とーんび。
そーら、たーかーくー♪

ピーンヨロー♪、と鳴くところがたいへんに気持ちよく、思わず身体の上半身が左右に揺れてしまう。ところが、歌う際にはあまり身体を動かさないように、というふうに言われていたことを急に思い出し、ぎこちなくロボットのような揺れ方になった。

水泳は、テストのときに雷が鳴った。

プールサイドに整列し、受験の仕方、採点の方法など、事前注意を受けていたときだ。
空は晴れていたのに、急にゴロゴロと音がした。
悪い予感がしたが、一応そのまま試験は続行された。
シャワーをあびて、

「身体をならすために、アップしてください」

というアナウンスがあったので、受験番号順に軽く50mを泳ぐ。
わたしはクロールでかなりゆっくりと泳ぎ、最後はプール内を歩いた。
もうすでにプール内が渋滞していたのだ。100人近くがいっせいに入ろうとするプールは水面が異常に波打ち、そのため荒波による水を飲んでおぼれそうになりながら必死になって進もうする同じ受験生が多くいたため、そうとしか動けなかったからだ。

その時だ。
山の遠くの方に、ぽつッと黒い点のような雲が現れたかと思うと、空一面にそれがみるみる広がってきて、そのうちにザザーッ!と車軸を流すような雨が降ってきた。

わたしたちはいったん、理科室だかに急きょ避難することになり、なんだか冷たく暗い実験室の中でバスタオルにくるまりながら震え、

「これで確実に風邪をひくぞ」

と青ざめた唇をかみしめながら思ったものでした。
日本全国、はるか遠方からも受験者が集ってきたこともあり、試験を中止するわけにもいかぬ。それから40分ほどして、雨が小降りになったところで、つづきの平泳ぎをして、プールサイドであいさつをしてから終わりになった。

採用試験は4日間つづく。
次の日は器械体操と球技。
バスケットボールは制限時間内に10回程度のゴールを、コートのさまざまな場所から決める、という課題だったが、わたしは果敢にせめたにもかかわらず、すべてゴールを外した。
10回とも、である。くりかえすが、嘘ではなく、10回とも、すべて外した。
最後の3回は、もう本当にゴールの真下から、ほぼノードリブルで、真剣にねらったにもかかわらず、外した。

悪夢か、悪魔の計らいか。
わたしは呆然とし、またもや

「あの人、全部はずしちゃったよ」

という、「みんなが息をのむ」感じを味わった。

わたしはとびきりの笑顔で列にもどり、ボールを次の方へ気持ちよく渡した。次の方は、わたしのそのふるまいに恐れおののいたようになり、目を最大に見開いたまま、ぎこちなく手を出した。そして、わたしに対して憐憫(れんびん)の情が浮かんだ複雑な目を向けながら、その縁起の悪いボールをもらい受けた。
わたしはなにか悪いことをしたのだろうか。
その方もなぜだかしらぬが、次々とゴールを外した。不運なことに。



ところで、4日間のうちに、戦友、という気持ちが芽生えるものだ。
最終日、すべての試験課題を終え、最終の案内と説明を聞くために席についたわたしを見舞うために、トイレ休憩中、何人かの若者がわたしのところへ来てくれた。

「あらまさん、いつかきっと、現場で会いましょう」
「あらまさんのおかげで、勇気をもらいました」
「あらまさん、ぼくら一足先に行って、待っていますね」

まだ結果も出ていないのに、すでにそんな会話を交わしたことを覚えている。

ともあれ、ピアノと水泳が廃止になって、まあよかった。
ついでにペーパー試験も無くして、教員の仕事はすべてボランティアでまかなうことにしたらよいのではないだろうか。日本は確実に変わると思う。

プール

【職業】「失敗してはならない」ということ

.
「わたしは採用試験を受けるべきでしょうか」

という問いが出てくる背景に、なにがあるのかな、と思う。


硬い、職業意識が、隠されてはいないだろうか。
ぜったいに仕事選びに失敗してはならない、という怖れで、
やわらかい感性までもが、ガチガチにこわばってしまっていないか。


人生を、大切にしたい、というもの。
みんな、そういう気持ちがある。
あって当然。


仕事とは何か。
人生とは何か。
職業を選ぶ、とは、どういうことなのか?

そういうこと、よく調べる時間もないから、
とくに若い時は、職業辞典のようなものを見て、
「仕事で、何をするか」ばかり、頭に入れている。

そのうえで、自分で納得し、選択していく力が残っていればいいけど。
仕事の種類を頭に入れただけで、エネルギーを消耗し、へとへとになってる。



ふりかえると、わたしの職業選びの、なんという軽いこと。

小学校で軽く俳優をめざし、
中学校でなんとなく小説家をめざし、
高校生になってようやく、

「自分は落語家になろう」

と決めることができた。

ただし大学生になって急きょ落語家を延期。
そこからはもう、書くのも大儀なほど、転職ばかり。
牛を飼ったり、研究所に勤めたり・・・、教師もいつ辞めるか分かりません。


これは、ネ。

つまり、なにをしようか、自分はなにがしたいかな、と、ずっと考えているっちゅうことだね。

それは、自分しか、自分の心がよく分からないので、自分がみてあげるしかない。



あ、そうか。

「わたしは採用試験を受けるべきでしょうか」 というのを、

あかの他人であるワタクシに質問をするってのは、

たぶん、こんなブログを書いている人に、

ちょっと背中を押してもらいたい、ってことだろうね。


よーし!!

背中を押したろう!!



「あんたは受けるべきやでぇ!!!
根性いれて、しっかり頑張らんかい!!
あんじょう、したらんかーいッ!!!



・・・どうでしょう?こんなもんで?


ouen_man

【教員採用試験】を受けるかどうかで悩む人へ

.
長い間、ブログを続けていると、採用試験関係の悩みごと相談も舞い込む。

ブログページの、メッセージ機能で、わたくし、新間へ簡単なメールが届く仕組みになっています。

しかし、このような質問に、ほとんど、何も回答できずにいます。ごめんなさいネ。
「わたしは採用試験を受けるべきでしょうか」

結論から申し上げますと、それはおそらく神様さえも、ハッキリしたことは分からないのじゃないでしょうか。

〇小学校の先生は、やりがいがありますか。→
 他の人は知らないですが、わたしはやりがいがあります。

〇小学校の先生は、タノシイですか。→
他の人は知らないですが、わたしは楽しいです。

〇小学校の先生は、たいへんですか。→
他の人は知らないですが、わたしはほんの少したいへんです。ストレスって、0(ゼロ)だと健康的じゃないらしいですよ。

〇小学校の先生が向いているかどうか、どうしたらわかりますか。→
10年ほど、やってみるしかないと思います。それと、向いていない人はたぶんこの世にはいないと思います。どんな人も、その人の味が出て、その味において、子どもたちはかけがえのない学びをするはずで、親に向いていない親はいないし、人間に向いていない人間はいないので。




「よい人生」というのを、なんとなく想定して、あれこれと気になっていらっしゃる様子。

分かります。理想(こたえ)を追い求めたくなる気持ち。だれにもあります。

ただし、理想(こたえ)はなくてもかまわないし、理想がなくてもみんな幸福でいるのが理想なので・・・。

職業にも、答え、なんてものは、無いでしょう。

ぜんぜん、期待する答えになっていなくて、申し訳ないですナ。


ともかく、あなたは、

〇教師に向いていて、医者に向いていて、保育士に向いていて、技師に向いていて、プログラマーに向いていて、農場主に向いていて、商売人に向いていて、経理に向いていて、大臣に向いていて、ひよこの雌雄鑑別師に向いている

・・・はずです。

なぜなら、この世に、向き不向きは『無い』ので。

で、あなたがあなたの人生において、なにをしていても、バッチリOKなのです。

フハハハハ・・・

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なんで教師をめざしたか・・・?(面接で聞かれること)


保護者と会った。
お昼ごはんを、ごちそうしてくれた。


勤務校の、ではない。
だから、ふつうに、知人とよぶべきなのかも。
ただ、話の内容が、

「親として、保護者として」

という話であったから、自然と私も、

「同じ年代として、同じ保護者目線」

という、目線で話をした。
その一方で、

「学校の教師として」

という観点でも、話をせざるをえない。
だって、私は毎日、学校で勤務しているのだからネ。


さて、そこで、

「いったい、なんでまた、○○○○で勤務していた人が急にガッコの先生なんかになろうと思われたのですか」

という、本当に何度も何度もくりかえし答えてきた質問を受けた。

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愛知県の教員採用試験は、4月下旬から願書配布!


さあ、いよいよ、教員採用試験の受験シーズンが始まりました!

愛知県の情報に限定して、掲載してまいります!

まずは、受験案内の配布について。
これは、今月下旬です。
ここから第一歩を踏み出しましょう!


受験案内の配布 平成24年4月末 
※配布日は教職員課ホームページに掲載予定

願書受付期間 平成24年5月9日(水)~平成24年5月22日(火) ※当日消印有効

第1次試験 平成24年7月21日(土)
第2次試験(1日目) 平成24年8月20日(月)
第2次試験(2日目) 平成24年8月21日(火)



昨年、わが勤務校にボランティアでお手伝いに来られていた若い方が、昨日も学校へ遊びに来られて、

「受験しますんで、応援お願いします!」

と話していた。
まあ、知っている教員の息子さんで、ボランティア時代にも職員室でいっぱいしゃべった仲なので、みんなでお茶飲みながら、職員室の先生たちも

「がんばってねえ」

という雰囲気でした。本当に、合格してほしいです。


ちなみに、  愛知が求める教師像

  1 豊かな専門的知識と技能を備えた人

  2 児童・生徒に愛情を持ち、教育に情熱と使命感を持つ人

  3 広い教養を持ち、円満で調和のとれた人

  4 実行力に富み、粘り強さがある人

  5 明るく、心身ともに健康な人

  6 穏健、中正な良識のある人


これについて、いろいろとふだんから考えておくことをお勧めします。

1 の豊かな専門知識というのは、発達障害についての知識を99%問われると思っていてよいでしょう。

2は、いわずもがな。

4,5,6については、面接の応答に、それらしさをにじみださせましょう。小論文に、

「わたしは、以前の職場の先輩に、○○さんは粘り強さが持ち味だ、と言われたことがある。わたしはこの言葉をいつも胸に・・・」

なーんて、書くのもよいでしょう。

算数の授業内容が増えたことについても今年は問われてくるのでは。




教員採用試験 面接のコツ


今年、受験する臨採講師の先生から、連日のようにアドバイスのリクエストがあり答えています。そうです。2次試験前なので彼も真剣なのです。
一つ、気になったことがあります。

それは、発達障害児のこと。

試験をする側、採用する側としては、今や発達障害児の把握について、どの程度受験生が勉強しているか、学ぼうとしてきたかを絶対に確認してきます。
面接の質問の中に、確実に入ってきます。
どの程度、どんなふうに回答していくか、シュミレーションをいくつもやっておいたほうがいい。

どんな問題が出るのか、わからなければ手の打ちようがない。
しかし、発達障害に関することは、ぜったいに聞かれるのです。
だから、手を打てる。
逆にいえば、発達障害に関して、回答のない受験生はほぼ、合格枠からは外されてしまうと考えていいでしょう。


さて、講師の先生のように、間近に発達障害児を見て、その指導にあれこれと悩んだ経験のある方はいいが、学生のままで新卒の試験受験者にとっては、どんなふうに回答するのがいいか、迷われている方もいると思う。
経験はないのだから、経験から語ることがむずかしいかもしれない。
また、知ったかぶりをするとかなりの確率で、試験官に「嫌われて」しまうのだから、

○経験はないが、学んでいること
○実際に自分が担任する場合は、相当な準備と学び続ける意欲を強くもってのぞむ、という覚悟があること

この2点をハッキリと伝えること。
あいまいに伝えたつもり、ではしっかりとアピールできない。
だから、上記の2点を、自分なりの言葉で、確実に面接官に印象付けることが必要と思います。


さて、発達障害児に関することは、本を2冊、3冊読んだ程度ではダメだ。
授業で学んだ、というのでも間に合わない。
卒論を発達障害児のことでしっかりと書いた、というのであれば、まあまあか・・・。

なんでここまでしなくてはいけないかというと、世の中の発達障害の把握の仕方も、あれこれと幅がひろいからであります。
また、自閉症スペクトラム、というように幅の広い呼び方でしか呼べないように、ADHDもLDもなかなか線が引きにくい。はっきりとは・・・。すべて連続している。
だから、なかなかに「わかった」といえない。(当然だけど)

発達障害に関しては、知ったかぶりは厳禁だ。
なぜかというと、試験をする側の校長、教頭、教育委員会、学者先生もすべて、まだよくわかっていないのだから・・・。


ただ、その中で、すぐにも担任をもつ自分がどうして対応していくか、ということに、芯のある考えがないといけない。でなければ、即戦力としてやっていけない。
とりあえずの、方針があるかないか。
有効な手立てをとりうる、方針があるかないか。
ここにかかってくる。

その方針は、いくつもあるが、とりいそぎ、時間の限られている今年の受験生のために、


「ユニバーサルデザインの学級経営と授業」


という言葉を贈ります。
だれにとってもやさしい、というのがユニバーサルデザイン。
健常者だけでなく、発達障害をかかえる子どもにとってもやさしい、それがユニバーサルデザイン。

このユニバーサルデザインの考えを把握し、理念をかんたんに言うことができて、さらに具体例をいくつか言えること。
さらに、
面接の間にその意見がぐらつかず、面接官に

「この子は一貫しているなあ」

と思わせることができれば、あなたはきっと、合格でしょう。




教員採用試験の記事 受験生向けにまとめてみました。

BLOGを2006年に公開してから、すでに5年半が経ちました。


この間に、主に採用試験についての記事を多く書いてまいりましたが、そろそろシーズンが近づいてきました。一度、ここで、採用試験の記事を少しだけ、まとめておきます。まだあるかと思いますが、目についた記事だけを下にリンクしておきます。

★採用試験対策のカテゴリまとめ
http://arigato3939.publog.jp/archives/cat_10115568.html


2次試験に向けて 加点方式と減点方式を心得よ
http://arigato3939.publog.jp/archives/54401754.html


教員採用試験 面接のコツ
http://arigato3939.publog.jp/archives/54401946.html


近づく今年の教員採用試験 予想される面接質問はコレだ!
http://arigato3939.publog.jp/archives/54401939.html


同じ受験生に対する気持ちが合否に関係する
http://arigato3939.publog.jp/archives/54401773.html


アッサリした二次面接は危険信号
http://arigato3939.publog.jp/archives/54401766.html


まだまだありますが、詳細は一番上の<カテゴリまとめ> からご参照ください。

近づく今年の教員採用試験 予想される面接質問はコレだ!


愛知県 7月21日(木)。
この日が、1次試験である。

またこのシーズンがきた。
今年の面接で聞かれるのではないか、ということを、2点、挙げておきます。

1)不審者がとつぜん、教室に入ってきました。どうしますか。
2)地震が起きました。どうしますか。


今年になって不審者の事故が教育委員会を脅かしました。
校長会でも、教育委員会全体でも、そのことがとても新鮮なニュースとなっています。
小学校の教頭先生が試験会場に集合し、面接官を担当することが多いです。
また、その中で、面接官がすべてマニュアル通りに面接を行うのではなく、弾力的な運用を行っていて、教頭先生がご自身、あるいはその面接グループの話し合いの中で、質問を選択し、面接者にぶつけてくるのです。

上記の2点は、今、多くの教頭先生の頭の中に、非常に印象濃くインプットされている事項でありますので、今年の面接で聞かれる可能性が非常に高い。

1)は、撃退します、の一言ではダメ。
具体的に、どのような考えでもって、第一の対応をとるのか。次に、不審者の様子がどのように変化したので、第二の対応にうつる、その根拠はこうである、というぐらいに、細かく言えなくてはなりません。

2)も、もちろん、避難します、の一言ではダメ。
学校で定められている避難経路と非常事態の中での分掌によって行動することを前提に、子どもたちへの目線、声かけ、とこまかい気配りがある返答が求められます。

どちらも、学校の中には、非常事態に備えた対応の一応の線が定まっていることが多いので、それをふだんから熟読し、対応できる心構えを備えて置くことを当たり前とし、そのことにふれつつも、自分ならそれに加えて、どのようなことに気を置いて避難するか、させるか、ということを考える。

たぶん、1次試験、2次試験、どちらかで、この2点は今年の試験の頻度の高い出題項目となるのではないかと推測します。


受験者のみなさん!!!!!!

がんばってください!

また思いついたら、なにかヒントになりそうなことを、書いておきます!




教員採用試験 愛知は明日が締切!間に合う自治体は




教員採用試験の日程・しめきりが迫ってきました。


いよいよ、明日が締め切りです。

愛知県 7月21日(木) 募集期間5月11日(水)~24日(火)消印有効

まだ迷っているという方もいらっしゃるかもしれません。
ぜひ、頑張ってください!

名古屋市はまだ大丈夫です。6月2日まで消印有効とのこと。

名古屋市 7月21日(木) 募集期間  [持参]5月24日(火)~6月3日(金)
[郵送]5月24日(火)~6月2日(木)消印有効
採用情報ページ http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/65-2-0-0-0-0-0-0-0-0.html
教育委員会 http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/62-10-0-0-0-0-0-0-0-0.html



静岡や浜松はもう締め切られています。
長野も、ぎりぎり間に合います。

長野県 7月2日(土)・3日(日) 募集期間  [持参]5月10日(火)~25日(水)
[郵送]5月10日(火)~25日(水)消印有効



関東に目を向けてみますと、
神奈川や相模原市、横浜市はもう締め切られています。
しかし、川崎市だけはまだ間に合います!

川崎市 7月3日(日) 募集期間 5月9日(月)~24日(火)消印有効
※郵送のみ



東京都や埼玉はもう締め切られ、群馬県はOKです。

群馬県 7月3日(日) 募集期間 [郵送]5月6日(金)~25日(水)消印有効
[持参]5月6日(金)~25日(水)



これから試験を受けられる方、ぜひがんばってください!
私の学校にも、講師の方がいらっしゃいます。
今年、受験するということで、職員室の仲間で応援していこうと話しています。

まずは1次試験に向けて、着実に過去問等をこなしていってほしいと思います。




採用試験の概要発表され始めました




愛知県の教員採用試験の概要について発表されています。
平成23年4月22日(金曜日)発表
http://www.pref.aichi.jp/0000040787.html


愛知県には、次のような選考枠も用意されています。

○元教諭・講師経験者特別選考
○現職教諭特別選考
○社会人特別選考

こうした動きを積極的に活用するのがいい。


配布時期。
平成23年4月28日(木)~
となっている。
つまり、今日からだ。

中央県民生活プラザ、県民生活プラザ(県内7カ所)及び県教育委員会教職員課で配布。

とある。

願書受付期間 平成23年5月11日(水)~5月24日(火)

試験日  第1次試験 平成23年7月21日(木)
第2次試験 平成23年8月22日(月)・23日(火)


これは、愛知県の平成24年度 教員採用試験概要。



わたしの知人も、また同じ学校の講師の先生も、チャレンジしようとしている。
春の、1学期の、忙しい時期にも関わらず、教室で勉強されている姿がある。
面接も、複数のベテランの先生、教頭先生にみてもらっている。


ぜひ、受かってほしい!
夢を、実現してほしい!
エールをおくります。



(かつて受験者だった自分に、さまざまに応援を下さった方への御礼、いつもこの時期になると思いだしています。まったく知らない人なのに、丁寧にいろいろと教えてくださった方もいらっしゃいました。本当にうれしかったです)




同じ受験生に対する気持ちが合否に関係する




一緒に2次試験を受けた人がいる。
たまたま試験会場で偶然に近くに座った人だ。
番号や名前などくわしいことはお互いに知らない。
ただ、同じ境遇で、同じ試験に挑んでいるという親近感から、なんとなくうちとけて話をした。

「6年目なんです。ずっと講師を続けていて・・・」

彼はずっと市内に住んで、採用試験を受け続けているという。
校長や教頭をはじめ、仲間の教員にもずいぶん応援してもらっている。
ただ、なかなか受からない。
「今回、やっと1次が通ったので、本当にチャンスです」

そう言っていた。

彼と話をしながら、自分がどんな気持ちになっていたかを振り返る。

「合格してほしいな」

素直にそう思った。
できれば、いっしょに合格して、共に辞令交付にのぞみたい。
いっしょに研修もうけてみたい。

素直な気持ちだった。

今考えると、こんな気持ちでのぞんだからこそ、合格できたのかもしれない。


実は、まったくちがう心持ちでのぞんだ試験もあるのだ。
採用試験ではなかったが、自分の力をはかるために、ある検定を受けた。
結果は、期待以下。勉強不足という言い訳はあとからつけたもの。合格はしなかった。

このときの心境を、あとから思い出すと、今回とは大いにちがったのだ。
このちがいに、なにか秘密がありそうで、記憶にとどめたいからここに備忘録として書いておく。

このとき、私は自分より一つ前の受験生をみて、ある気持ちになったのだ。

「自分より上手でありませんように」

この心の余裕のなさ。
今から考えると、なんでだろうと思うくらい。
はずかしいが、事実だ。
自分に自信がなかった。正直な、まっさらとした心境ではなかった。あわよくば、よく見られたい、という欲に浸かっていた。自分の実力以上に、自分をみてほしい、という思いがあった。
(・・・そんな思いはなかった、と思いたいが、実はあったのだと思う)

結果は無残。上手でなかったのは、自分だった。
彼女も、不合格。

人をのろわば、穴二つ、というが、本当だ。

しかし、なんでこういうことが起きるのだろう・・・?
と不思議に思っていたら、これはどうやら脳科学や心理学的な裏付けがあるらしく、有名(というか当たり前)な話らしい。
あまりにも作為的なことが人の心をうたないのと同じように、「脳」というのは本音の、シンプルな部分に共鳴するらしい。
「合格」をイメージしたか、「失敗(上手でない)」をイメージしたか、のちがいがあったのだ。そのイメージが、もっとも強く働くのが、自分自身というわけ。
(自己より発し、自己に還る)

とっさに、瞬時に、すこしも迷わず、隣の受験生の「合格」をイメージできるようになるには、ある程度の積み重ね、日々の鍛錬が必要だ。
「自分」は「合格」にふさわしい、という信念。
信念の強化が必要なのだ。

わたしも、あなたも、「合格」していく、というイメージ。
それが、ふさわしい、というイメージ。
私も、あなたも、共に繁栄するんだ、という信念。

では、そのためにどうするか。




「夢」を実現・・・9年間をふり返る




8年前、結婚して、教師になる決心をした。
○○県の教師になりたいと思った。
しかし、免許はないし、難易度の高い試験に合格できるとは到底、思われなかった。

先日、とうとう夢が実現するにいたった。
なんでだろう、とふりかえってみている。

困難な障害は、たくさんあった。
しかし、すべて、のりこえられた。
ふしぎなことに、「障害」を、「障害」と思わなかった。

運が良かった、と思うこともたくさんある。
小学校教員資格認定試験についても、知ることができたから、挑戦できた。
知らないままだったら、今頃、教師をやっていたかどうか、定かでない。

最初の難関は、「一ヶ月間の教育実習」であった。
勤務先の上司に、「君の代わりがいない。一カ月休むことはできない(休むなら辞めるしかない)」と言われた。
なんとかならないかと思って情報を集めていた矢先に、小学校教員資格認定試験を教えてもらったのだ。
これに合格するために、運よくいい本に出会うこともできた。
「国語教育指導用語辞典」である。

試験に合格し、免許状をいただいてからも、○○県の採用試験は難関に思えた。
一般教養の試験がかなり難しい。
赤ん坊が生まれ、教員として勤務を始めてからの受験勉強、どうしたらよいか分からなかった。

そこで、○○県とは別の、△△県を受験した。
△△県には、合格できた。一般教養の試験のレベルが、格段にちがった。基本的な問題を確実に解くことが必要な試験であった。これなら、基本がわかっていれば受かる。
○○県のように、大学入試レベルのひねった問題でないから、大丈夫だったのだ。

△△県で、丸3年間、学級担任として勤務した。
講師で2年。正規採用で1年。
さて、条件がそろった。
○○県の「社会人枠」で受験した。
一般教養は免除してもらえた。おかげで、合格できた。

8年間。あしかけ9年。
夢が実現できた。

この9年間で、自分は何を学んできたのだろう、とふりかえってみる。
一番は、「夢を実現するための方法」を学んだことだ。
教師になる夢、云々、というよりも、このことが一番の、「人生の宝」に思える。

コツは、すこぶるシンプルだ。
自分は、この夢を実現させることができる(それにふさわしい)、という信念を持つこと。
あるいは、できっこない、というまちがったセルフイメージを「持たない」ということである。

生まれつきなのか、両親によく育ててもらったからなのか、人生はうまくいくはず、という思い込みをもっている。

一番大きな原因は、20代の過ごし方、だろう。
20代に、とことん、考える機会があった。
それも、たくさんあった。
考えるのが仕事、という日常があった。
自分の視点を、常に高く高く、と意識せざるを得ない毎日を過ごしていた。

これが、「気がつくと夢を実現してしまう」自分を作り出してきたのだと思う。
夢と言ったって、見る人から見れば、ただの・・・という小さなものかもしれない。
しかし、9年前の自分から見たら、本当に夢だったのだ。○○県の正規採用教員になる、というのは・・・。
だから、こういう言い方を許してほしい。

私は、「気がつくと、夢を実現してしまっていた」のです。




採用試験・「社会人枠」のすすめ




合格を知らせると、

「受験勉強しなかったって?それでなんで合格できたの?」

と、反応がかえってくる。

それに、違和感があった。
どうして、違和感があったのかな、と考えてみている。


私は、受験勉強をしなかった。
今年は、社会人枠の試験を受けた。だから、むずかしい一般教養試験が免除された。
のこるは、専門科目(小学校全科)と、小論文、面接、の3つである。
この3つには、実は、受験勉強は要らないのでは・・・。

逆に、必要な勉強がある。
それは、教師としての力をつける、腕を上げる勉強だ。
それがなくては、受からない。

周囲のみんなに、こう言われた。

「あんた、夏休み中は研修ばっかで、寝る暇もないヨ、って言ってたのに、いつ受験勉強したの」

同じことばかり、何人もの人から言われた。

その都度、「受験勉強はしてないんですよ」とやんわり返していたが、
自分でも、なんで受験勉強していないのに受かったのだろう、と不思議に思えてきた。

そこでつらつらと考えるのに、


「受験に必要なのは、いわゆる受験勉強ではなく、本物の勉強だ」

という考えに至った。

考えてみると、専門科目(小学校全科)の問題には少々慣れやパターン記憶が必要に思うが、大事な小論文や面接には、受験テクのようなものがあまり無い。むしろ、実際の場面を想像しながらいくつも指示・発問・支援・声かけ、その他を考え出せる、「実際の力」が必要だ。

しばらく登校しぶりが続いた子にどう対応するか、という質問には、
「笑顔で明るく声をかけます」
だけでは不合格で、
「笑顔で明るく声をかけ、さりげなく服や、身体の様子、体調などを観察します」
が合格となる。

こういう回答が、受験テクなのか。
それが受験テクなのだ、といわれてしまえばそれまでだが、それは受験専用のテクニックではなく、実際に本物の力として通用するのだから、「受験テク」という言葉におしこめてしまえるものでもない。妥当な言葉とは思われない。
実際の力は、実際の力だ。通用する力なのだ。

繰り返すが、私は社会人枠で受験した。
だから、一般教養の試験は受けなかった。
だから、受験勉強をせずに済んだのだ。
あとは、いわゆる

「教師としての力をつける勉強」

をしていれば、合格する力がついたのである。
さまざまな本を読み、先輩に授業を見てもらい、先輩の授業を見聞きし、多くの原則を知り、セミナーにも通ったから、力がついたのだ。
こういうことをしなかったら、おそらく今回も採用試験には合格しなかったろう。
「社会人枠」に必要なのは、受験勉強ではなく、教師の腕を上げる修業、なのだろう。

採用試験に、受験勉強がかならずしも必要なわけではない。

「社会人枠」受験なら、いわゆる受験勉強は要らない!
本物の力を幾分かでも納得できる力として、自分自身に培っておくのだ。




採用試験合格・知人からの祝福




合格を知った知人から、祝福された。
同じ市内に勤務する、教師たちだ。
いっしょに研修も受けたり、学びあった仲間だから、本当にうれしかった。

ほとんどの人は、私の家庭の内部事情を知っているので、

「本当の本当に、夢がかなったね!」

という<おめでとう!>ムード一色の祝福である。

しかし、その一方で、困惑を隠せないという人もいる。
現職場の人たちだ。


「なんで、別の県に行ってしまうの?」

「そんな、明日にもお別れみたいに・・・。いや、こちらで春までしっかり勤務しますから。だいぶ先ですよ」

と説明するが、それでもなお、質問攻め。


年配の先生は、

「組合にも入ったし、共済の積み立てだって始めたんでしょ。まるきり最初から、よくやりなおすねえ。」

と、さすがに年季の入った人らしい心配をしてくれる。


「しかし、よく受かりましたねえ。そんな勉強する暇、あったんですか?」

みんな、こう言うのがほとんどだ。

夏休みは、教師向けの勉強はしていたが、受験勉強は一切していない。
だから、

「勉強してないけど、受かったんです」

というと、みんなそれぞれの妙な反応をする。


○「そんなはずないでしょう」と苦笑いをする。

○「先生は頭いいからねぇー、ホーッ」という、ため息ともつかない感想。

○「・・・」無言で、?ハテナ、という顔をする人。

○「すっごい!秀才だもんね~」と笑って冷やかす人。(以前同学年を組んだ、気心しれた女性の年配先生。冷やかされた後、引っ越し後の子どものこととか、転校、転園のことなどを心配してくれる。)


せっかく正規の教員として勤務しているのに、
せっかく初任者研修も終わらせたのに、
よくやるわねえ・・・

これが、全体の職場のみなさんの、共通した感想であった。




教員採用二次試験合格しました




うすっぺらい封筒。
帰宅時、なにげなくポストに手を入れると、○○県、の文字が。

おお!!

もっと遅いと思っていたのに、ついに来たか、通知が!


しかし・・・

ありゃりゃ?

と、意外な気持ちが抑えきれない。
なぜなら、実際の試験会場でも、合格発表は十月下旬と言っていたではないか。
早すぎる、と思うのと同時に、

あ、なるほど、落ちたのか、

と思った。

つまり、不合格者には先に通知が送られるのだろう、と思ったのだ。
合格した人には、順次、次の手続きや資料を同封してから送らなければならない。だから、その分、手続きが遅れてしまっているのではないか。

「こんなに早く、それも薄っぺらい封筒だから、落ちたのだろう」

そんなにショックが無かった。
自分でも不思議なほどだった。
なぜだろう、と自問する。
玄関でくつをぬぎながら、
「ただいま」
といつものように声をかけ、今勤務している学校が心地よいからだろうか、と考えた。

妻が赤ん坊を抱いて出迎えた。

「これ、封筒きたよ」

差し出すと、おおー、とうれしそうな顔をする。

「いやいや、こんなに薄っぺらいよ」

というと、早く開けたがって、リビングに持って行ってしまった。

部屋にかばんを置いてあとを追ってみると、
すばやいもので、もうハサミで封を開けようとしている妻の姿が目に入った。

「薄いからね。それに、思っていたよりも早いし」
ネクタイをほどく。

「そっかー。薄いねー。だめだったか」

封書を開けた妻が、眼を見開いて文面を見つめている。

テーブルにおいてある湯呑に手を伸ばした瞬間、

「あれ?なにこれ?どういうこと?」

と、はずんだ声がした。

口元に運んだ手が、止まった。


「内定って、書いてあるよ。どういうこと?」

え、それ、合格ってことなんじゃ・・・。


あとのことははっきり覚えていない。

落ち着かなく、猛烈な勢いでしゃべりながら、夫婦で廊下やリビングを行ったり来たり・・・。

「じゃ、次の3月は、引越しか?」

妻が、ソファーに腰をおろす音が、静かなリビングに響いた。




アッサリした二次面接は危険信号




私の勤務校の、常勤講師の先生です。
大学4年生のときに受けた採用試験で落ち、今年社会人一年目。
常勤講師として、「かなり」がんばって勤務しています。
傍目からみても、

「もう遅いから明日にすれば・・・」

と積極的に退勤をすすめないと帰らないくらい、いつまでも書類や本を見たり、明日の準備をしたりとまじめです。

7月の一次試験は楽々突破。
要するに、二次試験が問題なのです、と本人もいうくらいでした。
面接と模擬授業。この二つ。
今年は気持ちの余裕もあるし、模擬授業も本人なりにかなりがんばって考えた、そうです。

しかし、結果はアウト。

模擬授業を一度見ていて、助言もした手前、なんだか責任も感じます。

模擬授業を、3回は見ておけばよかった。

昨年助言した先生は、見事合格されましたが、一週間前から何度も練習していました。
何度繰り返しても、同じことば、同じ発問でぴたりと決まる。
子どもがどんな反応するか、それに対してどう受け、どう展開するか、緻密に考えていました。

それにくらべれば、今年の彼は、かなりアバウトだったかなと思います。
昨年の先生は、ほめるタイミングとほめ言葉まで、決めて練習していました。
今年の彼は、わたしもそこまで要求しなかったのですが、なんだか自信たっぷりの様子だったので、

「だいじょうぶかな」

と思ってしまっていた。これが私の詰めの甘さだ。

来年、と本人は思っていて、もう勉強を始めている。
そこがえらい。

あと、面接が終わった翌日、たまたま学校で会ったので感想を聞くと、

「なんだかやけに簡単な質問ばかりだったので、拍子抜けしました」

と言っていた。
これで、いや~な予感がしていたのですが、それが当たってしまった。

何度も採用試験を受けた経験から、

「試験官は、魅力のない受験者に対しては、早く終わらそうという意識と、簡単に終わらそうという意識が働く」

という法則があるとみやぶっています。
それによると、あまりにもあっけない質問がつづいたり、簡単だなあ、楽だったなあ、とふりかえるような面接は、アブナいのです。

なんだかふところをえぐるような質問や、ハッとなにかつきつけられるような質問が続いたり、個人的な考えの深部を考えさせられるような質問が続くときは、面接官が本気の証拠。
つまり、

この人は、OKかもしれない

と思っているのです。

それに真摯に答えることができれば、合格がすぐそこ、ということになります。


という私自身も、もうすぐ発表があります。ドキドキ。
どうかなーと気になりつつ、日常生活の中では、ほとんど試験のことなど忘れています。
今週末には、図工の校内研究発表。
指導案を直さないと・・・。
さて、どんな授業ができるかな。




2次試験に向けて 加点方式と減点方式を心得よ




自治体によっては、2次試験がこれから、という方もおいでだろう。
試験の採点方式にはいろいろとあるから一概に言えない。
多くの自治体で採用されているのが、加点方式と減点方式の両方をあわせもつ採点方式だ。

加点方式の部分をいえば、ずばり、「この人を採用したい」欄だ。
試験官が判断をして、この人はいいなあ、と特に顕著に判断できる受検者については、
「この人を採用したい」欄に○をつける。

しかし、これは誰でも彼でもつければよい、というわけでない。
もちろん、厳しくつけられる。
ほとんど、つけられない、というケースもあるらしい。
相当なアピール、相当な資質を認められなければ、この欄にはしるしがつかない。
縁故採用や、知り合いの受検者を採点者、試験官が見ないよう、チェックもされる。

もう一つは、減点だ。
これは、一応のレベルに達していない、という受検者を切るためのもの。
いわば、足切り、である。
ものすごく上手にできなくても、一応のレベルに達していれば、合格ライン、というもの。
2次試験の内容によって、この

・加点方式
・減点方式

の両方が、ブレンドされて、試験官に採点されるわけだ。

ということは、おのずと作戦が立てられる。

面接などは、もちろん両方だが、加点方式が「ものをいう」。
しっかり長所をアピールできる、ということが大切になる。
面接はソツなくこなす・・・だけではダメ。
面接官の印象に残るような態度、言葉、返答、をしてこそ、プラス評価がいただける。自分の持ち味、自分のこだわり、自分が大事に思っていることの価値を、しっかりとアピールしてほしい。

逆に、水泳やピアノなどの実技については、減点方式が顕著になる。
ともかくも25メートルがまともなフォームで、まともなタイムで泳げればよいのだ。
なにも、国体級、新人戦レベルのタイムでないとだめ、ということではない。
また、ものすごいタイムをだしたところで、それが採用の決定打になる、というものでもない。

2次試験がせまっている人、
これまでの自分の修練、積みかさね、自分の実力を一番知っているのは自分だろう。
その自分が、○○県の採用に当たって、どうなのか。
あくまでも謙虚に、自分をそのまま、正直に出していくことだ。
その正直さ、謙虚さが、かならず好感される。

笑顔で、正直に、いくことだ。




試験の結果をどうのりこえるか




各自治体の教員採用試験。
1次試験が終わり、そろそろ結果が出されてきているようだ。

わたしの周囲の受験生も、合否こもごも。

同じ学校の臨時任用の先生。小論文が自信がなかった、というが、それでも合格していた。
今、2次試験の模擬授業に向けて、さかんに練習されている。
この努力は、結果はどうあれ、かならず本人の実力になっていく。
すばらしい姿勢だと思う。


こうしてブログを公開していると、試験についての質問も届く。
とくに、あと一歩のところで合格に届かず、複雑な思いを抱いている先生。
本当にいろいろと考えてしまうと思う。

試験である。
本当に、その日の、その時の、その場での受け答えが、勝負になる。
各自治体、ほとんどが、「面接重視」としているようだ。

なにをどう受け、答えるのか。
その場の視線、言葉の受け止め方、立ち居振る舞い。すべて、試験官のチェックの対象になる。
面接にこそ、120パーセントの実力を発揮したい。
(そう思っていても、60、70パーセントなのが現実なのだが)


どうして受からなかったのか、と思い悩むこともあるだろう。
大きく言えば、その日の体調もある。
また、面接の現場での、言葉の行き違い、不足、表現の微妙なちがい・・・、考えてみれば、こうしたことは非常に微妙な要素だ。それが合否を分けてしまう。
こちらの発した言葉、それを受け取る側の試験官にも、好きな言葉やきらいな言葉がある。
他の試験官ならひっかからない言葉も、この目の前の試験官は、ひっかかるかもしれない。
一部なのだ。
評価されるのは、その人の人柄そのものではない。
ほんの、一部なのだ。
人間としての価値をすべて評価されたわけではない。ほんの一部の、限定された、局面の一場面なのだ。それでも、そこをうまく表現し、うまく見せて、うまく立ち振る舞える人がいて、合格していく。



どうして受からなかったのか、と考える方法もある。
しかし、それは、正直、分からない。
考えてもわからないことは、考えない。それが、うまく生きていくコツだ。

考えていけることは、ある。
理想の教師像に、自分がさらに、一歩でも二歩でも、近づくことだ。
そうした努力の末に、合格はある。

「どの自治体も、こんな私のような教師を採用しないのなら、よほど見る目がないのだ」

というくらいに、自分が「理想像」に近づく努力をするのだ。

そのために、まず、自分が「理想像」をもつことだ。
どんな教師になりたいか。
いつも、いつも、ここに立ち還ること。
どんな教師になりたいか。具体的には、どの先生か。
その先生が身近にいればラッキー。真似をしていく。コピーする。
最初はいくら真似をしても分からないけれど、そのうちに、「あ、そういうことか」と思うことが出てくる。

小論文は、書き方がある。
ほとんど、きまりきった型がある。
この型どおりに書けているか、どうか。

この型を知らなくては、合格は本当に遠い。
序論、本論、結論、の3部構成がわかりやすい。
起承転結がよい、とする解説書もあるが、苦手な人は三部構成で練習するとよい。
起承転結の4つだとむずかしいが、序論本論結論の3つなら、なんとかできそう、という人も多い。

序論で必ず書くことがある。
もう少し細かく見れば、序論の最初に書くこと、二番目に書くこと、三番目に書くことがある。
本論で書くことがある。
本論がうまく2つにわかれるようであれば(うまく事例が2つ見つかるとラッキー)、段落を変えて4部構成に見せることもできる。
本論の中に、入れておくとよいエピソードの種類がある。
自分のこれまでの経験から、うまくいったエピソードを盛り込むのだ。そして、そのうまくいった事例から、手ごたえをつかみ、練習の大事さ、基本の大切さ、事前準備の必要性などがわかった、とつづけていく。
結論では、自分の理想像を語る。そして、必ずやそれを成し遂げていく、そのために○○をする、とつなげていく。
強く言い切ることも大事だ。

授業と同じで、余計な言葉をできるだけ削り、シンプルな言い回しで、心地よいテンポで、必要な内容を順番に重ねていくようなイメージだ。
小論文は、ほとんど、こうしたコツを知っているかどうかで、ちがってくる。


わたしのところに届くメールのほとんどが、すでにメールを書きながら気持ちを整理し、次のステップをめざそうとする姿勢で書かれている。立派だと思う。さすがは、教師をめざす人だな、と感心する。
合格した人からのメールには、教育の現場で、本当に力ある人を待っているよ、とエールを送りたい。
無念にも不合格だった人には、この言葉をおくろうと思う。
これは、わたしが1年目に不合格だったとき、お世話になっていた先輩の先生がくださったことばだ。

「回り道をした先生の方が、いい先生になる。30歳をすぎてからの先生の方が、いい先生になる」

明治図書から著作も出されている先生だ。
その著作の裏表紙に、サインとともに書いてくださった。
今でも、大切にしている本のうちの一冊である。




各地教員採用選考試験受験案内の配布が始まる




ゴールデンウイーク前あたりから、各都道府県、各自治体の教育委員会で願書と受験案内の配布が始まったようだ。
ダウンロードで願書を受け取ることのできる自治体もあれば、郵送と窓口配布を原則とする自治体もある。
たとえば愛知県は

==================
※受験案内及び願書の郵送をご希望の場合は、愛知県教育委員会教職員課まで、下記の要領によりご請求ください。

 封筒の表に「教員採用選考試験受験案内請求」と朱書きし、140円分の切手を貼ったあて先明記の返信用封筒(角型2号:A4判の入る大きさ)を同封し、早めに下記へ請求してください。

【受験案内請求先及び問合せ先】

愛知県教育委員会教職員課(愛知県庁西庁舎9階)
==================

となっており、郵送での請求を基本とする。

それに比べ、ダウンロードでよい、とするのが長野県だ。

長野県公立学校教員募集案内・採用選考要項
採用選考申込書のダウンロード


というタイトルのホームページも用意されている。
ただし、ホームページで申し込みまで完了するわけではなく、申込書をダウンロードした後、それを郵送する必要がある。

長野県は、ゴールデンウイークの後に要項を配布するようだ。
自治体によって、配布時期に少しずれがある。
なんにしても、今年度、採用試験を受験予定の方は、ご希望の自治体から早めに情報を得ておくことが肝要だ。

この時期、1次試験に向けて過去問を解いたり、法規に目を通したりする人が多いだろう。
GWは、現在講師をされている方にとっては、まとまって勉強をするチャンスだ。
すでに家族もいて、こどもの世話をしながら、という人もいるだろう。
時間を最大に有効活用し、ちょこちょこと目を通す本、まとまった時間にじっくり取り組む本、と分類することが大事になってくる。
家族サービスと受験と現在の仕事のバランスをとりながら、うまくこのGWをのりきってほしい。応援しています!

(かくいう私も、ある都道府県自治体の採用試験を受験することにしました。私にとっても唐突な、のっぴきならない家族の事情が発生したためです。またご報告します)




そろそろ、採用試験の話題




臨時任用で、勤務校に通われている若い先生がいる。
7月には、県の採用試験を受験される予定だ。

先日の飲み会で、採用試験の話題になった。
そこで話したことをメモ。
面接のことだ。

1)どうしてもやりたいというやる気。
2)どんなことも聞いてそのとおりやるとする素直さ、謙虚さ。
3)子どもの実態をみきわめて、指導のふさわしさを(自分の頭で)考えられる対応の力。


この3つをどれも一度ずつはしっかりとアピールしたい。
一度ずつ、というのは、面接の時間が短いから。
1)だけを強調していて、まだ時間があると思っていたら、もう終わってしまった、という失敗談をきいたことがある。
やる気だけなら、他の受験者にもある。
また、自信をうかがわせるくらいならいいが、自信過剰だと思われる可能性もある。
だから、1)だけでは、まずいのだ。
2)も、なければならない。

1)と2)が両方、PRできれば、たいしたものだ。
しかし、本当に合格を勝ち得たいのであれば、それにプラスすることだ。
それには、3)をPRできればよい。
2)を強調すると、
「なんでも人に聴けば良いと思っているのか」
と勘違いをして受け取る試験官もいるからだ。

このことを話すと、周りで聴いていた教頭先生まで、

「うーん、なるほど。おれもそう思うなあ」

と言ってくださった。
正直で、人徳のある教頭先生が、「そう思う」とおっしゃったのだ。
おそらく、当日試験官を務められる先生も、同じように受け取っていただけるのではないか。

問題は、各自、この1)~3)まで、3つのポイントを、いかにPRするか。
自分自身のこれまでの経験や自論の展開を組みたて、その、どの部分に、
1)を入れておくか。2)はどこでふれるか。3)は。
細かく、設計をしておく。

ここまで念を入れて準備をする人には、合格はほぼ確実だろう。




採用試験面接の答え方 その4




○授業中、急にとびだした児童生徒をどのように指導しますか
教室を他の先生にまかせる、学校から出ていないかどうか、危険なことになっていないかをみる、原因によるが、身体にふれて落ち着かせる、落ち着いた声で声をかける、呼吸をあわせる、休ませる

○明日から夏休み、子どもたちになんと言いますか
けがをしない約束、絶対安全、9月3日は先生が先かみんなが先かどっちだろうね、窓を開けてくれる人、暑かったら扇風機をまわしてくれる人、たのしみだなあ

○始業式、最初にどんなあいさつをしますか
水泳部で水泳がとても速いです。水族館が好きです。魚が大好物です。水曜日に生まれました。水が大好きな、○○先生です。

○LD児、ADHD児、アスペルガーの児童にどんな指導をしますか
個別の症状、状態をつかむ、
視覚優位の児童にはその助けになるような指示を工夫する、
医師の診断に気をつける

○学習意欲を引き出すためにどんな工夫をしますか
朝一番にほめることからはじめる、姿勢をほめる、教科書を用意していたことをほめる、声をほめる、そろったことをほめる

○保護者からうちの子がけがをさせられた、ということで連絡があった。どうしますか。
お子さんが心配だ、という気持ち、現状を知りたい、明日さっそく聞いてみること、朝のうちに一報入れること、どちらにも子どもの言い分を双方よく聞いてみてわかったこと、学校での対応を話す。

○保護者に対して注文がありますか\t応援団だと思っています。子どものよいところをたくさん教えてください、といいます。

○公務員の禁止事項はなんですか
信用失墜行為の禁止争議行為等の禁止(地方公務員法)

○教員の禁止事項はなんですか
信用失墜行為の禁止争議行為等の禁止(教育公務員特例法)

○教員の服務規程はどんなものですか
すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。




採用試験面接の答え方 その3




昨日からの引き続き。
2次試験対策。
面接での答え方。(もっとよい回答もあるはず。以下は、最低限の、参考程度に・・・)


○今の教育に求められているのはどんなことですか
一人ひとりの教育的ニーズにこたえる
LD児、ADHD児、アスペルガー児への対応
発展的な学習への対応

○自閉症の児童についてどう対応しますか
個別の症状、状態をつかむ
視覚優位の児童にはその助けになるような指示を工夫
医師の診断に気をつける

○豊かな心を育むためにどんなことをしますか
受けていること、してもらっていること、に意識が向くように、声かけをしていく。
よかったね、うれしいね、ありがたいね、と共感する場面をのがさず、児童と共に豊かさをしっかりと受け取り、感じていく。
図工の鑑賞教育、物語の鑑賞、音楽の鑑賞など、鑑賞教育に力を入れる

○どんな子どもを育てたいですか
自己肯定できる児童、ナイストライで、あきらめない子ども

○あなたの長所と短所はナンですか
どんな仕事でも断ったことが無いこと、何でもためになる、
引き受けてしまってから力不足のときがある

○自分が児童のときとくらべ、今の児童についてどう思いますか
モノをよく知っている、興味の対象が広い、チャレンジする子が多いが、一方で、わかった、とすぐに言う傾向がある

○家庭教育が本来担当する躾ですが、学校はどこまで躾にかかわるべきですか
もし必要なら、ハンカチで手をどうやってふくか、から教えていくしかない

○児童生徒との信頼関係をしっかりしたものとするために、あなたはどのようなことを念頭においていますか
予定や見通しを立て、児童にもつたえる、それを守る、変更はできるだけしない、やる、と約束をしたらやれるようにしていく

○長い間休んでいた児童に、どのように対応しますか
学校に来てくれてうれしい、と伝える。体調を気にしてあげる。さりげなく身体の様子を観察する。ずっと気にしていた、見ているよ、安心してねと伝えるために、気持ちをつたえるとともに、一日の中のほめる場面を見逃さずほめていく。

○不登校の児童に対して成すべきことはナンですか
みているよ、わすれていないよ、伝えたいことがあるよ、という姿勢で、学級のことを知らせ続ける



つづく。


先日書いた、自校の教育実習生の彼。
「模擬授業も見てください」といわれて、昨年の自分の姿がフラッシュバックする。
でも、そのやる気が、一番。
丁寧に頭を下げてくる姿も好感できる。
他の、学年の先生にも見ていただけるように、できるだけ動いていきたい。




採用試験面接の答え方 その2




2次試験、面接のコツ。つづき。(その2)


○児童の気持ちをどうやって理解するのですか
観察、ともに行動する、つきあう、意図を考える、行動調査、作業員さん、養護教諭に尋ねるなど

○講師の体験から印象に残っていることを教えてください
やんちゃな男の子とはできるだけ昼休みや中休みに遊ぶようにした。サッカーの審判をしてほしい、と頼まれるようになった。子どもの真剣な表情や、仲間を励ましている姿など、ふだん見ることのできない意外な面を発見することができた。またあまり話をしない女子にもできるだけ声をかけるようにしていたところ、登校してすぐの朝の時間に必ず一言、二言の会話ができるようになっていった。こちらから、話しかけて行くことで児童に伝わる姿勢があるなと実感できた。

○どのようなクラス目標を掲げていますか
あきらめないクラス けじめのあるクラス 協力するクラス

○講師としてこれだけはやってきたぞということはありますか
不登校児への手紙、連絡、返事を大事にする

○講師として、これは成功したなということはありますか
朝のスピーチをNHKのアナウンサー風にして、「今日のニュースです」と始めさせたところ、大いに盛り上がり、朝から元気に学習をスタートすることができた。

○これまでにどんな力をつけてきましたか\t
社会人として、仕事を人と協力して進める力です。

○やってみたい授業はありますか
道徳の授業。グループエンカウンターを取り入れ、人とのかかわり方を実感を得ながら学べる授業をやってみたい。具体的には・・・

○愛知の教育プランについていかがですか
あいちの教育に関するアクションプラン、がある。
「自らの人生をたくましく切り拓き、社会に生かすことのできる人間」を育て、めざす「あいちの人間像」に迫るために、家庭・地域・学校が行う取り組みがある。私は教師という立場から、児童に確かな学力を身に付けさせるため、授業力の向上に全力を尽くす。児童の知的好奇心を刺激し、満足させることで、人生や社会に関わろうとする意欲や力を引き出すことができると考えるから。


○授業についていけない児童にどうしますか
さりげなくやれるようにしむけたい。ノートにヒントを書いてやる。机間巡視をしながら指で押さえてやる、など。簡単なことでもできることをくりかえし、できる体験を増やしていく。


○わかる授業をどう進めますか
わかったことをひとつひとつ確認して進める。確認して評価し、ほめる。
ショートステップを意識する
視聴覚機器も試す




採用試験面接の答え方 その1




教員採用試験が始まっている。
(世の中では、大分県教委の不正事件が話題になっているようだ)

もう7月中旬。
1次試験が終了し、そろそろ受験生は、2次試験の対策をとる頃だろう。



私が以前、面接の質問集として書いたものに、
「2回目の2次試験 面接のコツ」がある。

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新採・面接での一言




7月に入った。
受験の夏が、始まろうとしている。
身近に、採用試験が間近だ、という人がいる。

いろんな相談を受けている。
今日も、ほんの少しの時間、話をしていた。

そこで、自分でも忘れかけていたことを、思い出したので書いてみる。


面接のこと。

不登校がちの児童が、ひさしぶりに登校してきたとき、あなたは学級担任として、どのような声をかけますか、という質問について。


とっさに、こう答えた。

「身体の状態や、表情や、持ち物など、できるだけ、どんな様子かを把握したいので、よく見たいと思います。その上で、とびきりの笑顔で、来てくれてうれしい、と伝えます。ひさしぶりなので、おうちではどんな過ごし方をしていたのか知りたいです。それで、髪はきちんと洗ってきているのかどうか、服はきちんとしたものか、どこかに怪我はしていないかなど、身体の様子をよく見たいと思います」


この回答が、どんな印象を与えたかはわからない。

しかし、当時、とっさによく、これだけ言えたな、と自分でも思うのだ。
というのは、今、実際に子どもたちと接していて、だんだんと、より強く、こう思うようになってきたからだ。

子どもは、言うことと実際がちがうことがある。
また、虐待など、身体のケアをまず先に、何よりも優先して行わなければならない子どももいる。
あるいは、心のケアをするために、わかりやすい、身体のケアから行う、という場合もある。
心が複雑化していて、素直に表現できない子。
中には、こちらが、相手の身体をいたわる態度を続けていくと、心をふと、開放してくれる子がいる。

いろんな場合を想定して、上記のような面接の質問に対して、児童の身体を気遣う応対というのは、かなり重要なことだと思うのだ・・・。



もう7月だ。
7月の上旬には、多くの受験生が、本番を迎えるのだろう。
ぜひ、頑張ってください。
このBLOGが、少しでも、お役に立てますように・・・。

私も、受験時代に、多くの方に励まされた。
合格した暁には、必ず、何か、返していこうと誓った。

受験生のみなさん、
ぜひ、合格して、志を成し遂げてくださいね。




採用試験の直前に




論作文は、よい見本をたくさん読み、自分の中に貯蓄するのがよい。

書店に並んでいる参考書の中には、

「こう書くのは、よくない」
という論を、これでもか、と長くたくさん並べているものがある。
これはよくない。
なぜか。
読む側に、ヒントになりにくい。

受験生は、ホンモノを知り、これで合格できる、というものに出会いたいのである。
こんなことではダメだ!という文章ばかり読まされても、

「では、何を、どう書けばよいのか?」

と、呆然とするばかりだ。

「ははあ、こんな文章ではダメなんだな」

(内心の独白・・・オレも、しょせんはこの程度。これよりもうまく書ける自信もない。だからこんな参考書を読んでいるのに・・・。この文では、C評価か・・・。おれも、おそらく、C評価なんだろうな・・・。落ちるかもな・・・。)

こんなことになっていないだろうか。

ところが驚くべし!
書店に並んでいる、
「これで合格!論作文対策!」という本の、ほとんどが、こうした類である。

ぜひ、本当に合格した人の文を読んで欲しい。



参考までに、こんな一文が、採点者のハートをつかむ!というキャッチを覚えておくとよい。

「私は、児童が何でも話せるような存在になる」

「私はすべての子どもたちに「わかる喜び」を与えたい。この考えのもと、児童の学力の向上を図るため、以下のことを実践する」

「私は、学習の本質は、学ぶ楽しさやわかる喜びを体感することにある、と考えている。」

「児童が頑張ろうとする姿に惜しみなく賞賛と励ましをおくる」

「クラスの悪い点は時に叱り正すことは必要だが、それ以上に今、児童が持っている良さややろうとする意欲に目をむけ、励まして行くことで、クラスの空気を温かみのある共感的な空気へ変えていく。」



今ふりかえると、もっと工夫できる文だと思うが、
受験当時、私が数少ない論作文添削を受けた中で、「よい」と評価された箇所を公開した。ご参考まで。

あと少し。
最後まで、あきらめずに、がんばってください!!
(はやく寝てくださいね!)




試験・論作文のコツ ~情に訴える~




論作文のコツ。

自分が、どのような学級経営をするのか。
どのように児童と接していくのか。
どのように学習指導を行うか。
また、生活面の指導をどうするのか。

こうした具体的なことを書かねばならない。


さらに、真髄をつくコツが、これ。

そうした、具体的な場面を書く前に、
序論のところで、自分がなぜ教師をめざすのか、簡単に、数行程度でふれるとよい。


さらに、
本当の、本当のコツが、ある。


その、なぜ教師をめざすのか、という理由のところに、

○わたしは周囲の人、あるいは教師に、あるいは校長に、認められ、応援されている

ということを、ニュアンスで入れてやる。


「・・・私は教育実習先でお世話になったA先生に、あなたなら一緒に学年を組みたい、と最高の励ましの言葉をいっていただいた。そして、A先生のように夢や希望を与えられる教師になりたいという一心でこれまで生きてきた。私は児童のよさを見つけられるように、以下のように学習指導を充実させる。・・・」

あるいは、

「・・・私は自分が小学生だった時、担任のA先生に、将来A先生のようになりたい、という夢を話したことがある。するとA先生は、あなたなら必ずなれる、大丈夫、と応援してくださった。「十年後、職員室で会いましょうね」という言葉にどれだけ励まされたことか。私はA先生のように、児童のよさを見つけられる教師になろうと思い、生きてきた。そのために、以下のように学習や生活の指導を充実させていく。・・・」


事実、こうしたことがなければ書けないが、思い出してみて欲しい。
もし、教師から応援していただいた言葉が思い当たらなければ、以前の職場の先輩や上司、あるいはボランティア先の方など、いわゆる一般的な社会で活躍する人にだって、応援していただいていることを書いたらよい。

人は、応援してもらっている人を、応援したくなるのだ。
応援が、応援を呼ぶ。
これは、人の、情である。

情に訴えかける、論作文を書こう。




教員採用試験面接の答え方




まもなく採用試験だ。
面接でのシーンを思い出したので、書いておく。

愛知の1次試験。
集団面接。

こんな質問があった。

「これだけはやってみたい、という授業はありますか」

よい質問だと思う。
とっさに、出てくる人と、そうでない人がいた。
考えがある人、あらかじめ考えていた人は出てくる。
しかし、出てこないので、本当に返答に四苦八苦していた人もいた。
冷や汗が出た。

この質問の返答の仕方が、明暗を分けた。
集団面接は、6人のグループだった。
こんなことを言っては申し訳ないが、隣で聞いていて、
「内容がないな」
と感じた人は、ことごとく落ちたようであった。連番だったので、同じ受験者の大体の番号が分かる。
1次試験の合格通知、結果を確認してみると、うまく答えた人の番号だけが掲載されていた。この質問が、本当に分かれ目、だったのだ。


これだけはやってみたい、というニュアンスがくせものである。
授業というのは、指導要領にそったことをやる。
あらかじめ、決まっていることをするのだから、どんな授業をしたいか、ということであれば、
「指導要領にしたがって、児童に学ばせる必要があることを、きちんと学ばせる授業をしたいです」
というのが正答だ。

しかし、
「これだけは教師人生をかけて、ぜったいにやってみたい!」
と思うような授業があるか、という質問なのだ。

そんなニュアンスで聞かれるから、どぎまぎしてしまって、
「あの、その・・・」
と、ろくに返答できない受験者が多い。

今なら、どうこたえるだろうか。

たとえば、

○国語です。暗唱をします。まじめに覚える子をほめられるからです。まじめに努力する子が正当に評価されるクラス、学級をつくりたいと思うからです。暗唱することで、よい文にふれ、語句の使い方や言い回しを覚えることができます。これは、文を書く力を育むことになると考えます。古典や文化に親しみを覚える児童が増えることも期待できます。

どんな内容でもよいから、はっきりと、こうです、と言えるか。
それに理由をしっかりと言えるか。
この回答の裏に、どんな学級をめざすのか、というねらいが垣間見えるか。


いっしょに受験した仲間で、
○子どもたち全員にオーケストラの指揮をさせたいです
○鶏をさばいたり、牛を飼ったりする授業がしたいです
○オリンピックの選手を呼ぶなど、子どもの夢を育む授業がしたいです

というような、ファインプレー的な、あっと言わすような回答をした受験者はみな落ち、国語とか算数とか理科とかの地道な話を、素朴にして、子どもに学習の力をつけたい、という回答をしていた人が、みな受かっていた。たまたま、偶然かもしれないが・・・。
(試験官によっても、受け取り方や評価が多少は異なるでしょう)

ともあれ、採用試験の面接、1次からの自治体が多いようだ。
昨年の今頃は、私も、過去問をとくなどして、準備をしていた。
熱意と周到な準備があれば、大丈夫。

『努力は人を裏切らない。』

これは、オリンピック金メダリスト、ヤワラちゃんこと、柔道の谷 亮子選手が、テレビのインタビューで答えていた言葉だ。受験時代に聞いて、とても印象に残った。

受験生のみなさん、ぜひ、がんばってください。




2次試験の当日エピソード




教員採用試験の2次試験を受験したときのこと。
そういえば、と・・・ふと、思い出したことがあるので、
できるかぎり、記憶に忠実に記すことにした。

以下・・・



昨年の夏、いよいよ2次試験を受験した。
6年越しの大計画が、いよいよ大詰めというわけだ。
緊張して、この日を迎えた。

私鉄沿線の、駅の近くの中学校で試験が行われた。
性格検査、模擬授業、個人面接、と多岐にわたる試験で
一日がかりの大仕事となった。

さて、最初のYGIP性格検査が終わり、休憩時間になった。
模擬授業の準備をする人が多く、机の上に道具や
プリントを広げて、みんな忙しそうにしていた。
いやがおうにも、試験本番!といった雰囲気が、
この部屋をつつみこんでいく。

さて、どうやって気分を落ち着かせようか・・・。

小生も、幾分、緊張がたかまってきた。
なにしろ、1時間後には、この部屋の中の受験生のほとんどが、
合否を決してしまうのだ。
それほど、模擬授業の、「合否結果」にしめる割合は高い。
1年がかり、あるいはそれ以上の
期間をかけて、この場にのぞんできた、その最後の
大舞台が、いよいよ始まるのだ。

落語の練習のように、あるいは舞台の練習のように、
声をはりあげて、授業の始まりをシュミレーションする者、
思い切り笑顔をつくって、
「はい、はじめまーす」
と、あいさつの練習をする者。

みな、それぞれである。
泣いても、笑っても、勝負の刻(とき)が、やってきたのだ。


「あと、10分か・・・」

小生、トイレにでも行ってこよう、と席を立ち、
用をすませた後、鏡の前で手を洗っていた。

ふと横を見ると、つい今しがた、
トイレにかけこんできた男がいる。

ずいぶん勢い込んで、肩で息をしている。

緊張がピークに達しているせいか、
顔面がのりで固めたようにこわばっている。
若い、目のくっきり大きなイケメンくんだ。

青白いイケメンの男が、トイレの鏡の前で、
呼吸を落ち着かせている。どうしたんだろうか。
気分でも悪いのかしらん、と思った。

のどぼとけをひくひく動かしながら、
う、う、と、うわずった声まで聞こえてくる。

横でハンカチで手をふきながら、心配になって様子を伺うと、
そいつはなんと、スーツ上着のウチポケットから、
ビニール袋を取り出した。

なんなのだ?と不思議に思って、
ハンカチで手をふくのも忘れて見とれていた。

ははあ、彼は良家のご子息で、ご丁寧に、手を拭くハンカチを
ビニール袋に入れているのかな、と思った。
(今思えば、そんなことあるわけないか)



しかし、ちがった。

なんと、彼がビニール袋から、

ふるえる手つきで取り出したのは、

カラカラに乾いた、干したぶどうの房(ふさ)、だったのだ!

茶色に枯れた茎の先っちょに、黒い実が、
5粒、6粒とついているのが目に入った。

泣きそうなほどに見ひらかれた、その大きな目をびくびくさせながら、
蛇口からの水を手のひらですくい、ごごぉーっとひと口すすると、

彼は意を決したように、そのプルーン>?のようなものを
つまんだ・・・。



その後、惜しいかな、混みあってきたので、小生あわてて
トイレを出たのだが、

目をとじ、天井にむかって口をひらく彼の表情が、
満足げにいやされていったのかを、さいごまで見届けられず
とても残念だった。

模擬授業を目前にして、用意してきた伝家の宝刀。
ここ一番の、勝負の木の実を、彼は

「い、い、・・・今だ!!」
と呑もうとしたのであろう。
「今のまずして、いつのむのか!!」
と決心して、彼は
トイレに駆けてきたのであろう。

一世一代の大舞台で、彼が自らの未来を託した、
ひとつぶの、プルーン(?)!!

彼の、無事の合格を祈る。

「イケメンに幸、あれ」


ところで、あと、書道の半紙をもって、
目を閉じてなにやらぶつぶつと、つぶやいていた人もいたな。


紙の上をよく見ると、
筆ペンでなにやら呪文みたいなのが、書きつらねてあった。
大統領の宣誓みたいに、手をひろげて。
ありゃ、何教か。

ともあれ、人生をかけているから。
みんな。


世の中には、いろんな気の落ち着かせ方があるのだった。




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