私のブログを読んだ方が、我が闘争の論理的破綻ってなんですか?
と、質問してこられたので。

というか、質問してきた人は、とっても身近な人なのですが。

ヒトラーは、我が闘争で、なぜユダヤ人を差別すべきかについて書いております。


ヒトラーは『我が闘争』の中で、アーリア人とユダヤ人の結婚を避けるべきだと強く主張していますが、その説明は「論理的」というよりは、彼の人種主義的なイデオロギーに基づくものです。彼は科学的な根拠や客観的なデータを用いて説明するのではなく、感情的な訴え、疑似科学的な主張、そして歴史的な誤解を交えながら、ユダヤ人をドイツ社会にとっての脅威として描き出しました。

具体的には、彼は以下のような主張を展開しました。

 * アーリア人の人種的純粋性の維持

ヒトラーは、アーリア人が文化創造の担い手であり、人類の進歩の原動力であると信じていました。彼は、アーリア人の「高貴な」特質が、他民族、特に彼が「劣等」と見なしたユダヤ人との混血によって「汚染」されることを恐れました。彼は、人種の混淆が最終的にはアーリア人の文化的・精神的衰退につながると主張しました。

 * ユダヤ人の「劣等性」と「寄生性」

ヒトラーは、ユダヤ人を特定の国家や文化を持たない「寄生的な」民族であり、他国の文化や経済を蝕む存在だと描写しました。彼は、ユダヤ人がドイツ社会に溶け込もうとしているのは、ドイツ民族の「純粋性」を内部から破壊し、最終的にドイツを支配するための陰謀であると主張しました。この「寄生性」という概念は、彼がユダヤ人を社会にとっての「病原菌」や「癌」のように見なしていたことを示しています。

 * 遺伝の法則の誤用

ヒトラーは、ダーウィンの進化論やメンデルの遺伝学を都合よく解釈し、人種間の遺伝的差異が不可逆的であると主張しました。彼は、ユダヤ人との混血は、ユダヤ人の「負の遺伝的特質」がアーリア人に引き継がれることになり、それが子孫に悪影響を及ぼすと説きました。しかし、これは当時の遺伝学の理解を恣意的に歪めたものであり、科学的な根拠はありません。

 * 歴史の歪曲と陰謀論

ヒトラーは、歴史上の様々な出来事を、ユダヤ人が裏で操り、アーリア人(ドイツ人)を弱体化させようとしているという陰謀論の文脈で解釈しました。彼は、ユダヤ人がボルシェビズムや資本主義といった異なるイデオロギーを巧みに利用し、ドイツ国民を分断し、自らの支配を確立しようとしていると主張しました。


要するに、ヒトラーのユダヤ人とアーリア人の結婚を禁じる理由は、科学的な論理に基づいたものではなく、彼が抱いていた人種的な偏見、憎悪、そして妄想的な陰謀論に根ざしたものでした。

彼は、ユダヤ人を「悪」の根源と位置づけ、彼らとの接触、特に結婚がアーリア人の「純粋性」とドイツ国家の「健全性」を脅かすものだと扇動的に説いたのです。

こうしたこともそろそろ令和の子供たちは勉強すべきかもしれませんね。
何故かと言うと、そろそろヒトラーの反省を口にする人たちが少なくなってきており、実際に政治が人を殺すということについて、真剣に考える人たちが減ってきた時代だからです。

参議院選挙が近づきましたが、立候補者のスピーチを文字起こしして検証すべきだと思います。扇動的で人々の感情を熱狂的にさせるスピーチであればあるほど強く疑ってかかるべきだと思います。

それよりも、事務的で論理的で、どのような政治的プロセスを経て、法の改正を行ったり、必要な行政を進めていくか、淡々と面白みもなく、語る候補者の方が、何倍もマシだと思います。

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