日本のどこかの自治体で、廃止することに決めたそうです。
朗報と思います。
全員に、【頑張ったね】と言ってあげるのが必要で、それ以外に必要な言葉ってあるの?と思うからです。

不登校であっても、ウチで頑張っていたことがあるわけで、朝、新聞を取ってくるだけでも、机の上を片付けただけでも、その子の頑張りがあるわけで、それを認めるのが母性だと思います。
で、低学年は母性が十分に与えられる時代ですわね。

母性と言うのは、かなり誤解を受ける言葉で、今の時代に使うのはなかなか注意が必要です。
母性と言うのは、女性とは違います。性とは異なる概念で、女性にしかないと言うものではありません。男性にももちろんあります。
また逆に父性は女性にもあります。

母性とは何でしょうかね。母なるもの、命を産む者、産み育てるもの、というイメージで、泣いている赤子の全てを受けとめる、と言うイメージでしょう。
受け止めると言うのは受け流すのではなく、しっかりと受容する認めるという意味です。

大丈夫ですよ。あなたに必要なものを与えてあげましょう、安心してこの世に生まれてきてください、安心して育ってください、あなたは何が欲しいのでしょうか?欲しいものが与えられるのですよ。

と赤ちゃんにとっては必要なものが与えられていくのです。

良い声で泣かないと、ミルクがもらえませんよ?そんな泣き方でいいと思ってるんですか?おしっこはちゃんと3時間おきにしましょう。そうでなければ面倒は見ませんよ。
・・・これは母性とは言わないのです。

低学年は母性が必要な時代です。
だから、私は通知表の低学年廃止には大賛成です。
そして、低学年の子は、通知表を誤解しがちです。三角がついていたら、あなたにはそもそもその素質や能力見込みが全くないので完全にアウトです、と宣告されてしまったと言うふうに受け取る親もいます。そして子どもはその三角を親に指差されて叱られるわけです。隣のななちゃんは2重マル◎だったらしいよ?なんであんたは三角なの!

通知表と言うのは、ガンライそういうことをするためのものではないのですが、親や子供自身が誤解してしまうようなツールになり下がってしまっています。なので、いっそのこと廃止するのが正しいのです。

現代の若い人は、評価に弱くなった、と嘆くビジネスパーソンがいます。評価されることを嫌がる、怖がる。
最近、そんな若い人が増えて大変だよと言う記事が、プレジデントとか、軽めのタッチのビジネス雑誌によく掲載されていますよね。

私は若い人だけではないと思う。
世の中、全体が、評価と言うものを取り違えて捉えていると思います。
そのことをここに書くと長くなってしまうので、たった一言で言うのであれば、その子供と共に自己評価をその子がまずは判断し、その自己判断する際のお手伝いをしっかりサポートするのが教師になるべきです。

現状よくあるタイプの通知表は、国語の知識理解が◎とか、算数の思考表現が
とか書いてあり、とても自己評価とは言い難い。

これからの世の中を生きていく時に、必要なのは、自己評価と他者評価との違いを切り分けるリテラシーで、例えばパワハラとか各種ハラスメントや社会的なデマに対して強くなるには、他者評価に対するリテラシーは強くならなければなりません。暴言やデマに対して、あるいはカルト教団の狂った言説に対しては、リテラシーを持たないといけないのです。

その一方で、自己評価に対して各種データを提供し、その自己評価について自信を深めるようにアドバイスサポートすることができれば、それはその他者評価をうまく活用できたと言うリテラシーに発展します。

つまり、この今の現代の世の中を生きていくには、相当の覚悟とスキルとリテラシーが必要になってきたということです。昭和の比では無いのです。せやから、ネット上で噂される伝説も、真偽を見破る能力がなければならんやで。

こんな時代に、昭和の通知表と同じく、◎や◯やだけで、子供や親にその内容を深く伝えられるわけがありません。

誤解をされて当然なのです。

ちなみに、通知表を自分で作っていく自己評価支援スタイルに変えていくならば、低学年からでも、通知表の存在はあると良いと考えます。今の通知表や今の評価スタイルでは、まず低学年からなくしていくのが良いと思います。
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