発達障害のある児童の中には、完全エラーレスの場合が望ましい時期やタイミングがあるから、万人にこれが当てはまるとは思わない。
ただ、かなり多くの人にとっては、「小さな失敗は良い失敗である」というのは、言えると思う。

また、成功とか失敗というのが、本質的なものではない、というのは、大前提であろうかと思う。人生において、成功だけにしか価値がないか、充実しないかというと、そんなことはないからであります。

たとえば、事業に失敗したからと言って、ある一面では大成功だと言える面もあるのですね。苦しい事業に取り組んで、その一代だけを見るとかなり大変に思えるが、時代が変わって技術が取り入れられたら、先代の努力が報われるということは非常によくある。つまり、その一代だけでは判断がつかないこともあり、むしろ挑戦者がいたことが周囲に与える影響は多大なのです。

成功か失敗か。
実はそれが本質なのではないことは、さまざまな人間ドラマを目にすれば誰にでも分かる簡単なことであります。
あるいは、無名で一生を終え、誰にも目を向けられることもない静かな人生であったとしても、そこには価値があり、人を感動させる事実はたくさん詰まっています。テレビや新聞、ラジオやネットで話題になるよりも、テレビに出ないでも周囲社会の人を幸せにして、まわりから感謝される人は多いのです。つまり、それが本質ではない、ということです。何者かになることが重要なのではなく、たとえ無名であっても、佳人も佳作も良品も良人もめちゃくちゃたくさんこの世に存在し、この世の多くの人を笑顔にしているわけですな。

そこで、では子育てにとってこのことがどう影響するかというと、めちゃ重要でありまして・・・

幼いときから、なにかあるたびに、

「小さな失敗、良い失敗♪」

と、たえず親が歌うようにするのです。

あとは、

「あなたがやれたことの9割は、他の人の手が入っている(お世話になっている)」

だとか、

「人が一心に打ち込んでいると、そのうちの半分が本当に実現する」

などということを、子どもが思春期になったら、遠くの方を見ながらつぶやくようにするのですね。

とくに学校の教師は、低学年の頃からこれを教室で口癖のように言うことです。

小さな ♪  失敗 ♪  良い失敗 ♪

と、明るく、ね。
子どもはずいぶん助かるだろうとおもいます。

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