論を組み立てるときに、子供たちには便利な言い回しをまず教えることにしている。
すると、苦手な子たちもその言い回しをうまく使って、一応の文を論理的に書くことができるからだ。まずは自分でも書けると言う自信を持つことが必要だ。方にはまった文章しか書けなくても、最初はそれで構わない。そのうちにバリエーションを増やしていけば良い。

まず、結論を先に述べる。
【私は、桃太郎に出てくる鬼は悪者だと思う。】
次に、そう思う理由を明確に述べる。
【桃太郎が命がけで戦ったのだから、そうする理由があったはずで、それは鬼が村人を苦しませていたからに違いない。】
という具合だ。
さらに、続けて「確かに」「しかし」という言葉を使う。ここで反論を封じる用意をするわけだ。
【確かに、鬼ヶ島から、わざわざ村人のいる場所まではるばる鬼が遠征してくるには遠過ぎるかもしれない。しかし、それは、村人の蓄えた、生産物、食料を、たんまりとせしめる為ならば、遠征の苦労も報われるからである。】
と言うふうに。

このように「確かに」と「しかし」を使って、一般的にされる反論を、封じておくのである。この反論を封じることによって、自分の主張を強めることができる。
文章の最終コーナーでは、「だから」を使って、もう一度、自分の主張を明確に述べて論を終える。
【だから、私はやはり鬼たちは悪党で、乱暴や狼藉、強盗をはたらいた悪党だと考える。】

まとめると、①まず私はAだと思う→②なぜならば、こうだからだ→③確かにBという意見もあろう。しかしそれは・・・という理由でおかしい。→だからやはり私はAが正しいと思う。
このような論の立て方を子供たちに伝えていく。


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