全米の医療機関から悶絶するような悲鳴が聞こえてきそうだとのこと。
それをわたしは、「ICU使用率が82%に到達した」という報道によって知りました。
ICUとは、集中治療室の略で、重症患者のための場所です。たとえば、命が亡くなるギリギリのところや、限りなく危険性が高い場合に入ります。
そんな大事な場所が、82%も埋まってしまったのです。なんでこんなことが起きたのか。
それは、オミクロン株の登場が原因です。

どうやら以前流行したデルタ株をしのぐスピードで広まっているらしいです。
重症化しない、という噂もありました。だからわたしも、安心していたのです。
でも、実際にはICUに入るくらいの重症患者が増えています。
なぜなのでしょうか。実は、感染者数が爆発的に増えており、アメリカでは軽症の患者も多いかわりに、デルタ株も含め、り患した人の数が膨大になりすぎ、要するに分母が限りなく増えたために、重症患者も増えているのです。感染者が元々抱えていた他の病気が急速に悪化して搬送されてくる事例が多発しているらしいです。

おそらく、世界で猛威を振るったデルタ株(現在進行中です)を超えて、さらに感染者数を上回るだろう、ということです。そのために医療現場がひっ迫し、結果として、重症患者の数も増えてしまいそうです。

さて、わたしが一番今ざんねんなのは、卒業式のことです。
おそらく卒業式は簡易的なものにならざるを得ないでしょう。
歌も歌えないでしょうし。

卒業生の名前を一人ひとり呼ぶとき、たいていわたしは情けない声になってしまって泣きますが、マスクをしているおかげで、その情けない様子をあまり子どもに見られずに済むのが、まあちょっとは救いでしょうか。

それにしても、毎年教員が悩んできたのは、インフルエンザでしたが、そのインフルエンザはさっぱりです。
冬の行事はまさにインフルエンザとの闘いでありまして、インフルエンザで学級閉鎖だとか、インフルエンザをふせぐためにこれまでもまあ、いろいろやってきましたよ。教室の換気だとか、手洗いの時間をわざわざ増やしたり、回数を増やしたり、ね。これまでも。別にコロナじゃなくとも。

そのころのことを思うと、今の学校の対応は完璧です。
毎日、毎日、ドアの取っ手も階段の手すりも、水道の蛇口もドアの子どもが手をつけそうな場所なども、広範囲に消毒しています。
アルコール消毒の機械は教室に2こ、各学年の廊下に1こずつ、昇降口にも1こずつ、給食室や理科室、音楽室でも図書館でも、毎日毎日、アルコール消毒ですもの。

そして、全校集会の中止。
大人数が集まることは、もうありません。

これだけの対応をしているからか、インフルエンザで学校を休む子はほとんどゼロです。たぶん本当にゼロだと思う。

しかし、そのブロックの隙間を縫うようにして、ひたひたとオミクロン株の魔の手が入ってこようとしている。町のスーパーでも、レストランでも、みんな手を消毒し、マスクをしているのに、どんどんと感染者が増えています。こんなにマスクをして、みんなしゃべらないのに!

わたしはオミクロンが恐ろしい。
インフルエンザなんて雑魚キャラで、蹴散らしてしまうのでしょうね、オミクロンくらいの破壊力の持ち主になると・・・。

アメリカの集中治療室の使用率が、全米のレベルで8割を超えてしまう。
各都市の、各病院の治療室で、オミクロン株感染による死者が徐々に増えている。
デルタ株も収まっていないところにきて、急激にオミクロンが増えた。
これは前代未聞らしいです。ちょっと恐ろしすぎて、こわいくらいです。
どうなるんだろうか。

ともあれ、卒業式に暗雲が立ち込めてきたのは間違いがなさそうです。
でも、だからといって悲しいとは思いません。子どものすばらしさは変わらないし、子ども一人ひとりの価値が失われるわけではないですからね。きっと胸を張って、元気に卒業していくでしょう。学んだことや楽しかった思い出とともに。

mikan2