国語の時間がとれないので、道徳の授業として【原因と結果の授業】つづきをやることにした。
以下、授業プラン。

学習問題①:こたえが2になる式を書きましょう。

4-2
6-4
1+1
1000-998
【原因】いろいろとある【結果】2

このことからわかること:
〇たとえば、1+1、というのはきっかけの一つ。
〇結果の2が、1+1のこととは限らない。4-2かもしれないし、6-4かもしれない。

学習問題②:
さまざまに起こる目の前の現象。
原因は一つといえるだろうか。
たとえば、『先生がこの服を着ている。原因は奥さんにほめられたからだ』は正しいか。

【原因】いろいろとある 【結果】先生がこの服を着ている。

このことからわかること:
〇奥さんにほめられてその服を選んだということはあるかもしれない
〇しかし、その服を着ているからといって、常に奥さんにほめられたからだとは限らない。
つまり、『原因』というものは、必ずひとつきりではない。

学習問題③:時計の針が3:00を指している。

【原因】いろいろとある【結果】時計の針が3:00を指している。

〇実際の時間とは無関係に、時計は動いている。
〇だから本当の時間はわからない。
〇ともかく結果は目の前の時計の針が3:00をさしているということ。

学習問題:先生が、「おなかがへった」と言った。

【原因】いろいろとある 【結果】先生が「おなかがへった」と言った。

このことからわかること:
〇本当におなかがへったかもしれないが、口で言っているだけかもしれない。
〇先生は、体の状態とは無関係に、口で「へった」と言える。
〇だから原因がおなかがへったせいだ、とは限らない。
〇先生が「おなかがへった」と口でしゃべった、ということだけ。
〇原因はひとつではない。

指示:
①例文)1+1は2になるが、2だからといって、直前の計算式が絶対に1+1だとは言えない。
上の例文のように、〇〇であるが、だからといって〇〇とは言えない、限らない、というような文を作ってみましょう。

②奥さんがほめると先生がその服を着たくなるかもしれないが、その服を着ているのは奥さんがほめたからとは限らない

③実際の時間が3:00のときに、時計の針が3:00をさすかもしれないが、時計の針が3:00をさしているからといって、実際の時間が3:00とは限らない。

④おなかがへったので先生が「おなかがへった」ということはあるかもしれないが、だからといって、「おなかがへった」といったから実際におなかがへっているとは限らない。

⑤雨が降ったら試合が中止になるかもしれないが、試合が中止になったのは雨がふったからだとは限らない。(他にも中止となり得る原因がごまんとある)

⑥雨に濡れると風邪をひくかもしれないが、風邪をひいたのは雨にぬれたからだとは限らない。


このように、実際はある現象についての【原因】は一つではないのですが、原因を一つしかないと考えることを『迷信』と言います。つまり『迷信』とは、原因が一つだとして考え、かならずそうなるとは限らないものをかならずそうなる、と信じることを言います。

迷信と戦った人に、井上円了、という人がいます。

なぜ井上円了は、迷信と戦おうと思ったのでしょうか。

井上円了は「鬼門」とよばれる迷信と戦いました。
昔の日本には、家の中心からみて、北東にあたる方角を鬼門といい、縁起の悪いことやよくないことがその方向からやってくる、という言い伝えがあったのです。そして、家の人が病気になると、北東に神棚を祀ったり、塩を置いたりしたのです。

みなさんは、この話をきいてどう思いますか?

〇なぜ北東なんだろう
〇鬼ってどういうことだろう
〇塩ってどういうことだろう
〇まったくわからないことだらけだが・・・

井上円了は、

【原因】北東から鬼がきたので【結果】熱を出した

とは考えなかったのです。
井上円了は、どう考えたのでしょう。ノートに書きましょう。

〇原因が一つとは考えなかった。
〇鬼が来て熱を出すことはあるかもしれないが、熱を出したのは鬼が来たからとは限らない、と考えた。

そうですね。井上円了は原因を一つと考える迷信をなくし、実際はどうかもっと考えよう、ある現象が起きるための原因というのはたくさんあるという考え方を日本に広めようとしました。

(この後、井上円了のやろうとしたことや経歴にふれ、井上円了のことを感想に書いて終わる予定)

Enryo-tetugaku