.
そろそろ今の時期、2分の1成人式を考えています。
わたしはあまりよく知らなかったのですが、世間ではかなり有名になってきている行事らしいですね。
20歳の成人の、ちょうど半分、10歳になる4年生で、その儀式をやろうというわけです。
学年の先生たちと相談し、まあやってみよう、ということになりました。

どんな式にしようか・・・。
やはり、将来のことを考える、というのがいいね。

『2分の1成人式!これまでの10年を振り返る!』
タイトルはこれで決まり。

これまでの10年間で、どんなふうに周囲の人を助けてきたか。
なにをしてあげてきたか。
まわりの人からやってもらって、うれしかったことも集めてみよう。

自分は、どんなことをやって、人に喜んでもらってきたのかを考えてみると、
その先の将来の仕事も、だんだんとそこから見えてくるものがありそうだ。

考えてみると、不思議なんだよね。
人に喜んでもらったらなぜとなく、自分までうれしくなる。
これは、なんでだろう?
DNAに組み込まれているのかも?

自分の働きで、周囲が笑顔になったのを確認すると、DNAの自己保存本能が、「OK」と言うのだろうか。そういう信号が、脳内に発生するのかもしれない。

誰かになにかしてもらうと、人間の脳には、「よかった!」という信号が発生する。
これまた、ごく自然に発生するから、不思議で仕方がないことだ。

おいしいものをもらって、食べると、満足する。
そして、そのおいしいものを運んできてくれて、食べてよいよ、としてくれた人に、
好意が生まれるもの。不思議だけど。

おそらく、洞窟で暮らしていた狩猟採集時代からの本能だろうね。
自分が生きていくために、この人は信頼できる、と分かると、好意が生じる。
そして、その信頼を強くすることを考えて、今度は逆に、なにか自分が手に入れたら、先日自分においしいものを運んできてくれた人に、「ほい」とあげようとするだろう。
そして、おいしそうにそれを食べてくれたら、こっちも不思議なことに、うれしくなる。

弱い哺乳動物の人間は、そうして仲間との信頼を深めることで、餓死する危機を遠ざけ、厳しい自然界の中で生きていく知恵として用い、自分の寿命を延ばそうとしたに違いない。
生きていく力の弱い人類が、他の動物に襲われず、絶滅もしなかったのは、仲間をつくったから。

教室でも、だれかを笑顔にすることで、自分の中によろこびが生じる体験は多い。
その体験をみんなでいっせいにふりかえり、

自分はなにをすることで、まわりの人を喜ばせてきたか。
まわりの人が笑顔になることで、自分までうれしくなった経験があるか。
その体験をもとにして、将来の自分の仕事を考え始める。

それが、2分の1成人式(ハーフ成人式)。

half_seijinshiki