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親友ができた、という日記。

うちのクラスに、〇〇ちゃんと△△ちゃんは、わたしの親友です。

ということが書かれる。

すぐに、学級会、となる。
「親友」って、どんなともだちのことをいうの?

黒板に書かれた学習問題を、みんなで考え合う。

その〇〇ちゃんが、親友でなくなることって、あるの?

親友でなくなるとしたら、どんなことがおきたとき?

「裏切られたとき」
「わたしのことを好きでなくなったとき」

裏切るってなに?

「約束をやぶったとき」

約束ってなに?

「◎◎しよう、って決めること」

約束を忘れちゃうときもあるけど、どうなる?

「ただ忘れちゃったくらいなら、そのときはセーフ」
「いや、アウトでしょ」
「だってときどき、そういうこともあるじゃん」

好きでも嫌いでもない、という状態は、いいの?

「嫌いじゃないなら、OK」
「えー!」
「好きじゃないとダメ」
「えー」

子どもたちの討論は、細かな点をつけばつくほど、盛り上がる。

そして、次第に、なんだか分からなくなってくる。

相手が嫌いと言って、だけどわたしは絶対好き、というときは親友なの?

「うーん」

「もうさ、細かなことを言い出したら、きりがないよ」

じゃ、けっこう、みんな「親友」って言葉を、あまり深く考えないで使ってる、ちゅうことやなあ。

「まあ、そうかな」






ノートをひらいて、なにも書いてないページを出させた。

はい、今から、先生がいうものの絵を、描いてくださいね。

ただし、描き終わるまで、だれにも見せないでね。

「えー、なんで」
「おもしろそう」

1番。お月様。

描けましたか?

2番。流れ星。

描けた?

3番。おうち。

どう?どんな絵でもいいよ。ササッと描いてね。

4番。木。

5番。池。


では、いろんな人と、見せ合いなさい。

「えー、なにこれ?
Mちゃんの流れ星、むちゃでかいやん。
あ、家の煙突からけむりでてる。
げ、わたし、煙突、描かなかった!
おお、池に魚がいた!」



同じ言葉なのに、みんな受け取り方がちがう。

人は、一人ひとり、ちがう。



意外だと思った?

「うん」

なぜ?

「そんなにちがわないと勝手に思ってた」


だってさ。

オモチロイ。

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