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テレビのお笑い番組。

商売柄、どんなふうに話を進めるか、どの程度話題を拡げるか、

芸人さんたちのトーク術など、気にして見ることが多い。



ふと気が付いた。

見ていると、芸人さんたちは、相当な早口(はやくち)だ。

まてよ・・・。こういう番組を、子どもたちもふつうに見ているわけか・・・。




あれ?

そう考えると、教師も、時代の流れに乗って、早口でいいのではないか!?

むしろ、早口でこそ、子どもは授業にノッテくるのではないだろうか・・・。


なんでそう思ったかと言うと、実は、教員の早口は、マイナスポイントなのです。


管理職が行う授業の評価で、早口である、ということは、マイナスになっている。

高評価ではありません。

「うーん、先生は早口すぎますネ」

といって、注意されてしまう。

「もっと丁寧に、分かりやすくはっきりと指示を出すとか、ゆっくり発問するようにしないと」

これは、どの自治体の、どの教育委員会でも、そういう判断をすると思う。




わたしも、どちらかというと、早口の傾向がある。

授業の時はつい、早口になってしまう。



4月。

学年が変わって新しいクラスの担任になった。

これを機会に、子どもたちに聞いてみよう、と思いました。

「あらま先生は、早口だな、と思う人いますか」

半数が手をあげた。

「もっとゆっくり話した方がいいかな。早すぎて分からない時とか、ありますか?」

すると、意外にも。


「いいよ。今のスピードで。早い方がいい」

と。

びっくりして、

「ええ??ホント??わかりにくくない?」

と聞いてみたのですが、



子どもたち、

「いいよ。今のくらいが、いちばん面白いと思う。ゆっくりだと笑えないと思う」

「うん、そうそう。ゆっくりだと、パシッと笑えない気がする」



笑えないって。

お笑い芸人か、俺は?




この子たちは、ルミネか道頓堀の、よしもとの客のような気分で、授業を受けてるゾ・・・。


今、早口を矯正すべきかどうか、かなり悩んでいます。とほほ。


落語家