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Rさんはネコを飼っています。
日記は、ネコのことだらけ。
赤ちゃん猫をもらってから、ずっと毎日ネコを追いかけている様子です。
夏休みも、自由研究を提出。
模造紙3枚びっしりとネコの体重やらなにやら、データをとりまくっておりました。
「ネコと会話ができるかも」
と豪語する彼女には、かのどりとる先生もびっくり、でありましょう。
まあ、どりとる先生はネコ以外にもあひるのダブダブとか、犬でも豚でもしゃべりますが・・・。(オウムのポリネシア、イヌのジップ、サルのチーチー、フクロウのトートー)
その子が、昆虫クラブに入りました。
高学年の女子では、唯一のメンバーです。
やんちゃな4年生の男子が、キャッキャととんぼをつかまえる横をすりぬけて、一人で葉っぱの裏などをたしかめて歩いております。
渋いんです。虫探しの方法が。
「他に、女の子がいないけど、いいの?」
と聞いたことがあります。
展翅板を掃除し、標本にするためにとんぼをピンで留めているときも、興味があるのか、脇で見ている子です。
「まあ、ふつう、女子は気持ち悪いと思っているからネ」
とその子は言い、
「わたしはぜんぶ楽しいから」
と、サラリ、と言います。どうです、この感性。面白いでしょう。
他の女子にべつに嫌われているわけでもなく、ある意味一目おかれていて、
「Rちゃん、すごい」
と思われています。
クラスメートに、
「あの蝶、殺したの?」
と標本箱を指さして言われたとき、わたしは一瞬、ドキリとしましたが、彼女は
「ま、標本にした、ということ」
涼しげに、語っておりました。
昆虫クラブが一番、たくさんの虫を採集できるのは、春先であります。
4月、5月、ゆらゆらとんでいるモンシロチョウを、多くの子が捕まえました。
それをすべて展翅し、標本箱にして展示してみると、これが驚くほどの人気。
昼休みなど、職員室の前の廊下は鈴なりの人だかりであります。
めずらしいのでしょうナ。
虫が。
めったに、じっくりと見たことが無いから。
ふだん、そのへんを飛んでいる姿は見てますが、99%の子が、じっくりとは見てません。
だから、標本箱の中にずらりと並べてあるのを見ると、羽の色や模様が少しずつ違っているのが、不思議な様子。じっと見ています。
下級生が「すげえ」といいながら標本箱にたかっているのを見て、その子は
「ふーん、ふだん何も興味なさそうなのに、標本となると見てみたくなるのか」
と、人の行動分析をして、階段のところでつぶやいておりました。
一般に、虫が好きだ、ということや、ネコのことばかり夢中になっている子をみると、心配になる向きもありますが。
でも、このように虫の標本を置くだけで、子どもたちというのは、虫の話をはじめるものです。
すると、そこで虫博士が脚光をあびはじめます。
そうなのです。
虫博士は、虫のことを話せるのです。
博士を取り囲むようにして、子どもたちは集まってきます。
そして、自分の知らないことを知っている彼や彼女から、知りたいことを学ぼうとします。ハカセたちも、あれこれと話をします。本来、虫のことで話すのは、大好きなんですからナ。
ネコ博士は、猫のことで、おしゃべり達人になればよいのです。
「博士」は、「閉じこもり系のオタク」とはちがいます。
自分の趣味が受け入れられなくても平気であり、
さらに、
自分の趣味を受け入れない人を馬鹿にしないのが、博士です。
また、自分の分かることを知りたいという友達には、あるいは役に立つならば、話をしてみよう、と自分を開放しています。
趣味の世界に没頭している子がいたら、
「それがいずれ、世の中のだれかの役に立つようになるとイイネ」
と勇気づけていくことかと思います。
「ほらほら、だあれも見向きもしないような趣味の世界にばかり閉じこもっていないで!!」
と叱ったり、心配したりする大人もいるようです。
しかし、子どもが閉じこもっている、という観方でみること自体を、だれもが一度、振り返ってみることだと思いますネ。
「お前は閉じこもっているのだ!」
と烙印を押すってことを、ね。
Rさんはネコを飼っています。
日記は、ネコのことだらけ。
赤ちゃん猫をもらってから、ずっと毎日ネコを追いかけている様子です。
夏休みも、自由研究を提出。
模造紙3枚びっしりとネコの体重やらなにやら、データをとりまくっておりました。
「ネコと会話ができるかも」
と豪語する彼女には、かのどりとる先生もびっくり、でありましょう。
まあ、どりとる先生はネコ以外にもあひるのダブダブとか、犬でも豚でもしゃべりますが・・・。(オウムのポリネシア、イヌのジップ、サルのチーチー、フクロウのトートー)
その子が、昆虫クラブに入りました。
高学年の女子では、唯一のメンバーです。
やんちゃな4年生の男子が、キャッキャととんぼをつかまえる横をすりぬけて、一人で葉っぱの裏などをたしかめて歩いております。
渋いんです。虫探しの方法が。
「他に、女の子がいないけど、いいの?」
と聞いたことがあります。
展翅板を掃除し、標本にするためにとんぼをピンで留めているときも、興味があるのか、脇で見ている子です。
「まあ、ふつう、女子は気持ち悪いと思っているからネ」
とその子は言い、
「わたしはぜんぶ楽しいから」
と、サラリ、と言います。どうです、この感性。面白いでしょう。
他の女子にべつに嫌われているわけでもなく、ある意味一目おかれていて、
「Rちゃん、すごい」
と思われています。
クラスメートに、
「あの蝶、殺したの?」
と標本箱を指さして言われたとき、わたしは一瞬、ドキリとしましたが、彼女は
「ま、標本にした、ということ」
涼しげに、語っておりました。
昆虫クラブが一番、たくさんの虫を採集できるのは、春先であります。
4月、5月、ゆらゆらとんでいるモンシロチョウを、多くの子が捕まえました。
それをすべて展翅し、標本箱にして展示してみると、これが驚くほどの人気。
昼休みなど、職員室の前の廊下は鈴なりの人だかりであります。
めずらしいのでしょうナ。
虫が。
めったに、じっくりと見たことが無いから。
ふだん、そのへんを飛んでいる姿は見てますが、99%の子が、じっくりとは見てません。
だから、標本箱の中にずらりと並べてあるのを見ると、羽の色や模様が少しずつ違っているのが、不思議な様子。じっと見ています。
下級生が「すげえ」といいながら標本箱にたかっているのを見て、その子は
「ふーん、ふだん何も興味なさそうなのに、標本となると見てみたくなるのか」
と、人の行動分析をして、階段のところでつぶやいておりました。
一般に、虫が好きだ、ということや、ネコのことばかり夢中になっている子をみると、心配になる向きもありますが。
でも、このように虫の標本を置くだけで、子どもたちというのは、虫の話をはじめるものです。
すると、そこで虫博士が脚光をあびはじめます。
そうなのです。
虫博士は、虫のことを話せるのです。
博士を取り囲むようにして、子どもたちは集まってきます。
そして、自分の知らないことを知っている彼や彼女から、知りたいことを学ぼうとします。ハカセたちも、あれこれと話をします。本来、虫のことで話すのは、大好きなんですからナ。
ネコ博士は、猫のことで、おしゃべり達人になればよいのです。
「博士」は、「閉じこもり系のオタク」とはちがいます。
自分の趣味が受け入れられなくても平気であり、
さらに、
自分の趣味を受け入れない人を馬鹿にしないのが、博士です。
また、自分の分かることを知りたいという友達には、あるいは役に立つならば、話をしてみよう、と自分を開放しています。
趣味の世界に没頭している子がいたら、
「それがいずれ、世の中のだれかの役に立つようになるとイイネ」
と勇気づけていくことかと思います。
「ほらほら、だあれも見向きもしないような趣味の世界にばかり閉じこもっていないで!!」
と叱ったり、心配したりする大人もいるようです。
しかし、子どもが閉じこもっている、という観方でみること自体を、だれもが一度、振り返ってみることだと思いますネ。
「お前は閉じこもっているのだ!」
と烙印を押すってことを、ね。