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勤務校に、池がある。

ところが、あまり活用されていない。
ビオトープにはなっておらず、ただの池。

おまけに、水質が悪くなるので、毎年夏休みには、水の入れ替えがあり、プールから水をひいてこなければならない。この作業が、なんと大変なこと。
職員作業の重労働なのだ。

ということで、この池をつぶしてしまおう、という計画がもちあがった。

「利用もされていないし、つぶしてしまいましょう。」

職員会議では、ほとんどこの意見が通りそうになった。

ところが管理職から、

「消防に関してのことで、この池は災害時の貯水漕になってまして」

結局、つぶすことはできない、という返答だった。



わたしは、内心、ニヤリ、とする。

そして、まず一人、昆虫の好きな先生を一人つかまえて、廊下でぼそぼそ・・・。



「ビオトープにしませんか?ウヒヒ」

するとその先生は、禁酒法時代のアメリカのバーで話す時のように壁に寄って、

「ええですな。ゲヒヒ。・・・でも、どこから水草を?」




いつの間にか、水草をじわじわと増やしてしまおう、という計画を立てた。




われわれは、水草を、入手しなければならない。

水草、たにし、メダカ、光合成細菌・・・

ゆくゆくは、生活科で、とんぼつり。

昆虫クラブで、イトトンボの生態研究を。

図工で、春のビオトープの絵を描こう。

理科では、メダカの観察ができる。

授業参観日には、スイミーの劇をこの池の周りでやりたい。

ビオトープから、夢は広がる。

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