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幸福な子ども像が、みえているか。

教師たるもの、つねにこうしたことに、敏感であれ、と、前校長がおっしゃってました。

子どもの幸福がなんたるか ということを知らないで、教壇に立つべきではない。

そういう意味だろう、と解釈。



さて、これは大問題で、新年度準備をしながらも、このこと(前校長からの宿題)が気になって仕方がない。

それにつけても思い出されるのは、Tくんのことであります。


Tくんは、あるとき、図工の作品を作るために配られた、青い画用紙を、たちまちやぶってしまった。
わざとじゃないのだけど、うしろの子に渡そうとした時、上にクーピーの箱が置いてあったから、引っかかっちゃった(?)のだね。

まだ、全員に配ったばかりで、名前を書くこともしないうちに。


これは、子どもによって、反応のパターンがいくつか、あります。




配られた画用紙が、やぶれちゃった場合の反応。

まずは、泣いちゃうパターン。

その子にとって、衝撃が過ぎるのか・・・。
「やぶれちゃった~、あーん」
と言って、泣く。


かと思えば、顔色が青くなるパターンの子もいる。
やばいっ、という顔になる。
そして、すぐに先生のところへ、おずおずと言いに来る。
「先生、すみません・・・」
まじめな子が、そうする。



さらに、人のせいにして脅迫するパターン。

「あッ!⚪️⚪️くんのせいで、破れた!責任とってよ!!」


6歳で、「責任とれ!」な~んて、まるで人間的でない言葉を使う子どもも、います。


さ、我らがTくん。
何と言ったでしょう。


「あっ!破れちゃった!アハハハ!!」



ま、これが一番、幸福ですわ。

世の中のお母さまたちにおかれましては、ぜひ、こういう子に育てたい、と
お考えいただければ、よろしいかと・・・。

ところが、世の中は逆さまだから、

このTくんのお母様はいつも、

「すみません。うちの子が迷惑かけてないでしょうか」

と、低姿勢であります。



一方で、責任、なーんていう言葉が、パッと出てくるような子は、なんだか、シアワセの薄い感じがする。


誰だ!この子に、
責任、なんて言葉を教えたのは!



・・・と、思っちまうね。



ともあれ、子どもの「幸福」は、
図工の画用紙が破れて責任を問われるような社会には、存在していなさそうであります。

たぶん、ヒントは、
アハハハ!の方に、ちょっとあるんじゃないの。