片岡敏郎さんの歯磨スモカの「スモカ広告全集」を読むと、半日がたちまち過ぎる。
3歳の息子の相手をしながら、ペラペラめくっているだけで、至福のひとときであります。

なにしろ、絵と文が、ばっちり呼応している。

また、ぜんぶ、歯磨きによる歯の白さにむすびつける、粘着質なところがイイ。

重たくない。軽い。
でも、シツコイ。
これが、広告の真髄か。

理屈でない。
でも筋を通している。
これが、広告のお手本か。

コオロギの絵とともに、
「つづれさせ、りうりうりうりう
 歯をみがけ、しやしやしやしや」

(つづれさせ、は蟋蟀の鳴き声だそうです)


カエルの絵があって、
「ガッコ ガ
 ゲッコ ゲ
 歯を みがこ!
 ガッコ ガ
 ゲッコ ゲ
 脂(やに)を取ろ!」


ともかくもこの感覚、このテンションで、しつこいくらいにほめていきます。友達思いの言動を。
子どもの言動、何を見ても、

「大事なのは、ひとと共にで、ござんすな」

と、軽く、しつこいくらいに、繰り返し、刷り込みますと、
スモカ歯磨きが大正から昭和にかけて人気商品になったように、
子どもたちの気持ちに変化が生まれるのではないか、と。

消しゴムが落ちたのを拾ってあげた子なんて、
ヒーローのように賛美しちゃう。
「あ、落ちたよ」と知らせてくれた子にも、
「そうやって教えてくれるから、すぐに拾えるよね。○○さんみたいな子がたくさんいたら、この教室はうんと居心地がよくなるね」
と、ホメホメしちゃう。
机からポロッと落ちた消しゴムを見て、
「あ」
と言っただけの子にも、
「今、○○くんが、あ、って言ったので、気付けたよ。ありがとう!」と言ってよろこんじゃう。

さらり、とした今の子風のお付き合いが目立つ。
群れて、ひとかたまりになって、遊ぶことの苦手な子たち。
ひととの関わりが、めんどうくさい、苦手、重荷となってしまう前に。
「ひとと共に」の楽しさ、よさを。

休み時間、
「ひまだぁ」
と言って、ぼんやりしている子がいる。
「Sケン、みんなといっしょに行ったら」
「つかれる」
「図書室は」
「人がいっぱいいるから、やだ」
「かかしは」(愛知のローカルな、かかしという遊び)
「めんどう」

でも、一人で粘土するのも、つまんない、というのです。
「先生、休み時間って、なにしたらいいの?」

「人間関係をつくるために、人と関わりなさい」
(と言いたいですが、言ったことはありません)

「そうねえ。。。どこ行ってもいいし、なにしててもいいんだけどね」



相手の気持ちを感じ取るアンテナを育てておくこと。
ひとを受け入れる、という経験をしておくこと。
それも、低学年のうちから・・・。