近所の公園へ出かけた。
りんご畑をみおろす丘にある公園に着くと、ほとんど人の気配がない。
昼下がり、いいお天気。
みなさん、スキーにでも行かれたのだろうか。

ほぼ貸し切り状態の公園の広い駐車場の奥に、林道があり、現在は通行止めになっている。
その坂道が、ぜっこうのソリ遊びポイントだ。

車は来ないが、いい感じのなだらかな勾配がつづき、ソリのスピードが出る。
雪も林道の杉の木の陰はほとんど溶けのこっており、ほんわりと雪のつもった状態だ。

さっそく6歳になる息子とそりですべると、思いのほかスピードが出て、歓声をあげた。

「こわいから、途中からやろうね」

坂道がつづくから、もっと上からでもできる。
スピードが出るから、途中からね、とした。


ところが男の子は、だんだんと遊びをエスカレートしたくなるものだ。
自分の男だからわかる。

「もう少し、上からやろう」


最後は、ほとんど坂道のカーブぎりぎりまで登り、そこから一気にすべった。
50メートルはあると思う。かなりのスピード。

ところが、それでも飽き足らない。

「ジャンプ台をつくろう」


道の途中に、雪をかためた。
そこをジャンプするのだ。
ためしにやってみると、30センチくらいは浮き上がる。
横から見ているとそうでもないが、いっしゅん、フワッと浮き上がって視界が変わると、スリル満点である。

こんなことをつづけて、2時間ほどたっぷり汗をかいて遊んで、ひとりも出会う人がいなかった。

妻は、

「こんなところであそべるなんてねえ。もったいないから、みんなに知らせよう」
と、メールをしていた。


スキー場へ行ってそりで遊ぶのもいいが、とことん楽しむなら、近所の公園も穴場だということがわかった。

新潟の友人から電話があり、大雪で毎日家族で雪かきしている、と言っていた。
学校でも職員が総出で玄関前を雪かきするのだそうだ。

雪遊びに興ずるこちらの地域とはまるで様子がちがうし、こういうところへ書くのも少し憚られるような気もする。

スキーウェアはほとんど毎日使っている、という息子の日常を考えると、昨年までの都会暮らしとはまったくちがって、冬の暮らしを満喫している気がする。


洗濯機の排水できず、凍結が原因で修理に出すことになった。
代償も、もちろん、ある、ということ。
人生、いいことは2つはない、らしい。