職員室の目の前の先生に、Tボールのゲームを教えてもらった。
標準を知らないのでなんとも言えないが、ルールが一風変わっている。

1)ランナーをおかない。

つまり、打った人は、ランナーとして走るものの、次の人の番になったらすぐにフィールドの外に出なければならないのだ。
これがどうして可能かと言うと、得点の計算方法がそもそもユニークだからだ。

2)得点は、ランナーが1塁をふめたら、1点が入る。2塁をふめたら2点。3塁をふめたら3点。ホームに帰ることができたら4点だ。

また、通常の野球ではランナーをアウトにするために、野手がベースカバーに入った1塁手、2塁手、3塁手に向かってボールを投げなくてはいけない。1塁手、2塁手、3塁手は、そのボールを受け取って、ランナーがベースにたどりつく前に、ベースを踏んでいないとアウトにはできない。
ここのルールも、異なっている。

3)アウトにするためには、まず、打たれたボールを野手の一人が取らなくてはいけない。
取ったボールを投げて、ベースカバーに入った人に渡す。しかし、通常と異なり、ひとつ先のベースでアウトにすればいい。ボテボテのショートゴロでも、ファーストが間に合わなければ2塁に送ってもいいし、3塁に送ってもいいのだ。
さらにひとつ。アウトにするためには、残りの野手が全員でベースを囲まなくてはならない。囲んだ全員で、高らかに「アウト!」と叫ぶのだ。(肩を組むか、手をつなぐかする)

その時点で、ファーストを踏めていたら、攻撃側は1点取得する。2塁を踏めていたら、2点を取得できるというわけだ。

ちなみに、攻撃側が10人いたら、10人全員が攻撃する。全員攻撃が終わったところで、攻撃によって得た得点を合計して、1回の表の得点とする。
次は、攻守の交代を行い、1回の裏の攻撃とする。
新たな攻撃側も、10人いたら、10人全員がバッティングする。

こうすることで、順番の回らない子をいなくする。
また、必ず攻守交代が平等に行われる。


その先生も、また先輩のちがう先生に教えてもらったそうである。
そのちがう先輩の先生もまた、どなたかに教えていただいた、と話していたようで、こういったルールは伝承文化として、職員室で継承されていくのだということを実感した次第。