横澤彪(よこざわたけし)さん。
笑っていいとも、おれたちひょうきん族、という番組のプロデューサーとして名をはせた横澤さんが、爆問学問に出ていた。
爆笑問題も今度ばかりは生意気なことを言っていられず、正座でもして会うのではないかと思ったが、番組の冒頭ですぐに太田光が
「オレ、風呂入ってきた」
といったのが、衝撃だった。
やはり、ちゃんと身を清めてきた、というわけだ。
さすが太田さん。
横澤彪氏は、もうほとんどの人がご存じでしょうが、フジテレビの名プロデューサーであります。
お笑い界のビッグ3ことタモリ、ビートたけし、明石家さんまをスターダムへと押し上げることに一役買った。
横澤氏に向かって、テレビとはなんぞや、芸人とはなんぞや、漫才とは、と太田も矢継ぎ早に質問攻め。
彼が一番気になっていることなのだ。
その答えを言う資格を持つ人間は、そうめったにいない。
横澤氏は、その数少ない一人。
その人に、直に聞けるチャンスであったのだから、太田さんも今回ばかりは番組のことなんて半分すっとんでいて、自分が本当に聞きたいことを、本音で訊いていたのにちがいない。
テレビの画面からは、なんだかそんな空気感が押し寄せてくるようであった。
横澤氏が
「ニュースキャスターやんなさいよ。だって、いろいろと見る目があり、きちんと判断できる賢さがあるんだから」
と爆笑問題の二人に向かって言っていたが、それは大賛成だ。
テレビの中でそのセリフが聞こえた時、おもわず
「そうだ!」
と叫んでしまった。
かつて、ビートたけしが出てきたとき、山藤章二氏が
「たけしにニュースステーションをやってほしいなあ」
と言っていたが、その気持ちと同じだろう。
世相、時事ネタの世界に生きてきた山藤さんが、ビートたけしにこそ、本音で世相をきってほしい、ニュース番組の構成枠をとっぱらって、新しい世界をテレビ界につくってほしい、と期待した。
同じように、
テレビの世界に閉塞感を抱いている横澤氏が、爆笑問題に
「テレビ番組の枠をこわしてよ」
と依頼していると思った。
それにきちんと響くのが太田で、さすが、と思う。
太田も、現状のテレビ界が閉塞している、と訴えていた。
横澤氏も、「このままではよくはなっていかない」と。
上手に世間を騙す、というテレビの世界。
心地よく、ショーを見せていくのがテレビの世界。
それとはべつに、漫才という芸事の世界がある。生で、板の上で、客の息遣いを感じながら演じるという世界だ。
「そっちの世界をやめてしまってはだめ」
と横澤氏は言う。
太田は、漫才だけで食っていかれたらいい、という主旨の発言をしたが、それは実現されていない。現に、漫才だけの長寿番組は存在しない。
それよりももっと、世の中、視聴者が期待する、テレビ的なショー、というものがある。
太田さんは、そこでも生きていかねばならない。
爆笑問題の二人には、それをも背負っていく責任がある。
(、と横澤氏は言う)
教室は、子どもたちに心地よく、<納得する空気、やってみよう、と思わせる何か>を味あわせるところ。
これは寄席に似ている。
ところが、実際の子どもは、テレビのショーの方になじんでいる。
現代の教員は、板の上で子どもたち相手に、授業というクラシカルなショーを見せつつも、さんまや新助や爆笑問題がやるトーク番組のような、もっと生の、もっと本音の、透明で教師の意図や気持ちの裏がわまで見えてきそうな<テレビ的なショー>を要求されている。
現代の教師が立ち悩んでいるのは、たとえてみれば、寄席芸人とテレビ芸人のちょうど境目のあたり。
つまり、現代教師は、爆笑問題と、立場が似ている。
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