引越しのおかげで、ふるい本をひさしぶりに開いてみる。
押し入れの奥の、段ボール箱。
なにが入っていたか、さっぱり忘れていた。
そういえば、4年前。捨てようかどうか迷いつつ、箱に入れて持ってきたのだった。
2回目の引越しで、また迷った。
で、その末に、またしても、持ってきた。
捨てなかった。
BOOKOFFに持っていかなかった。
目の前に、たしかに、10年以上前、まだ若くて暇だったころの記憶がよみがえってくる。
結婚前の独身時代。
なぜかあんときは、時間があったので、夜になるとスタンドの蛍光灯だけで何冊も本を読んでいたのだった。
古い段ボール箱。
その中に、野村せいさんの著作もあれば、広告批評の古い号、志村ふくみさんの本、沢村貞子さんの本、そして林光など、いろいろとなつかしい本が入っていた。
中に、どくとるマンボウ青春記、の文庫本があった。
表紙も裏表紙も、ボロボロだ。
おそらく、高校生の頃から持っていたもの。
読まないでも、ずっと捨てずにとっておいたのだ。
なつかしくてめくっていると、「美ヶ原」という地名が出てくる。
高校生の頃、行けずに断念した山。
いつか行こう、と思いつつ、行かないまま。
時がずいぶん過ぎた。
若いころに、強烈に念じたこと。
それはほとんど、かなってきた。
「美ヶ原」も、いつか、かなうだろうと思う。
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