産経新聞は、免許更新制に賛成らしい。
http://sankei.jp.msn.com/life/education/090921/edc0909211149000-n1.htm

今回、川端達夫・新文部科学相が示した、見直しの指針。
私は大賛成だ。

今年の夏も、ベテランの尊敬する先生が、
「行きたい勉強に行けないで、行かなくちゃならない勉強に行くのはつらいよね」
と話していたが、
意欲ある先生のほとんどは、自分でしっかり計画して、夏休みならではの「学び」を深めようとしているのではないだろうか。
それをすべてキャンセルさせて、大学の講義を聞かせればよい、というものかどうか。


教育評論家の石井昌浩氏が、
「講習を受ける教員は極めて真剣だった。既存の研修と異なる意義があり、講習する側の準備や受ける側の意気込みで高いレベルが期待できる。けっして無駄ではない」と話したそうだ。
産経新聞は、前後に「教員養成に6年かける」という内容の記事をかぶせて、二つの論点をごちゃまぜにして、

「免許更新制はいい制度なのに、それが改悪されようとしている」という意図で書いている。



これは、筋がちがうのではないか。



教員は、自分で計画して、ちゃんと学ぼうとしている。
そのための民間のセミナーや研修、仲間の勉強会、自分で計画したプランがきちんとある。
ほとんどの教員はまじめに、こういうことで必死になって勉強している。
それを、

「研修に来る意気込みが高い。無駄でない」

あたりまえだろう。

自分が高いお金を自前で出して、手弁当でも行きたかった勉強会をすべてキャンセルさせられたのだ。その分、必死になって学ぶのは当たり前だ。講義の質が低ければ、泣いて運の悪さを呪うくらいの真剣さなのだ。それは、教員の質が高いからなのであって、けっして「免許更新制度のために用意された短大主催の講義」の質が高いからではない。
なんだか、意味をひっくりかえして論議しているようで、産経新聞の人、もっと勉強してよ、と思う。
この産経新聞の記事を書いた人はいったい、どんな人なんだか・・・。

おそらく、教育評論家の石井さんの、本当に言いたいことはもっとちがうと思う。
産経新聞の編集に、うまく利用されてしまったように思う。

ちなみに、私の尊敬する先輩は、真剣に講義を受けて、

「なかなかすばらしい講義をするわよ。短大も必死なんだと思う。先生もすばらしかったよ。でも、私は夏休みに自分で計画していた勉強会をしたかった。もっと行きたかったセミナーもある。それをやめなきゃならないのが、本当につらかった。こんな制度が早くなくなればいいのに。」

と話していた。

今回、見直しの指針が出されたことで、夕方の職員室に、歓声が上がりました。
先輩も、

「ほらね!!!やっぱり!!!」

とうれしそうに話していたので、こちらもうれしくなった。
校長も、教頭も、みんなで笑顔でしばらく話をしました。

本当に、うれしかった。

早晩、こんな制度はなくなるだろう、と話していたが、本当にその通りになった。
人は、価値を認めないものには、やはり意欲もわかないようだ。
夏休みに行われている、民間の教員の勉強会に、産経新聞は取材にくるべきだと思う。
どれほどの熱意でもって、会が開催されているか。
身銭を切って、真剣に学ぼうとする教員、一秒でも惜しいと思って勉強する教員の、顔を写真に撮ってほしい。
もっと勉強してください。産経さん!!