カートカンがにわかに注目を集め始めたようだ。
検索エンジン、ヤフーのニュースに掲載されていたのをはじめ、近所のスーパーでも実物が並び始めた。
http://www.morikami.jp/cartcan.html
10年ほど前、大学生や若い社会人向けのイベントがあった。
間伐・枝うちを経験する企画であった。
下草を刈る、草刈り十字軍のようなイベントに似ていたが、こっちは枝打ちと間伐が主だった。
林業のプロが、間伐のてほどきをしてくれた。
3人の組で、ロープを引っ張り、のこぎりで少しずつ切れ目を入れて、進めていった。
女の子も、勇気を出して、取り組んでいた。
(今振り返ると、なかなかの体験をした)
森の地主が、好意で森に小屋を建ててくれた。
そこに若者を集めてキャンプがてら、地球環境を考えようとするイベント・ワークショップを開催したのだ。
ところが、この話。
仲間、参加者を募ろうと大学に話を持ちこんでも、
「はあ?枝うち?」
と、学務課の人にもまったく話を聞いてもらえない。
当時から、地球環境に関するイベントは盛んで、リサイクルや温暖化のことなど勉強会はあったのに、実践活動となると、興味を示してもらえない。
つまるところ、「よくわかりません」という対応が多かった。
「なんでそんな林業のことなんか、大学生に呼びかけるのですか」
と聞かれ、先のカートカンの紹介ページにあるような、林業と地球環境のつながりを説明するのだが、わかったようなわからないような、珍しい動物でも見るような目つきで見られて、甚だはがゆい思いをした。
帰り道、
「おれたちのこと、林業の土木作業員としか思ってないよ」
と愚痴ると、仲間の一人が、
「やがて、世界中がそうなる」
とつぶやいたことを記憶している。
そうとしか、しようがないのだから。
循環するしか、生きる道はないのだから。
林業を守るしか、生きる道はない。
そう思って、時代がついてくるのを待とう、と考えたものだ。
ところが、どうだ。
やはり、そうなった。
スーパーに並んだカートカンをみて、快哉を叫びたくなった。
人間は、やはり正しいことにエネルギーが向かうものなのだ。
これから、カートカンが見直されてくると、それに応じて林業のサイクルや、森を育て間伐材を生む活動が見直されてくるだろう。
そして、若者が森に足を運ぶようになるにちがいない。
さらに、間伐材そのものが生み出されずに廃棄されている、荒れた日本の森の実態を知ることになるだろう。
荒れた日本の森。
手遅れになりかけている日本の林業。
そこに、若者がかけつける日が、きっとくるにちがいない。
教師の仲間に、よびかけたい。
このことを、授業にしていこう!!
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