一番素晴らしいなと思う子どもは、こういう子どもですね。
「くたばらん子ども」だと思うんです。

こう言ったのは、故・吉岡たすく先生である。

引き続き、こう説明されている。

「子どもというのは、失敗を多くする。
失敗を繰り返していますけれども、その失敗をしたときに励まして、一回や二回の失敗でくたばっただだめだ、ということを教えてあげてください。
<あなたの荷物が世界でいちばん重たい荷物なのよ>と思わさないことが、教育で大事だなあ、と思いますね。」


なぜこういうことを引用しているかというと、いろいろと教えていただいている先生に、
鳥居みな子さんの、次の詩を教えていただいたからだ。



小さな私が

小さな小さな石ころにつまずいて泣いている

大きな大きな道のはじっこ




私は、この詩を書いたメモ用紙をいただいたときに、とてもいい詩だ、と素直に思えた。
先輩は、このメモを、職員室の机のビニールシートの下に敷いて、ときおり眺める、と言っていた。
なんだか、小さな自分が、客観的にみえてくるようで、悩んでいることがちょっと、楽になる。
悩みの大きさが、次第にしぼんで見えてくる。
こんなことで悩むのは、頭の半分でいいな、そう思えてくるから、不思議だ。



子どもが何かでつまづいているとき。
そっと、背中を押してあげたい時。
ほんの少し、声をかけてあげたい時。

たかが、○○。

そう言ってやりたい時に、この詩が味わえる。