ストーブをつけていない。

朝、教室に入ってくるなり、子どもたちが、

「ストーブつけて」

と言ってくる。

まだ、一度もつけたことのない、ストーブ。
隣のクラスが、朝の寒さに耐えかねて(?)つけているのを見てしまったのだ。

「先生、隣のクラス、つけてるよ!」


だから、つけるのが当然だ、というような言い方である。

「寒いかー」

とぼけた声で、返事をして、教卓の周りを整えたりしておく。

女の子たちの合唱が、だんだんと大きくなってくる。
「ストーブつけてー」

いきなり気がついたかのように、
「おお、もうこの教室に、20人くらいは人がいるなあ。じゃあそのうち、あったかくなるぞ」

朝の教室、子どもたちが入ってくると、だんだんと気温が上がっていく。
だから、大丈夫だ。
つけなくても、平気。

もう一度、あらためて、朝の会で話をした。
ストーブをつけないで、がんばっていこう、ということ。
インフルエンザに負けない、風邪に負けない、をみんなで取り組むこと。
それには乾燥が敵なので、乾燥させない教室環境をつくる。
ストーブもできるだけ使わない。
寒い人は、あったかい下着や重ね着をしてくる、ということ。
また、外で元気に遊ぶ、ということ。

高学年が近い。
4年生だ。
外で、といっても、男の子は遊ぶが、女の子はほとんど遊ばない。
だが、目標としては、やはり外遊びをしてほしい。冬でも。


副次効果として、女の子たちを、外で追い出す理由にもなる。
どうせストーブつけてないから、外でも同じだよ、と言うことにしている。

「先生は、ストーブきらいなんだね」

と言ってきた女の子に、

「きらいじゃないけど、今日は使わないんだよ」

と言っておく。