土曜日。
幼稚園の親子レク、というイベントがあった。

入園やクラス替えのあった機会に、親子ともども、親睦を深めようとするものだ。
親もかなりの数が参加している。
100人程度の児童数、両親やジジババも含め、300人程度のビッグ企画になった。

これが、幼稚園の周囲の路地や神社仏閣や公園をポイントラリーで歩く。
班に分かれて、クイズやゲームでポイントをかせぎながらゴールをめざす。

なかなかの企画だと思った。
発想もよいし、なによりも目的にかなっている。

友だちのいないママだって、参加しているうちに、いつしか会話を楽しむようになっている。

きわめつけは、ラリー途中の公園。
幼稚園の父母でうめつくされていた。
なにをしているのかと思ってみてみると、バレーボールを落とさずにできるだけ多くパスをしあう、というもの。

これが、熱中する。
それまで黙っていた人も、大声を出しながら参加していた。
おもしろかった。




ところで、道中、ずっと
「ママ、だっこ」
と自分で歩かない子がいた。
ママとパパが最初から最後まで、ずっと抱っこ。

で、その間、ママの言葉かけがすごい。

「ほら、あんただけよ。歩いていないの」
「お友だちに、笑われちゃうよ」
(すれちがった友人に 「○○さん、見て!ほうら、でかい赤ちゃん。自分で歩けないの」
「笑ってあげて。この子、赤ちゃんなの」


これを、ずーーっと続けていました。


当の女の子、ずっと泣きべそ。

お父さんもお母さんも、ちっともわたしの気持ちを、知ろうとしないんだな。
わたしの気持ちなんて、関係ないんだな。
お父さんもお母さんも、自分の都合優先で動くんだな。


たっぷりと、こういう感情を、学んだ一日だったのだろう。
まだ、さびしそうな顔ができるから、いい。
そのうち、さびしい顔すらできなくなる。
これが、当たり前だ、ということで。

そうなると、そのさびしさを、どうやってまぎらすのだろうか。
平気な顔で、どんなことをするのだろうか。