4月のある日。

なぜだか、子どもが、がんばっているなあ、と共感できた。

朝から。

学校に来たくない子もいるだろうに、全員、来ているなあ。

と思えた。

心から。

そうすると、なんだかけなげになって、

「みんな、がんばっているなあ!」
と素直に口に出てきた。

朝読書で、本を読んでいる子。
起立で、しっかり立っている子。
そうした子たちの、その子なりの、がんばりが、その日は目に見えた。

漢字ドリルで、漢字をきれいに書こうとする子が、なんだかやけにいとおしい。

いつもはこんなふうに、思わない。
そんなこと、 「して、当然」 と思っている。


図書の時間、読書カードに、なにやら書いている子がいると、
「もう書いているのか!えらい!!」と思った。
「そろそろカードに書きなさい」と、まさに言おうとする直前だった。

これも、よく考えるとおかしい。
だって、その前から、いつも、「しなさい」と、言っているのだから。
図書の時間には、カードに記入しなさい。と、前から伝えている。
教師がしなさい、と指示したことを、そのとおりにやっているだけのことだ。

だが、なにか、おかしいのだ。
その日にかぎって、
「こんなのめんどうくさい、と思うのだろうに、やろうとしてくれているなあ」
と思ったのだ。

体育の時間も。

集合!と声をかける。
いつもなら、おそい子に、こう言っていた。

「○○!遅い!走って壁タッチしてきなさい!」

罰を与えるのだ。

しかし、その日はなにかがちがう!!(自分がちがう。自分の心境が)

最初に集まってきた何人かが、やけにいとおしいのだ。うれしいのだ。その努力、がんばりに、感動する。

「いいなあ!すぐにサッと集まった!うれしいなあ!」

これが、わざとらしくなく、本音で出てきたのだ。

なんだか、クラスがあったかい。
雰囲気がいい。
笑い声がたくさん出る。

その日は、なにかがちがった。

はてさて。