二人会。

三枝さんが最近とりくんでいるネタ、今回はかなりよくなっていた。

最後、兄弟が集まって、米寿の祝をふりかえるシーン。
ケーキに88本もろうそくを立てようと提案した末っ子の修平と、長男・信一郎が少しばかり言い合うシーン。

「今日は、ご苦労さんやったな。」
ビールグラスを手にして、乾杯にうつろうとする場面。
なんだか、場面がさっと変わったのが、よく分かった。

三枝さんの体調にもよるのだろうが、前回同じネタを見たときは、ここあたりの描写がよく伝わってこなかった。
場面展開が、荒かった。
長男の顔、おじいさんの顔、修平の顔、どれもちがう。
今回は、
「今日は、ご苦労さんやったな」
のセリフと顔の表情だけで、あ、信一郎だ、と分かった。

急いでいない。
前回とはちがった、余裕を感じさせた。
話を、常に工夫する三枝師匠の探究心を、素直に学びたい。

さて、教員として、授業の語りをどう探求していくか。

ちょっとした、言葉のえらび方、タイミング、どれもちがってくる。
子どもの表情をどう読み取るか。

落語に学ぶことは多い。