さて、色塗りのつづき。

肌の色を塗っていき、次に、服を着せる。
たいそう服は白いが、地に、肌の色がすでに塗ってある。
だから、白色を、肌の色の上に、重ねるようにして、塗ることになる。

これの効果は、次のように現れる。
つまり、たいそう服がちょうど、土で汚れたように見える。

べつにねらったわけではなく、今回のようにやってみたら、たまたまそうなった。
白を、かなり濃く塗った子は、洗ったばかりのたいそう服の色、白、である。
あまり何も言わなかったので、それぞれの子の表現になった。

服を塗り、目、口、髪、を完成させる。

そして、背景、の順で進めた。

最初に人間、人体を完成させたのは、子どもたちの意識が、人間に集中しているうちに完成させたかったからだ。


教室の様子を見ていると、目がでかくなりそうで、こわかった。
せっかく、漫画を脱して、少女であっても、目に星がない人物が描けそうであったのだ。
ここでひきさがるわけにはいかない。
土壇場だ。ここでいきなり、「目の中にキラ星」のスタイルが復活してもらっては・・・


そこで、目を塗る際の、筆を限定した。
0号。
いちばん、細い筆、である。
これに限定。

そして、つぎの指示。
「目は、点、でいいです」

それを聞いて、少女漫画派の何人かから不満らしき声がでるが、そちらをキッとにらむと声はやんだ。
ホッとした。