遠足で牛を見た、という子どもは大勢いる。
生活科が導入されて以来、そうした生活に密着した学習機会は多くなる傾向にはあるようだ。しかし、その中身は空疎なものらしい。文字どおり、「見た」だけ、なのだ。牛は黒色と白色だった、ということまでは分かったが、そこから先への、もう一歩が進めない。これは、もったいないことだと思う。
私は、もし仮に自分自身が、もう一度子ども時代にもどれるなら、できるかぎり、本物をみて、いろんな感じ方をし、味わってみたいと思っている。
牛のうんこはどうだったか、皮膚をさわった感じはどうか、何を食べていたか、舌の感触はどうだったか、牛の口のなかに直接手を入れてみて、何を感じたか。そういう具体的なことを実感してみるところまで、やってみたいと思う。
ふつうは、そこまでやらせてもらえないらしい。無理もない。怪我でもしたら、親から酪農家の責任が問われる。危険なことは、いくら頼まれてもやらせないのである。
牛のうんこを見たことがないというのは、困ったことだ。自分には、つくづく、そう思えてならない。(つづく)
記事検索
人気記事(画像付)
最新記事
カテゴリ別アーカイブ