さて。
また、5月、願書を出す季節になった。
昨年と同じだ。
日常の担任業務に忙殺されながら、願書を書いて出す。

講師はもう、こりごり。
4月に引っ越すのはもう、こりごり。

何よりも、子どもたちに、申し訳ない。
本当の先生ではないのだから。

たしかに、子どもたちにとっては、本当の先生だ。
子どもたちの前では、私も本当の先生だ。
それ以外の意識では、教壇に立っていない。
しかし、職員室では、つねに、講師だという自覚が、心のどこかに、ある。
それが、学校生活の隅々に、何かしら、影響している。


6月。
教職教養の対策を始めた。
昨年と同じく、過去問を再度、解きなおす。
この必勝パターンに、自信がゆらぐことはなかった。

我は、30代転職組。
時間がないのだ。
最大効率で、効果のあがる勉強をするしかない。
目標は、1次合格。

北海道と似た傾向の問題が出ると知ったので、北海道の過去問もやってみた。
同学年を組んだ先生が、図書館で勉強しなさい!と、半分強制的に、命じてくれる。
ありがたかった。
「とにかく今年、ぜったいに受かりなさいね」
こう言って、帰宅時間厳守を強制してくれた。
何にもまして、この学年でよかったと、思えた瞬間であった。
夕方、時刻になると、過去問題集の入ったかばんをもって、近くの図書館へ通った。

7月になった。

1次。
昨年度とまったく同じ会場。
あまり緊張せずに、すごすことが出来た。

さて、服装。
周囲に黒いスーツ姿が多い中、半袖の軽装でのぞんだ。
白いYシャツ、半袖、といういでたちだ。
上着無し。
なんだか胸元がたよりなかったから、ネクタイだけは締めた。

結果発表。
1次は合格できた。
私は、スーツ上着無しの方が、合格するタイプらしい。

勝因を、振り返ってみる。
昨年と同様、過去問を解いたのがよかった。
面接は、講師経験を生かし、
「どの質問にも、教師の立場で言う」ということを意識して回答した。
一見、なにげない質問に対しても、学級経営をする担任から見て、という立場で、答えた。

論文対策は十分でなかったので不安もあったが、最後のマスまでうめることができた。
序論、本論、結論、という3部立て構成を、正直に実践した。

結果、合格。
すぐに2次対策である。