次に、

「なぜ、一つ目の会社を辞めたんですか」

と再度、丁寧に尋ねられた。

「土日にスクーリングへ行くために、土日にしっかりと休める会社にかわりたかったのです」
と答えると、

「土日を休みたかったんですね」
というので、
「はい」
と答えた。

これも、なにか、とんちんかんな応答のような気がする。
話の力点が、土日を休む、ということにすり替わってしまっている。
面接官に、何を感じてもらいたいか、しっかりしたものをもっていないと、こういうことになる。
頓珍漢なやつ、と思われても仕方がない。

さらに、

「これまで子どもとの関わりがなかったのに、どうして子どもとかかわる教師の世界をめざしたのですか」

これについては、

「いや、実は、関わりがまったくなかったんじゃないんです。・・・云々」
と、微細な記憶の中から、昔、遠足のような子ども集団の来訪を受け入れたことがあったなあ、ということを思い出し、考えもないのに、話し出してしまった。
さして強烈なインパクトのある話でもないのに、だらだらと話してしまったのだ。
もちろん、最初から、話すつもりもなかった内容。
練習の時点では、いっさい、頭の中になかったことをひねりだしたのだ。
密度のある、内容の濃い、充実した面接には、ならなかった。
空気が、だれてしまった。

授業と同じである。
空気がだれてはいけない。
テンポとリズムが必要。
それには、短い発問に対して、短く端的に回答することである。

面接の反省。

人生の焦点となるような話題、のみを、語れ。
なにを訴えたいか、伝えたいのか、自分のどこをPRしたいのか。自分ががんばってきたことは何なのか。
それ以外は、語るな。喋るな。短く応答せよ。