30代転職組・新間草海先生の『叱らないでもいいですか』

We are the 99%。転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

2023年12月

どんな体験ができた?と、子どもに聞く

こんな悩みを聞いた。
ある子が、2つのスポーツクラブに通っている。
1つのクラブは、コーチがとても褒めてくれる。また、チームの雰囲気を良くするのに、気を遣ってくださっていて、子供たちの仲が良い。失敗しても励まし合う。何よりも、人を責めたり、自分を責めたりすることがない。
お母さんはそのクラブを大変気に入っていらっしゃる。
ところが、もう一つのクラブのほうは、コーチが一昔前のコーチタイプで、親が横で聞いているにもかかわらず、理不尽な子どもへの叱責や懲罰めいたものまであるらしい。
お母さんはそのクラブを辞めさせようと思っていたが、子どもは友達に誘われて始めた手前、まだ続けたいと言い、やめないでいるとの事。

『その鬼コーチがいるクラブの活動を、どうやってフォローしていけば良いでしょうかね?』

私も少し考えた。
しかし、確認すると、その子はまだ続けたいと言っているのらしい。
そうであれば、答えは簡単だ。その選択を尊重するだけ。

お母さんがしてはいけないのは、そのクラブやコーチの言動について批判をすることだ。
あのコーチ良くないよね、と、もし母親が言ってしまったらどうだろう。
子供にとって何のメリットも生じない。逆にデメリットだけが出てくる。

鬼コーチを批判すると、同時に、その子の【選択】をも批判することになるのだ。

母親がもし何か言うのであれば、聞いてあげるだけ。
「あなたは、そのクラブで、どんな良い体験が出来たの?」
あるいは、
「クラブで練習をしていると、どんな良いことがあるの?」
である。

きっと、子供は今の自分の状態を、客観視してくれるだろう。そして、自分の今のかけがえのない体験が、とても価値のあることだと再認識をするか、もしかしたら、今の自分の状況をよく考えた上で、クラブに継続して通うかどうかについても、真剣に考えようとするに違いない。

「それをすると、どんないいことがあるの?」

と言う質問は、あなたはあなたの人生を自分でハンドルを握って、しっかりと運転をして良いのだと言う隠れメッセージにつながる。

親は子供の人生のハンドルを奪ってしまいがちだ。
子供は自分の人生のハンドルを奪われてはたまらない。必死でハンドルを奪い返しに来る。

親がして良いのは、背中を柔らかく押すか見守るか。

親の立ち位置は、常に子供の背中側である。そして、声をかけてあげるのだ。

「どう?今のあなたの運転は、良い調子で進んでいるの?」

いいよ、ありがとう、と、子供が言ったら、親はたった一言、
感に堪えたように、言うのだ。

あーそう!良かった、ねえ!!
と。

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政治と経済の失敗は何が原点なのか

自民党が窮地に追い込まれている。
リクルート事件を超える、巨大で組織的な計画性の高い脱税疑獄だそうだ。

安倍さんはどうやら幹事長時代に組織的脱税を知り、やめろ!と指示を出したらしい。しかし首相になったら黙認してしまい、それが横行してしまった。今後、おそらく閣僚や大臣経験者から、逮捕者が出るだろう。英国BBC放送でも、日本の政治の危機を報道した。

岸田内閣が、と言うよりも、今の自民党の体質ややり口が、国民から批判されている。

「政治は今良くないねぇ」
と言うだけならまだいい。
経済はもっとダメである。
ガソリン代増えた、食品の内容量が減った、値段が上がった、景気は落ちた、これが逆ならありがたいが。

どうしてこうなってしまったかと言うと、それはもう原因を一つ一つ、数えれば、何億と言う理由があります。

もし、単純に、その原因を一言で、言い表すと、欲がないと言うことに尽きると思う。

日本人は欲がなくなった。
周りの人を幸せにする欲、大欲がなくなった。
残った欲は、名誉欲やほんの小さな承認欲求、自分だけの欲である。

昔、竹中平蔵という閣僚が、経済の自由を高らかにうたったことがある。人間の欲望のままに、市場原理を信じていれば、正しい競争が行われて、日本はもっと豊かになるということであった。
ところが、完全に失敗したと、最近どの経済誌を見ていても批評されている。

竹中さんは、本当の欲と言うものを持たなかった。彼に本当の欲があれば、必ず、人間の思い違いや思い込み、間違いと言うものを計算に入れたはずだ。人間は、ふとした、見間違いをたくさんする。聞き間違いもする。一度思い込んでしまったら、間違ったことを信じてしまうこともある。10年20年と、勘違いを続けることだってある。死ぬ間際になって、ようやくその勘違いに気づくことだってある。
市場原理を信じよう、本能だけの競争原理に全て任せれば良いと言うのは、大変な思い上がりである。

そのことを小泉内閣の時代から指摘していた学者はたくさんいたが、人気が出なかった。なぜなら、人間は間違いをおかすものだと言われると、誰もが「俺に限っては間違わない」と思うからだ。

残念なことに、実際に人間は思い違いをする。思い込み、決めつけて、数々の失敗をする。そのことを計算に入れないのは、欲が小さいからだろう。本当に欲があるのなら、人間のそういった本質を必ず計算に入れるはず。

原子力発電所を建設しようと言う時、これまた多くの人が反対をした。
中曽根さんが原子力発電所の建設を躍起になって進めたが、中曽根さんは欲がなかった。本当に幸せな社会を作ろうと言う気持ちが薄かったのだろう。
中曽根さんは、
「人間というものは、戦争も起こさず、手順も間違えず、決してサボらず、どんな災害も防ぎつつ、一万年以上、人は原子力発電所を運営してゆける
と、かなり楽観的に考えた。
でも、福島原発は、一万年ももたないまま、数十年で大事故を起こした。

その昔。東海村で、有名な臨界事故が起きたとき。ウランをバケツでリレーしたので、大事件になった。それを聞いて、多くの人が、人間は間違いが多いので、サボりたくなるかもしれないし、焦って手を滑らすかもしれないし、疲れるかもしれない、もしかしたら作業の手順を間違うかもしれない、と、考えた。

そんなことはない、と信じられる人が、作業を進めたが、実際には作業中に被爆してしまい、尊い命が失われた。

人間が必ず失敗をせず、粛々と、何万年もの間、正しく、機械を整備し、装置の異常を点検しながら、金属疲労を完全に防ぎながら、決してどの国とも戦争をせず、ミサイルを打ち込まれるようなこともなく原子力を管理できる、とかんたんに思い込める人は少なかった。

欲の小さな人だけが、それを信じることができる。

なぜなら、そう思い込んだほうがストレスが少ないからだ。大きな欲を持っている人は、その大きな欲を実現するために、ものすごく大きな精神的なエネルギーを使う。もしかしたら、と考えるからだ。
人は、間違うかもしれない、とする。
そのことに耐えられない欲の小さな人だけが、まぁ、大丈夫でしょうと、事柄だけを先に進める。

よく考えることをしない、と、いうのが、欲の小さな人の特徴だと思う。

100年後、200年後の日本を今の政治家が考えているだろうか。
それを考える人は、大欲を持つ政治家だ。
しかし、その政治家を支えるのは、欲深い国民だけだ。目先の小さな欲しか持てない国民が、ポピュリズムに陥る。

さて、私は小学校教員なので、100年後、200年後の日本のために、世界のために、授業をしなければならない。

ただ、欲を持てといっても、そんな国民にはすぐには育たない。
1番大事なのは、人間は間違いをするものだ、どんなに良いと思っても、それが本当に周りのみんなにとって良いかどうかよくよく考えればならない、ということ。これだけを基準にして、学校教育が行われても良い。

したがって、子どもたちは、討論ばかり行う。クリスマス会のゲームは何にしようか。そのことだけで3時間も4時間も話し合っている。
しかし、この3時間4時間が、非常に良いトレーニングになっている。
もういいから決めちゃおうよ、と言う意見が出ると、いや、まだ〇〇ちゃんの意見が出ていない、と声がでる。

この光景を、岸田さんが見たら、どんな感想を言うだろう。派閥政治とは、無関係の思想を、子どもは最初から持っている。

岸田総理の秘書の方、ご連絡お待ちしております。IMG_3829
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