30代転職組・新間草海先生の『叱らないでもいいですか』

We are the 99%。転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

2020年01月

【遅いのかまだ早いのか】職業について

職業について考える授業をした。
小学校の高学年では
「・社会生活にはいろいろな役割があることやその大切さが分かる。
・仕事における役割の関連性や変化に気付く。
・将来のことを考える大切さが分かる。
・憧れとする職業を持ち,今,しなければならないことを考える。」

ということを考えるのだ、というふうになっている。(文科省資料)

アンケート用紙を配布。
名前を書く。

1)憧れの職業があるか
ある人は書く。
ない人も、できるだけ近いものを書く。
まったくない人も、身近な人の職業でいいので書く。

2)その職業で収入はあるか。

3)その職業を長く続けられそうか。

4)その職業は人の役に立つものか。

5)その職業をえらんだ理由はなにか。

6)その職業は自分に向いているか。


一つ一つ、書くごとに話し合う。
わたしはファシリテートに徹する。
「どうですか」
「なぜそう思うのですか」
「〇〇さん、△△さんはそういっていますが、その意見や考えをどう思いますか?」
「ここでの一番のポイントはなんだといえそうですか」
「このクラスとしてはそういう意見が多そうですが、そういうことでいいですか?他には?」
「では次に進みます」

4)の質問で、多くの子が
「役に立つのかなあ?」
と疑問をもっていたことに驚いた。
当然、職業というのは提供するものがあり、サービスに結びついているのだろう。
だから、子どもたちも『役に立つ』と考えているだろう、とこちらは思っていた。
しかし、
「サッカーの選手って、役に立つん?」
という声が出て、
「そんなの自己満足だ」
という子もいたのである。
これは意外だった。

「そういう意見・・・どう思いますか?」
とまわりにふってみると、
「・・・だって、お客さんが見に来るんだし、そういう人たちは楽しもうとしてくるのだから、そういう人の役に立っているんだと思う」
「あれ、そうか。ファンの役には立っているか」

これは、『将来なにがしたいの?』という聞き方が多いので、
子どもたちにとっては、職業に就く、ということが、役に立つ、という感じから考え始めていなかったからではないか、と推測される。

また、このアンケートの、最後の質問がもっとも難問で、
6)その職業は自分に向いているか。
というの、6年生の現時点で、このことに対して意見を持てるのだとしたらすごいことである。
自分をある程度、客観視したり、あるいは職業についての予備知識や求められる素質を考えていなければ、なかなかかけない。ほとんどの子が、「考えたことすらない」というだろう。
しかし、もしごく少数の子に、なにかしら『意見のようなもの』だけでも出てきたら、そのことをとりあげてみんなで感想を言い合えばよい。そんなつもりだった。

ところが、「向いているか」について、予想を超えて、子どもたちは意見を出したのである。

「向いているかどうかは、その職業についてみて10年くらいしないとわからない」
「今からそのために勉強するので、勉強すれば向くようになる」
「こんなに好きだし、やってみたい気持ちがあるのだから大丈夫だろう」

ここが一番、さまざまな意見が出て、もりあがった。

最後にもう一度、

1)憧れの職業があるか

の質問にもどった。

すると、

「3つくらい、増やしてもいい?」

という。

「いいですよ」

というと、

「じゃ、おれも増やそうっと」

という子がたくさん。

サッカーの選手、としか書いていなかった子が、

「サッカーの選手のために働く人」

と書いた。

「具体的にどんな人なの?」
と尋ねると、
「えっと、チケット売ったり、選手のカレンダーつくったりする人」
「ああ、チームのための人か。・・・サッカーチームの会社の人とか?」
「そう。あと、グランドで練習するときに手伝う人」
「なるほど」

自分がプレーヤーでなくなっても、よくなった、のである。

彼の思考の中で、どんな変化が起きたのか、詳細は分からない。
しかし、自分でこれらの質問に答え、さらにクラスのみんなで討議していくうちに、
「将来、なにがしたいか」
という感覚的なものだけでなく、
「職業そのもの」の意味について、少し考えが変わっていったのだろうと思う。

わたしもこの授業をしたあとに、「職業ってなんだろうか」。
よくわからなくなった。

soccer_corner_man


まだまだ、お餅余ってますか?

ありがたいことに、わが家は餅であふれている。

お友達からいただいた餅。
実家の母上からもらった餅。
正月の勢いで買ってしまったサトウの切り餅。

来る日も来る日も、餅を食べている。
飽きたら、餅を変身させ、おいしいスイーツ?にしてしまえ。

そこで、あられですよ!
☆材料
餅(もち米100%のもの) 100g
七味唐辛子 適量
青のり 適量
サラダ油 大さじ2
しょうゆ 大さじ2

☆つくり方
餅は7mm角に切り、3日程天日に干して、ひび割れが入るくらい、からからにする。
ビニール袋などに入れ、サラダ油を加えて全体にまぶしつける。クッキングシートを敷き、重ならないように並べる。
160~170℃に温めたオーブンで、丸くふくらんできつね色になるまで20~30分焼く。
しょうゆをはけでぬり、1~2分焼く。
取り出して返し、しょうゆをぬり、1分焼く。七味唐辛子と青のりをふって器に盛りつける。


もちを切っていると、
なんともいない
正月らしさが胸をうつ。

工夫して、餅を食おう!
★写真は、カラカラに乾かそうとして、たいらに並べて風を当てているところ。
P1060320

2020年、今年もどうぞよろしくお願いします。

『叱らないでもいいですか』
のブログタイトルを少し変えて、
『困らない、叱らない。新間草海の教室日記』として1年が過ぎました。
2020年も、引き続き、教師としての日々をつづっていこうと思います。

困らない、という教師の姿。
子どもに無関心だというわけではない。
子どもに期待がないわけではない。
願うことは多い。
しかし、困らない、ということが教師としてもっとも必要な矜持だと思う。
その結果、子どもを叱らない状況が必然的に、しぜんに生まれてくる。

がんばって「困らないようにしよう」と努力するのではない。
意識してそうするのでもない。
ただ、子どもは完全に満ち足りたもので、不足は何一つない。
おかげで、教師は一切、困ることはないのです。

どうぞ、今年もよろしくお願いします。(30万アクセス感謝!)

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