日記を読んでいたら、
「先生に質問です。カラオケの18番は何ですか」
とあった。
正直に「森進一」と答えたところ、次の日にその返信が書いてあり、
「ぼくのおじいさんは、三橋美智也が上手です。ぼくもちょっと歌っています」
とのこと。
いまどきの小学生は三橋美智也を歌うのだろうか。
その子とは、その後もカラオケの話題で何度かやりとりがあった。
カラオケ好きなおじいさまといっしょに、何度か家族でカラオケに行くことがあるそうだ。
「この間は、フランク永井を歌いました。先生は『おまえに』を知っていますか」
あまりにも渋い選択。なんだか話が通じるのが不思議だ。
相手は小学校5年生だ。フランク永井の歌のことで、こんなふうに会話が成立することが不思議なコトに思える。
「ぼくのお母さんは、道化師のソネットを歌いました」
ははあ、さだまさし。
お母さんにしては、ちょっと古いのではないだろうか。
おじいさんの趣味に、ちょっと合わせて歌っているのかな。
わたしはその時の日記に、
「そばにいてくれるだけでいい~♪」
という歌詞の言葉と共に、フランク永井の似顔絵を描いておいた。
家に帰ると、中学生の息子が洋楽を聞いていて、
「お父さん、シカゴって知ってる」
と聞いてくる。
わたしの世代はシカゴの第二の黄金期だったから、これまた説明のつかないような、とっぴな感覚に陥る。・・・息子と、シカゴの話ができるとは。
時代がこれだけ進み、綺羅星のごとくにすばらしい歌手たちが、いるのに。
魅力的なエンタテイナーたちが、お笑い芸人も落語家も、こぞって世の中に出てきているのに。
AKBも、エグザイルも、米津玄師だっているのに。
それにも関わらず、いまだに、三橋美智也、フランク永井、シカゴの話をしている。
わたしは、どう考えても説明の出来ないような、思いがけないような気持ちに包まれた。
時代が急に、以前にもどったような・・・
まるで水中をゆっくりと遊泳しているような不思議な浮遊感・・・
その夜、このことを嫁様に感慨深げに言ってみると、軽蔑したような目になって、
「ただ、向こうがこっちに、話題を合わせてくれているってことでしょ」
は、そうでした。
ただ単に、相手から、合わせてもらっていたのでした・・・。
人生はいつも、そんなことばっかりなんでしょうナ。
「先生に質問です。カラオケの18番は何ですか」
とあった。
正直に「森進一」と答えたところ、次の日にその返信が書いてあり、
「ぼくのおじいさんは、三橋美智也が上手です。ぼくもちょっと歌っています」
とのこと。
いまどきの小学生は三橋美智也を歌うのだろうか。
その子とは、その後もカラオケの話題で何度かやりとりがあった。
カラオケ好きなおじいさまといっしょに、何度か家族でカラオケに行くことがあるそうだ。
「この間は、フランク永井を歌いました。先生は『おまえに』を知っていますか」
あまりにも渋い選択。なんだか話が通じるのが不思議だ。
相手は小学校5年生だ。フランク永井の歌のことで、こんなふうに会話が成立することが不思議なコトに思える。
「ぼくのお母さんは、道化師のソネットを歌いました」
ははあ、さだまさし。
お母さんにしては、ちょっと古いのではないだろうか。
おじいさんの趣味に、ちょっと合わせて歌っているのかな。
わたしはその時の日記に、
「そばにいてくれるだけでいい~♪」
という歌詞の言葉と共に、フランク永井の似顔絵を描いておいた。
家に帰ると、中学生の息子が洋楽を聞いていて、
「お父さん、シカゴって知ってる」
と聞いてくる。
わたしの世代はシカゴの第二の黄金期だったから、これまた説明のつかないような、とっぴな感覚に陥る。・・・息子と、シカゴの話ができるとは。
時代がこれだけ進み、綺羅星のごとくにすばらしい歌手たちが、いるのに。
魅力的なエンタテイナーたちが、お笑い芸人も落語家も、こぞって世の中に出てきているのに。
AKBも、エグザイルも、米津玄師だっているのに。
それにも関わらず、いまだに、三橋美智也、フランク永井、シカゴの話をしている。
わたしは、どう考えても説明の出来ないような、思いがけないような気持ちに包まれた。
時代が急に、以前にもどったような・・・
まるで水中をゆっくりと遊泳しているような不思議な浮遊感・・・
その夜、このことを嫁様に感慨深げに言ってみると、軽蔑したような目になって、
「ただ、向こうがこっちに、話題を合わせてくれているってことでしょ」
は、そうでした。
ただ単に、相手から、合わせてもらっていたのでした・・・。
人生はいつも、そんなことばっかりなんでしょうナ。