30代転職組・新間草海先生の『叱らないでもいいですか』

We are the 99%。転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

2013年04月

あれ?もしかして「叱らないって、スタンダード」なの?

昨日は、ゴールデンウイークの休日であったため、本当にひさしぶりに、本屋にまいりました。

愚息がインフルエンザで倒れたため、ヒマを持て余す彼のために、クイズの本かなにか、買ってやろう、と思いたった。


それで、たまたま、行ってみましたら、こんなのが目に飛び込んできた。

これ、みんな、「子育ての本」ですぜ。

本やで見た、子育ての本








おどろいたのは、その傾向。

ほとんど、「叱る」を推奨していない。

おお!



と、思わず、

人目をはばからず、大声を出してしまった。


これ、学校の教育には、無関係なの?

子育て、と、教育はちがうから、おうちでは叱らないけど、学校では叱ってもよい、ということ?続きを読む

椅子の上に立ち上がり、どんどんと足を踏み鳴らす子

椅子の上に立ち上がり、どんどんと足を踏み鳴らす子がいる。

かなり、屈折している、と思う。

こちらを、ちらっと見ながら、やる。


彼のこころは、
そうせずにいられない、狂おしいほどの欲求に、翻弄されている。


どんどん、と足を踏み鳴らす。

「やめて」

というと、さらに得意がって、机にのぼり、エスカレートして踏み鳴らす。


椅子をふみならす子





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暴力をふるう子

1年生ですから、いろんな子がいます。

話なんて、まるで聞きません。

席についてほしいということを、シンプルに伝えるのですが、立っているこっちの子が座ると、別の子が立ち上がっている。
その子が座ると、今度はナナメうしろの子が立ち上がる。

これ、示し合せたり、打ち合わせしてこうなっているのではなく、偶然に、その子どもの中の、生きる鼓動とリズムがそうさせているのでありますから、見事なものです。

生命の音楽というのは、こうやって、個々の音が響き合って、創られているのであろう、と思わされる光景であります。

こんな子、山ほどいます。クラスに。

4月の入学式の翌日、まったく座ろうとしない子どもたちの光景をみて、あすなろ級の先生が

「新間先生、こりゃたいへんね。応援しないと、こりゃたいへんよね」

ところが、今、急速に、この状況が、整いつつあります。続きを読む

「せんせー、○○くんが、ちゃんとやっていませーん」

クラスの女子が、ぼくを叱る。

このことに、ぼくは毎日、こまってる。

なんでうちの女子は、みんな、あんなふうに、ぼくを叱るのだろう?

大きな声で、しかりつける女子。

「Tくん!はやくしてよ!」

「Tくん!ここ、すぐに片づけてよ!!」



なんで、あんなふうに、うちのママみたいなんだ?

あの女子たちは!

それでちょっとランドセルをさわっただけで、話しかけようとしただけなのに、


「Tくん!やめて!むこう行って!」

だって。

まったく。続きを読む

場面緘黙の子は、「にやり」と笑った

場面緘黙の子がいます。

そして、保育園でも一切しゃべることがなかった、というその子に対して、

「どう対応するか」

というのが、主任先生からの、宿題であります。続きを読む

「なにもしない組」がたのしい話

私のクラスは1年生ですから、休み時間も、まだ自分のスタイルが確立していないせいで、なんとなくみんな、ふわふわしています。
なにをして過ごそうかなあ、と、思案しながら、動いている。

長い休み時間が25分あるので、そこで多くの子どもたちは、外遊びに行ったり、図書室へ行ったり、好きに行動しています。
わたしはこの時間がとても好きです。

1年生の子どもたちは、前庭、と呼ばれる、小さめの遊び場で遊ぶことが多い。

その子たちを、「まえにわぐみ」と呼び始めた。

ほかに、大きな校庭で遊ぼうとする、「こうていぐみ」がいる。

さらに、教室で、ねんど遊びに夢中になっている、おとなしめの男の子たちが、グループで遊びはじめている。
これが、「きょうしつのねんどぐみ」

お絵かきの好きな女の子たちが、クーピーでお絵かきをしているが、この子たちは、「きょうしつのおえかきぐみ」です。

もう一つ、グループがあるのです。
なにか、お分かりでしょうか。



「なにもしないぐみ」



です。

これは、自分たちで言いだしたネーミングなのですが、聞いて、どう思われますか?

「わたしたち、なにもしないから、なにもしないぐみなの」

と、1年生の子が言うわけです。


まゆをひそめた方、いますでしょう。

「休み時間に何もしないなんて、いったいどういうこと?子どもは子どもらしく、遊びなさい」

と思いますでしょうか?続きを読む

林先生の「今でしょ!」が気に入らない

「今でしょ!」

とやわらかく、諭される感じ。

東進ハイスクールの林先生が、ちょこっとコミカルな感じで受けているから、教室でも学校でも、「今でしょ」が流行っている。

ところが、できるだけ、なにもしないことを奨励している私にとっては、この「今でしょ」が、病的に思えて仕方がない。

こんなふうにただのCMの文句に、過剰に反応するあなたが病的だ、と妻は言うけれど、なんだか、気になる。

むかし、イチロー選手が、自動車会社のCMで、

「変わらなきゃ」

というのを言っていた。

それがなんとなしに社会に面白がられた格好で、みんなが「変わらなきゃ」と言い、

「変わるのが良い」

というメッセージを、おたがいに発信したり、受信したり、しているときに、違和感を覚えた。

それと同じ感覚を、今、もっている。
同じように、今も、反応してしまう。

誰が、なにを言ったって、良いのですが、何でそんなことが、流行るのかなぁ、と。。続きを読む

防犯ブザーが鳴って怒られる

さすが1年生。

ぴかぴかです。

もちものが、新品!

防犯ブザー、というものがあります。

ランドセルにひっかけてありますが、それが、なにかの拍子に、鳴りだすことがある。

実は、ひもを引っ張ると、鳴る、という単純な仕掛けでして・・・



そして、なぜか、「鳴っちゃいけん!」という場面で、鳴りだす!!!

続きを読む

「あっ!先生が、あくびしたッ!」「え!」「ほんとだ!」

先生というのは、本当にたのしい商売。

子どもが全力で見つめてきますのでネ・・・続きを読む

ならんでばっかり・・・by 1年生

1年生は、ならぶのに時間がかかります。
場所を間違える子もいるし、前を向くのにも手間がかかる。

であるにもかかわらず、学校という場所は、
やたらと、並ぶことが多いのです。続きを読む

叱らないのは、なぜ?

叱らない。

というときに、

なぜ、叱らないか、と

自分に、問い続けてる。


その、今時点の、感触なりを、子育て談話室等で話す機会もあったし、ちょうどよいタイミングで整理できたことは、とてもありがたかった。

ただ、そのまま、思考が止まらない。
ノンストップで、なぜか、ということが、頭の中を占めてる。

で。。。続きを読む

何で?と言うと、叱る空気がでてくるのは、なぜか。

「先生って、すぐ、なんでって聞くよね」

と子どもが指摘します。

あ、そうだね、とすぐに思いました。

自分でも、いろいろ聞いているなあ、と思うからです。



最近、気にしているのは、

「なんで○○するの?」

というと、なんだか、相手の行動にケチをつけているような雰囲気がちょっとするなあ、ということです。



こっちはその気がなくても、

「なんで?」

と聞くと、

(やっていけないことなのに!)
(おまえはまちがっているんだ!)


という前提があるような雰囲気になるのか?、

「なんでそんなことするんだ!」

と叱られた風に思うような子がいる。



非難めいた口調で言えば、より強く、責めたり非難したりする感じになるけど、まったくそうではなく、純粋に知りたくて、

「え、なんで今、そうしようと思ったの?」

と、かる~く聞いているつもりなんだけど、それでもやはり、気になる子もいるようで・・・


「なんでそうしたの?」

と聞くと、

ばつの悪そうな顔をして、なんとかうまい理由を言おうとする。

ちがう、そんな、理由の理屈を聞こうとはしてない。

理屈が知りたいのじゃなくて、本当にそうしようとした心のうち、というか、背景を知りたいんだけど・・・
続きを読む

大人が「強制」されているとしたら、なんだろう。

先日の、そうじを懸命に見回る先生の心の状態について、さらに考えてみている。

とくに新学期だから、「黄金の○日間」というやつで・・・


そうじの時間に、気合を入れて、見回る先生が急増中。

いったい、どんな心、どんな内面なのかしら、と想像を膨らませてみている。続きを読む

「オレ、さみしくねえもん」がさみしい話

例のごとく、フェイスマークを使って、みんなの「こころ」を考えていた。

今の気持ち、今の心の状態、最近のわたし・・・







1年生でも、見事な集中。

やんちゃくんも、青ブレザーくんも、茶髪ベスト君も、みんな聞いてる。

そりゃそうか。
みんな、こりゃ気になる!って、感じだもん。

そこで、フェイスマーク5段階を、順番に、

「これ、どんなときかな」

と話していくと・・・。


一番さい後の、ざんねんな顔のところで、

Aちゃんが、

「さみしい時の顔~!」

と出した。

わたしも、

「そうだね~。さみしいときって、こんな感じかもね~」

と、その顔を指さしながら、言いました。

するとそこで、いきなり、私のハートがフルにビビッと

針がぐいーんと、揺れる発言がありましたっ!

わたしの耳に、聞こえてきたのは、このセリフでした。



「オレ、さみしくねえもーん」






これを発言したの、誰だと思われますか?

例の、「茶髪でベスト君」 だったのです!

このブログによく登場する彼ですが、またしても、登場っ!


きた!!!




これ、本当に、本当に、本当に・・・・

心臓が苦しくなるような、瞬間でござんしたヨ・・・。続きを読む

「叱らない2年間」~人は強制されて動くのではないのではないか仮説~

叱らないで2年間を過ごした、ということ。
職員室でも少数の人は、気になっているようです。

4月の歓迎会で、ある先生と話した際に、

「先生がいつも穏やかで、声質が変わらないのですごいですなあ(笑)」、と話をしてくれた方がいた。

そんな視点で話されたことない。めずらしい!と、こちらが逆に緊張した。

ふつうの先生は、そんなところに、目もくれない。関心がない。
それよりも、子どもがビシッとしているかどうか。音楽会で聴衆をうならせたか。学力がついたか。
そこが勝負だ、と思っている。
担任が、声を荒げなかったかどうかなんて、そんな些細なことに、目が向く人はいない。

ところが、その先生は、わたしの挙動言動、もしくはその背景に目を向けているようで、なんでそんなに叱ろうとしないのか、とかなり食い下がって聞いてこられた(わりとからかい気味に)。

それで、正直、めんどうだな、と思いながらも、まあ少し、と話に付き合っているうちに・・・続きを読む

「私、モンスターになりますよ」~公言する親の心情~

モンスター、という言葉を世間で「認知されたもの」として使い始めて、もう何年ぐらいになるのだろう。

「わたし、鬼になりますよ」

というのでもいいと思うけど、日本語の『鬼』でなく、『モンスター』を使うのは、鬼がきっと、涙を流すからだろう。
鬼子母神は敬われているし、「鬼の目にも涙」ということわざが生きているのだから。
きっと、鬼は、誰の心にもいるんだろう。

鬼は、神の化身でもある。
よく、「鬼のような」と形容される「阿修羅」は、仏教の守護神だ。

ともあれ、

「わたし、モンスターになりますよ」

という親に、初めて出会って、いろいろと考えることがあった。続きを読む

連絡帳って、すばらしい。

1年生の、初登校。
きのうの、入学式は、親子一緒に来ています。

今日が、はじめて。

一人だけで、学校へ来るのです。

親の心境としては、

だいじょうぶかしら、うちの子、学校がきらいにならないかしら。

いろいろと思うのではないでしょうか。

朝、子どもたちのランドセルを開いてみていたら、連絡帳にふせんが・・・続きを読む

あの子、乱暴な子なんだよ!と教えてくれる子の心

1年生の担任になりました。

小さい。

見てるだけで、笑えてくる。



式が終わって、体育館を出るとき、目の奥を、見ました。
いちばん険しい目の子に、「グレーのベスト、かっこいい!」
と手をつなぐと、いっしょに手をつないでくれた。
ちょっと髪の毛が茶色くて、スポーツが得意な感じがします。

するとすぐ後ろから声がして、
「その子ね、保育園のときは乱暴だったんだよ」
だって。
青い、いかしたブレザーを着こなしている子。
その子が、すぐにそう言った。

聞いて、何を思ったか。
え、でも今はそうじゃないよね、と。
あと、なんでそんなふうにで、出てきたかな、と。

それで、そういうことを言う子も、青いブレザー君も、きっと手をつなぐかな、と思ったら、その子は、

「ううん。いい」

って言って、ちょっと離れました。

さて、どちらの子が、気になりますか?
グレーのベスト君?
それとも、青いブレザー?
何も、気になりませんか?

気になるとしたら、どんなふうに?続きを読む
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