病院で心理検査を受けてきた子がいる。
医者からその結果を知り、親がそれを担任にも知らせてくれた。
結果は、アスペルガー症候群。
さて、これがむずかしい。
発達障害というのが、また、「自閉症スペクトラム」という言葉も、読めば読むほど、分からなくなってくる。
今は、佐々木正美先生の本を再度読み始めているが、これが一番、今の世の中の共通理解に近いのかなと思う。
さて、診断結果をめぐって、職員室でひとしきりその場にいた先生たちが会話した。
その中に、
「やっぱり。アスペルガーだったか」
という言葉があった。
まあ、そのまま聞けば、診断が出ているわけだし、前からそれが疑われていたのだから、そのまま受け取ればいい言葉なのだろう。
しかし、実際に担任している私は、
「その名前がついたら、なにがどうなるっていうんだろう。本人は昨日も今日も、変わらない」
と思った。
診断名がつく前と、ついた後で、なにが変わるってもんではない。
以前から、それ相応の対応をしてきたし、2次障害、反抗性発達障害に進んでいかないように注意してきた。
・・・まあ、それを、
・・・さらにさらに、慎重に、進めていこう、ということか。
まあ、・・・・・・・考えすぎかも。
なんだろうなあ。あのセリフに、なにかひっかかったんだよなあ。
2010年11月
理科 5年
水溶液の学習
食塩を溶かす。
子どもたちが、ビーカーの水に食塩を溶かして透明になったころ、
「ところで、みんな食塩を溶かしているわけだけど、いつ溶けた、って判断するの?」
溶けたというのは、透明になってから、ということを押さえる。
まだ食塩の塊が、水中に見えている間は、「まだ溶けていない」
さて、食塩水ができる。
すっかり食塩は見られない。溶け切っている。
○透明になっている。(向こう側がすけてみえる)
○しばらく待っていても、なにかが溶けのこって沈んでくることが無い。
○ろ紙でこしても、なにも残らない。
さて、このあと、フライパンを取り出した。
なんとなくざわつく教室。
「なんでフライパンなの?先生」
「あ、わかった。塩みるんだ」
フライパンをおもむろに電気コンロに乗せ、火をつける。
フライパンがあったまったころ、ビーカーの中の透明な食塩水をあける。
フライパンから、猛烈な湯気。
そのうちに、フライパンのまわりに、白いモノがつきはじめる。
「先生!フライパンのふちが、白くなった!」
それだけで、大騒ぎである。
最後、水がすべて蒸発しきってしまう前に、火を消す。
ほっておいても、余熱で、すべて蒸発してしまうからだ。
(そのまま水が無くなるまで火をつけていると、余熱で今度は塩がこげる)
その、蒸発した水のあとに、白いものがのこされる。
まったく、塩、そのものである。
「シャキーン!!おまたせ。わりばしです」
わりばしを取り出し、クラスで一番のやんちゃくんを呼ぶ。
照れながら前に出てきたやんちゃくんに、わりばしをもたせ、塩であるかどうか、白いものを先でこすって取らせて、なめさせる。
やんちゃくんも、ニコニコである。
「おおー!! 塩だー」
まったく、きれいな塩がそこにたくさんできていた。
これだけで、1時間。ちょっと時間がかかりすぎ。
まあ、いいか。
万引きのことを。
学校で、万引きした子が出た。
おそらく、日本中、どこの学校でもありうる話だ。
それも、かなりの率で、ある話。
めずらしい話ではない。
補導された婦警さんに聞いた。
「くりかえすのをふせぐしかないですね」
一度きり、と信じたい。
そうねがって、指導を進めていた。
すると、やはり。
「前もやったことがあった。」
最初は、今回が初めて、と言っていた。
でも、3年生だ。
話のつじつまがあわなくなってきた。
母親と校長室で話す。
担任の先生が、順々に尋ねていくと、ボロが出始めた。
「えっ、えっ、さっきと言っていることがちがうよ。最初、なんていったかな」
子どもの前で、紙に時系列をかき、担任の先生が問いただしていく。
私は生徒指導の立場で、参加していた。
母親は、わりと常識のある人でよかった。
ぜったいにいけない、やってはいけないことをした、と子どもの前でキツくしかれる人だった。
(校長先生は、まだなまぬるい。さめざめと泣いてほしかった、とおっしゃっていたが)
婦警さんによると、万引きは見つからなければ必ず二回目、三回目、常習、となっていくらしい。
「万引きエスカレーション」ともいうべき、絶対的な法則があるとのこと。
だれかに見つかるまで、続けるのが人間の心理だそうだ。
だれか、止めてほしい、やめさせてほしい、と思う深層心理が、それを続けさせるらしい。
それも、「わざと」見つかってしまうようなやり方で・・・。
心の底で、見つかって誰かに通報してほしい、と叫んでいるのだ、と婦警さんは続けた。
最近の事例。
女子の高校生。
スーパーのショッピング用カートに、お菓子を満載にし、そのまま猛ダッシュで入口から脱出。駐車場をつっきって、逃げようとしたところを御用。
「昼間、大勢の人が見ている前での犯行。つかまるのは当然の行為ですよね。大人がみんな見ているのですから・・・。これも、常習している子でした。なかなか見つかって補導されないので、見つけてほしい、と言うような行為でした」
また、さしみのパックを、そのままスーパーの陳列棚の前で開け、手づかみで食べた、と言う事例。
これも、食べている最中に御用。
中学生の男子だそうだ。
万引きをしている子は、ほとんど、店の人をじっと見るのですぐ分かる、のだそうだ。
たいていの客は、商品を選ぶのに夢中で、店の人の行動など気にしない。
あるいは、店の人の顔なんて見ていない。
それを、不自然に何度も何度も、くりかえし見ようとする。
目が何度も合う。
ほぼ、まちがいなく、万引きをしたことのある子、あるいはこれからしようと考えている子、だそうだ。
さらに、あきれた親の事例。
なるほど、「モンスターペアレント」であるなあ。
この言葉はあまり好きじゃないが、こういう話が出てくると、納得せざるを得ない。
モンスター、である。
婦警の見ている前で、店の人に、喰ってかかったそうだ。
「たかが万引きじゃないですか!なんで警察を呼んだんですか!」
叱られているのは、店の人である。
叱っているのは、店のモノを勝手に盗もうとした子どもの、親だ。
なにか、天地がひっくりかえっているかのよう。
あげくのはてに、今年一番の事件は、中学校1年生男子の、万引き。
これは、万引きが発展し、強盗致傷になってしまった。
逮捕、である。
この話をきくまで、まさか中学校1年生の子でも、逮捕されるケースがあるとは知らなかった。
話はかんたん。
つい万引きをしてしまった男子。
ところが、大声をあげた警備員さんに驚いて、店の出口に猛ダッシュ。
それを、警備員さんも仕事の責任上、くいとめようとして、出口に立ちはだかった・・・。
あとはご想像の通り。
「万引き」・・・のつもりが、「強盗致傷」<ゴウトウチショウ>になってしまった。
警備員さんは中1の男子に身体ごと、猛烈な勢いで体当たりされ、ガラスに向かってふっとんだ。
軽傷ではあったが、すぐに病院へ行く怪我。
いやあ、万引き、たかが万引き、とはいえない、と思った。
この話をきいたときは。
万引きも、すぐに強盗になってしまうのだ。
それも、あっと言う間に。
強盗で逮捕。
そのぎりぎりのところで、万引きは行われている。
たかが万引き、という意識が、どれほど現実から離れたモノなのか・・・。
まさか、逮捕とは。
大腸の調子がよろしくない。
・・・の方が安定しない。
これはゆゆしき事態である。
とくに40歳を目前にしたここ2,3年だろうか。
クラスが不安定になってしまったことや、引越し騒動でいろいろと忙しくしたせい・・・と思う。また、自分自身にそう納得させてきた。
しかし、それがもう何年も、ということになると、「慢性」というカテゴリになりつつあるのだろう。
妻にそう話していると、
「あの、数年前のお局さんの悩みが始まりなんじゃないの」
そうそう。
例の、特別支援教室のT先生。
大声で、子どもたちをしかり飛ばすので大変だった先生。
その先生が、他学年の若手先生をいじめている状態に、何人かの仲間といっしょに悩んでいたころ。あのころから、そういえば、自分の大腸も、おかしくなってきはじめたのだ。
いや、原因は他にもあるだろう。
これ、という原因にしぼりきれない。
生活の、さまざまな要因が、複雑にからみあって、現象としてあらわれてきたのだろう。
さて、大腸。
どうしたものか。
別の本で、「酵素」について読んだ。
つまり、消化酵素が人間の身体の中にはひそんでいる。
しかし、これは無駄遣いをしてはいけない。
消化酵素を取り入れる食生活をしていかなければ、体調のさまざまな面に大きな影響を及ぼすのだという。
消化酵素を摂るのに、都合のよい食品群がある。
いわゆる、「生(なま)」の食べ物だ。
さしみや、生野菜、フルーツには、酵素を含むものがたくさんある。
それらをいっしょに食べることで、消化吸収を助ける働きが生まれ、人間の食事はスムーズにいくのだそうだ。
それを思い起こし、現在、妻に「生」野菜やフルーツを買うように勧めている。
今は、ほとんどりんごだ。
りんごは、本当にうまいなあ。
今はまっているのは、シナノスイート、という品種。
もう時期としては終わり。
次は、そろそろふじ、かな。11月中には出荷完了する、と知人も言っていた。
とすると、今からが最適期なのだろう。
ふじ、をたくさん食べよう。
ところで、事はそれだけでは済まない。悩みは深いし、即効性を求め、錠剤を買うことにした。
興和薬品の「ザ・ガード」をしばらく飲んだ。
効いているような気もする。
便も、正常に近づきつつある。
しかし、なんだか効き過ぎるキライもあり、胃が妙にスッキリする。
これまでにない感触なので、なんだか落ち着かない。
薬としてはよく、効いているのだと思う。
それで、今日、薬局で買ってきたのは、
「パンシロンN10」という製品。
これはいい。
飲み込む錠剤でなく、なんだか口の中でアメのように舐めていればいい、というもの。
さらに、これはヨーグルトに含まれている乳酸菌、納豆の納豆菌、くわえて、消化酵素も入っているのだそうだ。
胃の調子も悪いときは、ザ・ガード。
ふだんは、パンシロンN10、にした。
知り合いの薬局の薬剤師さんも、その二つをおすすめします、ということであった。
いやあ、知り合いってありがたいなあ。
「これがいいよ」って、おすすめされると、素直に、「そうします」って気分になりますね。
学校勤務で大腸の調子を悪くされている方、ぜひお試しください。
(それよりも、一度、医者に行った方がいいかな)
土曜日、なにげなく市の「市会議」記録を見ていたら、
「発達障がい児の療育と支援について」
という一般質問をされている方がいた。
結局、質問の最後には要望として、
「市に療育センターを設立したい」
と提案されていた。
多くの市会議レベル、行政レベルでは当然、このような「発達障がい児」に対する支援策を何度も話し合ってきている、はず、と思っていた。
しかし、その話し合いの程度が、遅々として進んでいないように見える市もあるらしい。
わたしの住む市でも、どうやら特別に何か動きが明確に計画され、進んでいる、というわけでないことが、この「一般質問」を見ていてわかった。
ところでそれに対し、市長以下、担当者が答えるのには、
「関係課で検討に入っている」
という段階だそうな。
○専門職の人材確保が困難
○県へはたらきかけている
○各課で最大限の取り組みをしている最中である
つまり、専門職をあてがって、そういう支援の体制はつくりたいものの、それを財政面で補佐する制度が確立しておらず、予算もなく、人材確保ができない、ということ。
いや、まてよ。もしかしたら予算の都合、というだけでないのかも。
本当に、人材を募集してもこない、つまり専門職になりうる人の絶対数が少なすぎるのかも。
どうやらそれが実際のようで。
今、発達障がい児の支援を自分の仕事にしていこう、と決意できる人は世の中にどれほどいるのだろうか。
そうはいまい。
家族や知り合いにそういうことで苦労した経験があり、なんとかできないか、とその必要性を感じている人が、動き出すのを待つしかないのだろう。
私の勤務校やその周辺では、自分の子が発達障害、あるいは自分自身が発達障害の悩みを抱えており、それをなんとかしようと勉強しているうちに、この世界に入った、という方も多い。
その方たちが、小学校の職員を対象に講座をひらいてくださっている。
自分の子の子育てに悩んだ経験があるから、すさまじい吸収力で、ありとあらゆることを学ぼうとされている。
現場の先生の悩みへの、共感もある。
はやく、こういうことが当たり前に、迅速に、取り組まれていく市になってほしい。