最近、隣町のレストランに就職した息子が、プリンを作ってくれるようになった。
厨房でプリンを作るのを手伝うようになり、レシピも教えてもらったらしい。
「めっちゃうまいプリン作ってあげるよ」
息子が機嫌よく言ってくれた。
お互いに休みの日がずれているから、なかなか合わない日が続いたが、ある時作ったから食べてみてと言う。
席について食べてみると、確かにおいしい!
聞いたら卵と牛乳、ほとんどそれだけで作ったらしい。
昔の名古屋の喫茶店の、プリンアラモードを思い出した。昔の喫茶店のプリンとか、ホテルのプリンは、硬くて、全く形が崩れなかった。
息子が作ったプリンはそれよりか柔らかかった。
今はとろけるプリンが世の中で流行ってます。息子の作成したプリンは、それとはまた違った感じ。つまり少しだけ昔の雰囲気が残ってました。
息子に聞いてみると、最初はなかなかうまく作れなかったらしい。
小生は、不思議に思いました。
「レシピをちゃんと聞いてきたのでしよ?・・・だったらその通り作れば良いのではないのか」
ということ。
聞けば、使っている道具が違うらしい。
そのレストランでプリンを作るのは、実はプリン用のオーブンでも何でもない。半世紀近く使っているような歴史的な古さのオーブンらしい。
本来プリンを焼く用途のものでないから、無駄に庫内が広い。
「多分、昔はもっと違うものを、それ専用で焼いてたみたい」
半世紀も前の道具で、今のオーナーも、かつてどう使っていたのか、よくわかってない。
そのお店は、その特別なオーブンを使って、なんとも上手にプリンを焼き上げることができる。
なぜか。
そのオーブンに特化して、この方法なら絶対大丈夫と言うレシピを考案した先輩がいたのだ。
その老舗のレストランでは、代々そのオーブンで、そしてその特別なレシピで持っておいしいプリンを焼き上げてきた。
息子が聞いてきたのは、そのオーブンに特化したやり方だったから、今家にあるオーブンレンジだとどうにもうまくいかなかった。
しかし、偉いものだ。
庫内の広さとオーブン内部の温度を考え、余熱の時間も調整しながら、彼は彼なりに、わが家のオーブンで、失敗しないやり方を開発した。
何にしても、最初はこのように時間がかかる。
試行錯誤するのに、エネルギーが要る。
しかし、彼なりのレシピを考えついたときの息子の表情は、なんとも充実感が漂っていた。
人生の中で最も面白いのは、このようにあることをくわだてた場合の、初期の段階の楽しさだろう。
まずある計画を思いつく。やがてやる気に火がつくと、実際に行動に移る。
初めて意図して行動しているわけで、そこには必ず試行錯誤がある。
うまくいかなくて当たり前。時間も労力もそれなりにかかる。この時のタイパはとても、非・効率的である。
しかし、初期の段階の特有な【楽しさと興奮】、この味わいは他とは比べようがない。
息子が秘伝のレシピをメモ書きにして渡してくれた。
「うちのオーブンレンジだったら、このレシピで大丈夫と思うから」
後日、妻が体調の良い時に作ってみたら、やっぱりうまくいったとのこと。
このレシピで作るプリンはおいしい、と改めて言ってもらえるレシピだったと言うことだ。
先日、ある喫茶店でアイスコーヒーを注文しました。
アイスコーヒーは店によってかなり調合が異なり、レシピが違うと思います。
初夏のアイスコーヒーと真夏のアイスコーヒーとでは、ブレンドする割合が違うと聞いたこともあります。
お客さんがおいしいと思えるポイントをお店の人は配慮していくわけです。
そのお店のメニューには、
「アイスコーヒー始めました」
と、初々しいインクで書かれてありました。
5月に頼んだアイスコーヒーは、それはそれはとても爽やかでおいしかったです。
そこには、独自のレシピを作った方がいるんだなと、開発の風景に思いを巡らせるのです。
おそらく、これは食品業界、サービス業だけに限らず、どの世界にでも共通することでしょうね。
人生でこのような楽しみを体験できるのは、それこそ最高の幸福だと思います。
厨房でプリンを作るのを手伝うようになり、レシピも教えてもらったらしい。
「めっちゃうまいプリン作ってあげるよ」
息子が機嫌よく言ってくれた。
お互いに休みの日がずれているから、なかなか合わない日が続いたが、ある時作ったから食べてみてと言う。
席について食べてみると、確かにおいしい!
聞いたら卵と牛乳、ほとんどそれだけで作ったらしい。
昔の名古屋の喫茶店の、プリンアラモードを思い出した。昔の喫茶店のプリンとか、ホテルのプリンは、硬くて、全く形が崩れなかった。
息子が作ったプリンはそれよりか柔らかかった。
今はとろけるプリンが世の中で流行ってます。息子の作成したプリンは、それとはまた違った感じ。つまり少しだけ昔の雰囲気が残ってました。
息子に聞いてみると、最初はなかなかうまく作れなかったらしい。
小生は、不思議に思いました。
「レシピをちゃんと聞いてきたのでしよ?・・・だったらその通り作れば良いのではないのか」
ということ。
聞けば、使っている道具が違うらしい。
そのレストランでプリンを作るのは、実はプリン用のオーブンでも何でもない。半世紀近く使っているような歴史的な古さのオーブンらしい。
本来プリンを焼く用途のものでないから、無駄に庫内が広い。
「多分、昔はもっと違うものを、それ専用で焼いてたみたい」
半世紀も前の道具で、今のオーナーも、かつてどう使っていたのか、よくわかってない。
そのお店は、その特別なオーブンを使って、なんとも上手にプリンを焼き上げることができる。
なぜか。
そのオーブンに特化して、この方法なら絶対大丈夫と言うレシピを考案した先輩がいたのだ。
その老舗のレストランでは、代々そのオーブンで、そしてその特別なレシピで持っておいしいプリンを焼き上げてきた。
息子が聞いてきたのは、そのオーブンに特化したやり方だったから、今家にあるオーブンレンジだとどうにもうまくいかなかった。
しかし、偉いものだ。
庫内の広さとオーブン内部の温度を考え、余熱の時間も調整しながら、彼は彼なりに、わが家のオーブンで、失敗しないやり方を開発した。
何にしても、最初はこのように時間がかかる。
試行錯誤するのに、エネルギーが要る。
しかし、彼なりのレシピを考えついたときの息子の表情は、なんとも充実感が漂っていた。
人生の中で最も面白いのは、このようにあることをくわだてた場合の、初期の段階の楽しさだろう。
まずある計画を思いつく。やがてやる気に火がつくと、実際に行動に移る。
初めて意図して行動しているわけで、そこには必ず試行錯誤がある。
うまくいかなくて当たり前。時間も労力もそれなりにかかる。この時のタイパはとても、非・効率的である。
しかし、初期の段階の特有な【楽しさと興奮】、この味わいは他とは比べようがない。
息子が秘伝のレシピをメモ書きにして渡してくれた。
「うちのオーブンレンジだったら、このレシピで大丈夫と思うから」
後日、妻が体調の良い時に作ってみたら、やっぱりうまくいったとのこと。
このレシピで作るプリンはおいしい、と改めて言ってもらえるレシピだったと言うことだ。
先日、ある喫茶店でアイスコーヒーを注文しました。
アイスコーヒーは店によってかなり調合が異なり、レシピが違うと思います。
初夏のアイスコーヒーと真夏のアイスコーヒーとでは、ブレンドする割合が違うと聞いたこともあります。
お客さんがおいしいと思えるポイントをお店の人は配慮していくわけです。
そのお店のメニューには、
「アイスコーヒー始めました」
と、初々しいインクで書かれてありました。
5月に頼んだアイスコーヒーは、それはそれはとても爽やかでおいしかったです。
そこには、独自のレシピを作った方がいるんだなと、開発の風景に思いを巡らせるのです。
おそらく、これは食品業界、サービス業だけに限らず、どの世界にでも共通することでしょうね。
人生でこのような楽しみを体験できるのは、それこそ最高の幸福だと思います。








