30代転職組・新間草海先生の『叱らないでもいいですか』

We are the 99%。転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

学級づくりあれこれ

事件簿ファイルNo.8 「木の実を奪った事件」TくんAくん

Tくんが、Aくんの持っていた、ムラサキ色の木の実を、ぶんどりました。

ひったくった感じ、だそうです。

近くにたまたま居た、支援員の先生が、それを見ていたとのこと。
すぐに対応してくださっていました。


「なんで、とったの?」

「・・・」

「Aくんはとられてどんな気持ち?」

「いやだった」

「ほら、Tくん。いやだったって言ってるでしょう。何とも思わないの?」

・・・・・・

私が到着したときは、上記のような感じの対応でした。


Tくんが終始無言なのが、気になる。


私なら、どうするか、と考えた。

さて・・・・・・
ぶどう取り合いsc
続きを読む

Tくんの石拾い

Tくんが校庭で石を拾う話。



はあ。(ため息)

好かんなあ。

・・・と思ってしまいます。

「全校で、石を拾いましょう!」だって。

職員会議で、校庭の石が問題になった。

秋の運動会に向けて、今から石を拾うんだって。

「夏の酷暑、猛暑、それを避けまして、すずしい今の時期に、石を拾うことにしましょう」


わたしは石を拾うのは厭わないんだけど、すぐに脳裏に浮かんだのが、Tくん。

彼が、この計画に「きちんと」関われるかどうか・・・。



「Tくん、石を投げないで、ちゃんとやれますかね」

となりの先生に思わずつぶやくと、

「・・・(笑)」


苦笑い。


そりゃ、保証できんぞな、ということ。

つまり、「投げるんじゃないの」

ということであります。

わたしは、それがSちゃんや、R太くんの頭に当たりやしないかと思うと、気が気でない。


Sちゃんのお母さんと、R太くんのお母さんの顔が思い浮かんで、思わず、アッと叫んで、顔を伏せてしまいたくなる。




Tくん、ああ、Tくん・・・。



さ、どうなったでしょうか。ハッピーエンドですから、安心してお読みください。

続きを読む

「ないしょ話禁止法案」はクラス内に悲劇を生む!

1年生だから、なにをやっても楽しいですが、

最近は、

「ひそひそ話」

が楽しいです。


「ひそひそ話で教えて!」

といって、黒板の前に出てこさせ、

かがんだ私の耳をみせると、

みんな、得意がって、わたしの耳に口を近づけて、

「あのね、ごにょごにょごにょ・・・」




のこった子は、ほぼ全員、黙ります。

これが面白くて。

どうして、人間は、こういう発表の仕方をしている人をみると、

黙って、しげしげと、見るのだろう。

みんな黙って、見ているのです。

前に出ていった子が、言い終わって満足し、

私から離れて、自分の席にもどるまで、見届けるのです。



おそらく、人間の心理というのは、かなり単純なのでしょう。

隠すと、「見せて!」というのです。

そして、

「ほら、見てみて!これ、すごいんだから!」

と言うと、

「怪しいな」


と用心されてしまうのです。


これは、人間の心理の、おもしろい法則のように思います。




ところで、こういった場合に、気を付けなければならないのは・・・続きを読む

「怒るのと、叱るのと、しっかり区別をしてください」

「怒るのと、叱るのと、しっかり区別をしてください」

こういうのを、教員の研修でも聞く。

なんとなれば、近年、教員の虐待なんてのが話題になるくらいで、

教員の研修時においても、

「いらいらしたり、カッとなって、体罰に結びつくような言動は、厳に慎んでくださいよ」

ということを、指導せずにおれない社会情勢があるからであります。

そこで、

「叱る」

のはいいけれど、

「怒る」

のはいけない。

という論理でもって、指導に当たるわけです。


微妙な話になってきますが、

おそらく、教職員の指導に当たって、こんなふうな共通認識が要るのでしょう。


○叱る ⇒ 冷静な判断で注意を促すこと。だから、体罰に結びつきにくい

○怒る ⇒ 感情にまかせての行為。だから、体罰に結びつきやすい。




教員の側から子どもへの体罰を基軸にして、叱ると怒るを、区別したわけです。

ところが続きを読む

褒めも叱りもせず、何をするかと言うと・・・

子どもを褒めも叱りもしない、というので、

世間的には

「なにもしていないのね」

という感じ。

じゃ、そういう先生は、いったい何をしているのか。続きを読む

先生が出張だって!(居ない日に態度の変わる子)

研修その他で、出張する日もあります。

教員の研修は昔と比べて、比較にならないくらいに多くなりました。

教員が研修を受けている、と聞くと、多くの人は

「そりゃ、いいこったね」

と思うでしょう。

教員の不祥事がマスコミをにぎわせている昨今、

「ちっとは、先生たちにも、勉強してもらわんと」


という世論が、後押ししているのでしょう。研修機会がぐん、と増えました。




ところが、わたしが出張すると・・・・・・

「新間先生、出張多くない?」

「やめてもらいたいよね、なんで1年生の先生が出張ばかりなの。子どもをほっとかないでほしい」

という声も、ちらほら。

そうですよねえ、出張で補てんの先生が入る、という状況が、常にあればいいですが、現場は慢性的な人手不足。別の職員が補てんに入ることのできる大きな学校(職員数がもとより多い学校とか、都心部で非常勤の先生をたくさん抱えている少数の学校など)もありますが、日本全国を俯瞰してみれば、そうした恵まれた学校はごくごく一部。実際は、補てんに入ることのできない学校が、ふつうです。

私が出張すると、代わりに入った非常勤の先生が「ねんどあそび」をさせている、という程度のことになる場合もある。

したがって、保護者の間では、

「先生の研修も結構だけど、ともかくもうちの子だけは、しっかりとみてほしい」


と思うのも無理はない。

「先生、勉強熱心なのは分かるけど、出張は最低限にしてくださいよ」

ということを、目の前で直(じか)におっしゃる方も、いらっしゃいます。



さ、わたしが教室にいないので、非常勤の先生が、代わりにクラスに来てくださいます。

そのとき、子どもの様子はどうでしょうか。

そこに、なにが見えてくるかと言うと・・・。続きを読む

褒めない叱らない ~なまくら教育~

いったい大人は、なぜ褒めようと思うのだろう。

相手を喜ばせよう、という意図で、ほめるのだろうか?

子どもを喜ばせようというので、ほめるのだろうか?


そういう感じ、ある?
ちょっぴり、ある?

やっぱり、まったく、ない?



ほめると⇒喜ぶ

喜ぶから、褒める?

???


大人が子どもを喜ばせたい、というのは、いったいなんだ?

それ、子どもからしたら、

どういうことなんだろう。



なんで、喜ばせようと思うのだろうか。

子どもに、喜んでもらう、という意識が、もし、ホンの少しでもあるとしたら、あるのだとしたら、それはいったいなんだ?


怒られる子

続きを読む

先生、ほめるの上手ですね (え?ほめてません・・・)

1年生の担任なので、補助の先生がつく。

その先生が、

「先生、ほめるの上手ですね」

とほめてくれた。


1)いったいどんな場面を見て、そう言いたくなったのか。

2)ほめる、というのは、いったい私のどんな行動を見てそう思ったのか。

3)なぜ、上手だ、と言えるのだろうか。



たちまち、上の3つほど、疑問が湧いてきたが、最大の疑問は、

「ほめてないのにな」


ということであります。

続きを読む

「せんせー、○○くんが、ちゃんとやっていませーん」

クラスの女子が、ぼくを叱る。

このことに、ぼくは毎日、こまってる。

なんでうちの女子は、みんな、あんなふうに、ぼくを叱るのだろう?

大きな声で、しかりつける女子。

「Tくん!はやくしてよ!」

「Tくん!ここ、すぐに片づけてよ!!」



なんで、あんなふうに、うちのママみたいなんだ?

あの女子たちは!

それでちょっとランドセルをさわっただけで、話しかけようとしただけなのに、


「Tくん!やめて!むこう行って!」

だって。

まったく。続きを読む

防犯ブザーが鳴って怒られる

さすが1年生。

ぴかぴかです。

もちものが、新品!

防犯ブザー、というものがあります。

ランドセルにひっかけてありますが、それが、なにかの拍子に、鳴りだすことがある。

実は、ひもを引っ張ると、鳴る、という単純な仕掛けでして・・・



そして、なぜか、「鳴っちゃいけん!」という場面で、鳴りだす!!!

続きを読む

「あっ!先生が、あくびしたッ!」「え!」「ほんとだ!」

先生というのは、本当にたのしい商売。

子どもが全力で見つめてきますのでネ・・・続きを読む

叱らないのは、なぜ?

叱らない。

というときに、

なぜ、叱らないか、と

自分に、問い続けてる。


その、今時点の、感触なりを、子育て談話室等で話す機会もあったし、ちょうどよいタイミングで整理できたことは、とてもありがたかった。

ただ、そのまま、思考が止まらない。
ノンストップで、なぜか、ということが、頭の中を占めてる。

で。。。続きを読む

何で?と言うと、叱る空気がでてくるのは、なぜか。

「先生って、すぐ、なんでって聞くよね」

と子どもが指摘します。

あ、そうだね、とすぐに思いました。

自分でも、いろいろ聞いているなあ、と思うからです。



最近、気にしているのは、

「なんで○○するの?」

というと、なんだか、相手の行動にケチをつけているような雰囲気がちょっとするなあ、ということです。



こっちはその気がなくても、

「なんで?」

と聞くと、

(やっていけないことなのに!)
(おまえはまちがっているんだ!)


という前提があるような雰囲気になるのか?、

「なんでそんなことするんだ!」

と叱られた風に思うような子がいる。



非難めいた口調で言えば、より強く、責めたり非難したりする感じになるけど、まったくそうではなく、純粋に知りたくて、

「え、なんで今、そうしようと思ったの?」

と、かる~く聞いているつもりなんだけど、それでもやはり、気になる子もいるようで・・・


「なんでそうしたの?」

と聞くと、

ばつの悪そうな顔をして、なんとかうまい理由を言おうとする。

ちがう、そんな、理由の理屈を聞こうとはしてない。

理屈が知りたいのじゃなくて、本当にそうしようとした心のうち、というか、背景を知りたいんだけど・・・
続きを読む

「オレ、さみしくねえもん」がさみしい話

例のごとく、フェイスマークを使って、みんなの「こころ」を考えていた。

今の気持ち、今の心の状態、最近のわたし・・・







1年生でも、見事な集中。

やんちゃくんも、青ブレザーくんも、茶髪ベスト君も、みんな聞いてる。

そりゃそうか。
みんな、こりゃ気になる!って、感じだもん。

そこで、フェイスマーク5段階を、順番に、

「これ、どんなときかな」

と話していくと・・・。


一番さい後の、ざんねんな顔のところで、

Aちゃんが、

「さみしい時の顔~!」

と出した。

わたしも、

「そうだね~。さみしいときって、こんな感じかもね~」

と、その顔を指さしながら、言いました。

するとそこで、いきなり、私のハートがフルにビビッと

針がぐいーんと、揺れる発言がありましたっ!

わたしの耳に、聞こえてきたのは、このセリフでした。



「オレ、さみしくねえもーん」






これを発言したの、誰だと思われますか?

例の、「茶髪でベスト君」 だったのです!

このブログによく登場する彼ですが、またしても、登場っ!


きた!!!




これ、本当に、本当に、本当に・・・・

心臓が苦しくなるような、瞬間でござんしたヨ・・・。続きを読む

あの子、乱暴な子なんだよ!と教えてくれる子の心

1年生の担任になりました。

小さい。

見てるだけで、笑えてくる。



式が終わって、体育館を出るとき、目の奥を、見ました。
いちばん険しい目の子に、「グレーのベスト、かっこいい!」
と手をつなぐと、いっしょに手をつないでくれた。
ちょっと髪の毛が茶色くて、スポーツが得意な感じがします。

するとすぐ後ろから声がして、
「その子ね、保育園のときは乱暴だったんだよ」
だって。
青い、いかしたブレザーを着こなしている子。
その子が、すぐにそう言った。

聞いて、何を思ったか。
え、でも今はそうじゃないよね、と。
あと、なんでそんなふうにで、出てきたかな、と。

それで、そういうことを言う子も、青いブレザー君も、きっと手をつなぐかな、と思ったら、その子は、

「ううん。いい」

って言って、ちょっと離れました。

さて、どちらの子が、気になりますか?
グレーのベスト君?
それとも、青いブレザー?
何も、気になりませんか?

気になるとしたら、どんなふうに?続きを読む

「叱らないでやってみたくなりました」

子育て談話室。
5回目です。
続きを読む

なんでも好きなようにやらせる、との違い

「なんでも好きなようにやらせる」ではない。続きを読む

給食のときの机の配置で、びっくりされた話。

残念ながら、わたしは出張していたのです。

その日・・・。
代わりのG先生が、給食と掃除の時間だけ、わがクラスに来てくださっていました。

給食は、子どもたちが準備を進めます。




そして、ついに、G先生が目を見張る事態が。


なんと!!


給食を食べる机の配置が、てんで、バラバラだったのです!!!

続きを読む

2年間、叱られなかった子どもたち(インタビュー)

子どもたちに聞いてみました。

2年間、叱られない学級でしたが、どうだったか。

なんで、叱られないのに、きちんとやろうとするのか。続きを読む

刻苦勉励、叱咤激励、艱難辛苦・・・

人間の本来の目的は、向上だッ!!

刻苦勉励すべし!!

努力がいちばん役に立つ!




努力しないやつは駄目人間。

子どもだって、努力を覚えるべきだッ。

子どものうちに、努力に慣れておくべき。

努力しないと、高校に受からんぞ!!続きを読む

子どもの気持ちを聞き取る、ということ

学校でも事件は次々と発生しますが、怪我以外でかなり気をつかうのは、

○子どものもちものが壊れた時

かもしれません。

とくに、他の子の持ち物を壊したり、汚したりしてしまった場合だったときは特に・・・。

続きを読む

ゲーム機の自慢話をする子の心情

「ゲーム機の自慢話を聞いて、何が育つの?」


Dくんが、新しいゲーム機を買ってもらったのです。
それで、何人かの男の子たちは、みんなでDくんのうちに遊びに行きました。
Dくんのうちでみんなで遊んで、みんな満足した、とのこと・・・。

ところが、そのことを、Dくんが、朝のニュースでしゃべったのです。

うちのクラスは、毎朝、ニュースの時間があります。

「8時50分になりました。おはようございます。ニュースの時間です」

1時間目が国語のときは、たいてい、このニュースの時間があります。
わたしは別に無くてもかまわないので、無い日もありますが、
子どもたちの中で、どうしても言いたくてたまらない子がいると、

「先生、ニュースの時間させてください」

と言うので、やるのです。

やる気の子は、ニュースが待ちどおしくてたまらないようで、ニュースの時間になるのを心待ちにしていて、さっそく前に出てきます。

続きを読む

叱らないで済むシリーズ 【先生、ご飯が落ちてます】の巻

給食のときです。
配膳台の下を見た子が、びっくりして、


「先生!ご飯が落ちてます!」


と言いました。


このとき頭の中に、

「○○○○○○○○」

という思いが、湧いてきました・・・。さて、どんな???続きを読む

あの子が将来、苦労しないように、○○する

特別支援級に在籍するSくん。

かなり自由を謳歌しているように見えた。

1年生だったから、教室から飛び出すのは当たり前。続きを読む

子どもに言うことを聞かせようとして、○○する

「子どもに言うことを聞かせようとして、○○する」

ということが、よく、あるけど。。。続きを読む

安心で当たり前、という世界からみれば・・・

「教師は、学校で、子どもを大きな声で威圧して黙らせたり、威圧しながら指示を聞かせたりすることがあるが、それでいいか」

ということを、校長に聞いてみたら、なんと返答があるでしょうか。



続きを読む

朝、教室に入るときの、第一歩目に思う


これ、今朝、気が付いたことなんですが、

なにか、生まれたばかりの赤ん坊が寝てる部屋に、

そっと、足を踏み入れて、

様子を見てみよう、っていうときみたい。


朝、教室に入るときの心境って、

こんな感じだなあーって、自分で、ふと思ったのです。

続きを読む

「体罰の会」は体罰がないと動けない子を育てる


おそらく「体罰の会」にわが子を託したい、とねがう親は、子育てに絶望した方ではないか、と思う。

世の親が、一人でもその、「子育てへの絶望」を持ってしまう前に、地域コミュニティがやらなければならないことが無数にある。
「子育てへの絶望」を、その方の心に持たせてしまったのは、まったくもって地域コミュニティの責任であるし、その人をそうした親に育ててしまった、これまでの「教育」の責任でもある。「体罰の会」に託したい、という「親」に育ててしまった、これまでの「教育システム」全般が、猛烈な反省をしなければならない。
続きを読む

ぼくはぜったいこれじゃなきゃイヤ!


学級に、児童の祖母から差し入れが届いた。

なんとびっくり!

うれしいなあ。
地域がら、祖母の代から地元なんです、という方も多い。
家が三世代、という家庭もある。

いつも、孫がお世話になっています、ということのようで、手作りのお饅頭がパッドに敷き詰められて、届けられました。
ていねいに、2種類あることが見た目でわかるようになっている。


続きを読む

ランドセルをきちんと片づけない子


「ランドセルをきちんと片づけない」
で怒っていらっしゃる先生。

そんなもん、という気がするけどなあ。
(こう思っちゃ、だめなんでしょうねえ。教員の常識では)

私は甘すぎるのだ。

でも、どうしても、ランドセルをきちんと片づけない子を、強く叱責する気になれない。
これは、・・・なんだか、理由はわからんが、・・・できない。
そんなもん、どっちだっていい、片づけても片づけなくても、と言いたくなる。
続きを読む

記事検索
メッセージ

名前
本文
月別アーカイブ
最新コメント
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 累計:

プロフィール

あらまそうかい

RSS
  • ライブドアブログ