みんなが書き終わったのを見ていたら、ひとり、半紙の右側に名前を書いた子がいた。
みなさんなら、どうされますか?
わたしはとりあえず呼んで、いっしょに見ながら
「これ、どうする?」
ときくと、
「どうしたらいいですか」
ときかれた。
「みんな左に書いているから、へんに思われるかも」
というと、
「でも右でいいんなら」
という。
つまり、へんに思われようがなんとおもわれようが、平気だ、というわけ。
このあたりは大物です。
「気にしない?」
と確認すると、
「ええ」
とのこと。
で、結局、そのまま掲示しました。
ひとりだけ、教室で、半紙の左側でなく右側に名前が書いてあります。
「字を書いてみたら、右側がけっこう空いていたから」
という合理的な判断だ、と本人は理由を述べておりました。
しかし、いちおう、
左側に書くことに、書道の世界では、いちおうそうなっている。
芸術は、自分の作品の『終わり』に、署名するんだ、左側がおわりなのだ、ということも伝えました。
しかし、
「今回は最初に書きました」
という。
おそらく、書道の世界が千何百年以上(?)つづいているけれど、作品の冒頭にサインをしたのは初めてでしょう。
わたしがそれを言うと、目を輝かせて
「え!じゃ、ぼくが歴史上、最初の人間ですね」
と言った。
頬を紅潮させ、笑みまで浮かべている。
こんなに目をかがやかせられたら、教師の負けです。
教師は、目がかがやいていない子に対しては何か言えるかもしれないが、
ぴかぴかに目を輝かせている子には、文句をつけられない。
★写真は、朝陽にかがやいている大銀杏(おおいちょう)。
みなさんなら、どうされますか?
わたしはとりあえず呼んで、いっしょに見ながら
「これ、どうする?」
ときくと、
「どうしたらいいですか」
ときかれた。
「みんな左に書いているから、へんに思われるかも」
というと、
「でも右でいいんなら」
という。
つまり、へんに思われようがなんとおもわれようが、平気だ、というわけ。
このあたりは大物です。
「気にしない?」
と確認すると、
「ええ」
とのこと。
で、結局、そのまま掲示しました。
ひとりだけ、教室で、半紙の左側でなく右側に名前が書いてあります。
「字を書いてみたら、右側がけっこう空いていたから」
という合理的な判断だ、と本人は理由を述べておりました。
しかし、いちおう、
左側に書くことに、書道の世界では、いちおうそうなっている。
芸術は、自分の作品の『終わり』に、署名するんだ、左側がおわりなのだ、ということも伝えました。
しかし、
「今回は最初に書きました」
という。
おそらく、書道の世界が千何百年以上(?)つづいているけれど、作品の冒頭にサインをしたのは初めてでしょう。
わたしがそれを言うと、目を輝かせて
「え!じゃ、ぼくが歴史上、最初の人間ですね」
と言った。
頬を紅潮させ、笑みまで浮かべている。
こんなに目をかがやかせられたら、教師の負けです。
教師は、目がかがやいていない子に対しては何か言えるかもしれないが、
ぴかぴかに目を輝かせている子には、文句をつけられない。
★写真は、朝陽にかがやいている大銀杏(おおいちょう)。