元エンジニア・新間先生の自問自答ブログ

転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま小学校の教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

6年生で、「敬語」を学習します。
いわゆる、『尊敬語』とか『けんじょう語』とか、とよばれているものです。

ていねい語とは、「です」「ます」などをつけてていねいにする言葉。
けんじょう語は、自分の方がへりくだることで、相手を尊敬するようにする言葉。
尊敬語は、相手の存在や行動を立派だと尊敬するようにする言葉、です。

よくあるプリントの問題で、次の言葉を敬語にしなさい、というのが出た。

クラスでいっせいに取り組み、みんなで検討する。

問題に、

「おいしいカレーライスを食べる」

というのが出た。

一人の男子が、手をあげて、

「カレーライスを食べた」

と言った。


みんな、シーンとした。
もう一度言ってみて、というと、

「カレーライスを、食・べ・た・・・」

という。

ふだん、やんちゃで口の悪い男の子。
乱暴で、校長先生や教頭先生にもタメぐちだし、口癖は、「やりたくねェ!」であります。
この冬だというのに半ズボンで、いつも靴下をはかず、靴のかかとの部分を、ずっとつぶして履いている。

その彼が、

「食べた」

というので、女子が手を挙げて、

「食べます」

と別の言い方で言ってくれた。
です、ます、をつけているので、これが正解。ていねい語であります。

ところが、やんちゃくんは不服のようで、

「え?食べた、というのは、ていねいだと思う」

と言い張る。

つまり、彼によると、「食べた」は、オレの中では、十分すぎるほどていねいだ、というのです。
ふだんは、「喰った(くった)」だから、食ったを、ていねいにして、食べた、と。これは自分としては、最大に譲歩した形の、ていねいな言葉だ、というわけ。

「おれにとってみれば、最大級にていねいなんだけど。ダメなんか?」

女子は大笑い。

「ダメです。です、とか、ます、をつけたら、ていねい語になるからね。次からそうして」

わたしがいうと、やはりやんちゃくんはまだ不服。

「いやあ、ていねいなんだけどナァ。はらへった、は、おなかがすいた、でしょう? だったら、くった、を、食べた、というのは、ていねいなんだけど」

個人的な感想を認めれば、これは正しい。
ともかく、女子が笑っているので、やんちゃくんもなにかつられて笑いながら、席に座った。

すると、直後に、おずおずと一人の女子が、

「あー、わたし、カレーを食べたいです、にしちゃった」

と白状した。

「だって、おいしいカレーライスでしょ」

いや、これ、アンケートじゃないから。
あなたの正直な気持ちをきいているわけでは・・・。
だってこれ、・・・「敬語」の学習プリントですよ?

女子「だって、4時間目だったしさー。おなかへったから、つい食べたいですって書いちゃった」
男子「いや、敬語なら、へったじゃなくて、おなかがすいた、だろ!」
女子「食べたい・です、って、ちゃんと、です、がついてるからいいじゃん」

給食前の4時間目、学習プリントで、
「おいしいカレーライスを食べる」
という言葉を敬語に直す問題は、してはいかんですネ。

カレー
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット