困らない叱らない。新間草海(あらまそうかい)の教室日記

漂流する人生からつかんだ「困らない」生き方とは。
転職を繰り返し、高卒資格のまま小学校の教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

御所の北東を歩いていると、同志社大学の運動部の女子学生がいた。
どうやらこれから陸上?か何か、トレーニングを始めるところらしい。
同志社大学は御所のすぐ隣だから、この広い御苑の敷地が、格好の運動の場になっているのらしかった。

女学生たちは、走り出すタイミングを待っていたようで、だれもが真剣になって、アキレス腱をのばしたり、腕を振ったり、どうやら身体機能を極限まで高めるための準備に余念がない。

加藤さんはその女子学生の脇を通って、わたしにある場所を指さした。

IMG_3776


ここは、広大な京都御所からすると、ちょうど北東にあたる場所。
外側からみてみると、角が、ぼこっとへこんだような形になっている。
なにか変である。
こんな形になっていることなんて、ちっとも知らなかった。


わたしが不思議そうな顔をしているのをみて愉快そうに、

「どう?変でしょう?」

と、加藤さんはわたしを煽った。

こんなふうに、土地をへこませるのには、わけがあるようだ。
わたしは想像をして、

「わかりました。ここに、見張り番がずっといたのではないですか。角っこに2人とか3人とか、立っていて、見張っている係りの人が・・・」

加藤さんは、にこにこして私を見ている。
わたしは続けた。

「で、このスペースに、椅子か何か置いて、ちょっと水でも飲んだり、お弁当を食べたりしながら、見張ったのでは」

クイズ王はいたずらっぽく、「ちがいますねえ」と涼しい顔だ。

「ヒントは、方位です。北東です」

北東、と聞いてぴん、ときた。
古代より、方位、それも北東となれば、重要だ。ここは、鬼門なのか。なるほど。

「御所からすると、ここは鬼門ですね」
「その通り」

古代の人は、ようするに、鬼門をつくりたくなかったのだ。
北東の角を、きちんとつくってしまうと、そこから魔が入る。
だから、あえて、「北東の角」を「ぼかした(カドを取った=角ツノを取った)」。

それが、このみょうちきりんな、角の形状になったわけである。

加藤さんはその後、そこから屋根の上を見上げて、「おう、いたいた!」と歓声をあげた。

プロのガイドが見上げる、その先には・・・。(つづく)
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