元エンジニア・新間先生の自問自答ブログ

転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

今年の秋以後、映画界で話題になっていたのが、伝説のバンド、クイーンの実話を元にした映画、「ボヘミアン=ラプソディ」だ。

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そのリード・ボーカルにして、史上最高のエンタティナーと讃えられた、フレディ・マーキュリーの生きざまを映し出した、ミュージック・エンターテイメント。
すでに映画の世界では、あの不朽の名作、スターウォーズに匹敵するほどの動員数を稼ぐのではないかというから、凄すぎる。

ところで、落語界に目を向ければ、この年始のビッグイベント、正月初席がすごい。
1月3日の鈴本演芸場、第三部。これがいちばんのおすすめだろう。

ちなみに、ラインナップはこうなっている。
【 第 三 部 】
当日券発売:12時00分
開  場 : 17時20分
開  演 : 17時30分
終  演 : 20時40分
----------
17:30
曲  独  楽 三  増 紋之助
落     語 林  家 たけ平
落     語 柳  亭 燕  路
音 曲 漫 才  お  し  ど  り
講     談 宝  井 琴  調
18:10
漫     才  ホンキートンク
落     語 五街道 雲  助
落     語 春風亭 一  朝
落     語 桃月庵 白  酒
粋     曲 柳  家 小  菊
落     語 柳  家 権太楼
お仲入り 19:10
壽  獅  子  太 神 楽 社 中
落     語 柳  家 小三治
も の ま ね 江戸家 小  猫
落     語 柳  家 喬太郎
紙  切  り  林  家 正  楽
落     語 柳  家 三  三
20:40

ここまで見事な演目構成を、思う存分楽しめるとあれば、行かない理由が見つからない。
まさに、クイーンの『ボヘミアンラプソディ』を超える、稀代のエンターテイメント・ショー、である。

このうち、背筋を伸ばし、たたずまいを直して見なくてはいけないのが仲入り後の、柳家小三治だろう。すでに80代に入ろうかという師匠の、そのご尊顔をうかがうだけでも、価値のあるチケットになる。

小三治さんで正統な古典落語を聞いて、心境を整え、新年のあたらしい出発を心に誓うことが叶うのだから、落語ファンならずとも、日本人なら全員が行って当然だと思う。

そしてそれだけではない。師匠のあと、柳家喬太郎がでる。あの、陽気な顔を見られるだけでも『福』が舞い込んでくる気がする。
さらには、紙切りの正楽師匠も出る。
あの、とがった鋏(はさみ)をどう使うか分からないから、危険な香りがぷんぷんする師匠だ。あまり近くの席で見ないほうがいい。下手なホラー映画よりももっと怖い。だが、その怖さを間近で体感できるとあれば、行かないわけにはいくまい。

振り返ってみると、大御所の小三治師匠に至るまでの、道のりが、心憎い。
最初は、曲独楽の三増紋之助さん。
正月のめでたい気分を、さっくりと味あわせてくれそうだ。
会席料理のコースでいったら、先付、お通しにあたる。
まずはさっぱり、上品な赤貝の酢の物、といった感だろう。

次に落語、林家たけ平。こぶ平の弟子だが、小朝の指導も生きている本格派だ。
料理で言えば、前菜・小鰭(こはだ)、という感じ。
塩と酢で締めたやつは、口中がさっぱりとしながら味がある。

その後、柳亭燕路、おしどり、ときて、講談・宝井琴調(たからい きんちょう)だ。
琴調さんは、年末になると「暮れの鈴本 琴調六夜」として、鈴本の夜をしきっている重鎮。
五代目(先代)の馬琴さんが師匠という、本物の正統派であり、今の講談界でもっとも実力のある人だろう。

ここで、ちょっと、吸い物、お刺身、と一気に出てきた感がありますね。

大物を味わったあとで、ホンキートンクの漫才を軽く味わう。
これもまた、洒落ていますな。
その後、落語のオンパレード。たぶん、顎がひきつるくらい笑えるでしょう。

五街道雲助
春風亭一朝
桃月庵白酒
柳家権太楼
と。

次から次へと、舞台にのぼってくる、じいさんたちの顔。
これでもか、これでもか、と眺めることができます。
年を取った男の人の顔というのは、なぜこうも、味があるのでしょう。
歴史というものは、なかなか理解できないものですが、パッとみて感じるのにこんなにうってつけのものはありません。すなわち、じいさんの顔です。60分もずっと長い間、お年寄りの顔をみていれば、時の流れ、というものをきちんと理解することができるはずです。

さて、仲入りには必ずトイレに行きましょう。
そして、かならず手を洗い、うがいをして、身を清めます。
懐(ふところ)にしのばせてきた塩を口にふくみ、気持ちを静め、集中します。

ホールの廊下を静かに歩き、座席へゆっくりと座ったら目を閉じて、深呼吸しておきます。
目はまだしばらくつむっておきましょう。仲入りが終わり、出囃子が聞こえます。
出囃子の音を聞きながら、

「今は江戸時代だ、江戸時代だ、江戸時代だ」

と、3べん、唱えましょう。

そして着てきた和服のたもとから手を入れて、襟がたるんでいないかチェック。
もしかしたら小三治師匠と目が合うかもしれません。これは、まさかのときのための準備です。
最後に、深く息をしながら、ゆっくりと目を開きます。

きこえてくるのは、・・・小三治師匠の出囃子、『二上りかっこ』。
あの、軽妙なリズムが聞こえてくるだけで、胸をうつものがありますね。

さあ、あなたの目に映るのは、あの、小三治師匠です。
蒸し物、焼き物、煮物、ご飯もの、すべてを凌駕する、メインディッシュは、この方でしょう!

kosanji
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