ともかく討論にしたい。
脳が活性化するからだ。
それも、「AかBか」くらいの簡単な。
簡単にするワケは、だれもが議論に参加できるから。
ラーメンかうどんか、どっちが好き?
こういう類の質問になると、子どもたちはどうにも止まらないほど、意見を言おうとする。
「聞いて!聞いて!」という感じ。
これを、授業中にやりたい、と、こういうワケ。
①学習課題はシンプルに
②登場人物と自分との比較をしながら「課題」を見つける
とくに②が大事で、自分たちが考えたくなった問題であればあるほど、意欲が増す。
先生が「考えてみよう」と投げかけたものでも大丈夫だけど、自分たちで
「なんでだ?」となった問題は、とことん考えようとする。
〇ランキングを考える方法
6年生の歴史の授業で、
縄文から弥生への、一番大きな変化といえば、多くの子からは「稲作」が最初に出てくる。
ところがあれこれ討論するうち、一番大きな変化、というところにこだわると、
「うーん、渡来人が来た事、そのこと自体が大きいんじゃないの?」
という子も出てくる。
結局、
・金属器の伝来
・縄文式土器から弥生土器になったこと
・新しいタイプの墓
・集落の設計
たーくさん、意見が出て来て、決めきれない。
しかし、決めきれなくても、その過程の討論がすこぶる面白くて、ためになる。
子どもが「あーあ、おもしろかった」と言う授業になるのでありました。
「大造じいさん」でも、ランキングを決められないかな・・・。
うん、できますね。みなさんご想像の通りです。
「作戦のランキング」が思い浮かびました。
例の作戦について、です。
①ウナギつりばり作戦
②タニシばらまき作戦
③おとり作戦
これで、
「準備がたいへんだった作戦のランキング」を考えましょう。
やってみました。
第一位は、これもまあ大半の子が手を挙げたのですが、やはりタニシばらまき、これでしょう。
なにせ、タニシをどっさりと、つかまえなければならない。
つかまえた大量のタニシを、蓆を編んだ米俵とか何かにぶちこんで保管しておくだけでもそうとう大変だろう、と。
そしてそれを、沼地に運び込んで、どっさりとばらまいておかねばならない。それも数か所に。
第二位は、ウナギつりばり、でした。これも、タニシの中に、ごく少数の罠をしかけるのが、大変そうであります。それも、「釣り針」を仕掛けるのですから。うっかり手に刺してしまいそうです。
おとり作戦は、それほどでもなかろう、と。第三位です。
クラスの38人のネームプレートを黒板にびっしりと貼り付けて、
だれが、どのランキングを支持しているか、明確にします。
これは、明確にすべきです。
「わたしはぜったいに、こう思う!」
と言い切ることに、人間はどうやら興奮を覚えるようであります。
だから、幾種類かのランキングのタイプを黒板に明示して、子どもの名前を全員、貼ります。
すると、がぜん、教室の空気が、いっきに活性化してきます。
おどろくほどの変化です。ふだん仲の良い女の子どうしも、ここはゆずれませんで!という感じで、AちゃんもBちゃんも、同じ意見になりません。
「ええ??Bさん、Aさんと、意見が違うじゃん?」
だって、BさんとAさんは、いつだっていっしょ、トイレもいっしょ、服もおそろい、音楽会で選んだ楽器もいっしょ、ダンス教室もいっしょ、英会話教室もいっしょ、なんでもいっしょなのに。
わたしが心配して聞きますと、
「はい。ちがってもいいでしょう」
と涼しい顔。
「Aさんとわたしは、別の人間ですから。意見がちがって当然です」
こうなってくると、教室のみんながびびるほどの迫力が出てきます。
「わたしは、おとり作戦が1位です。だって、ピューッと口笛ふいたら、大造じいさんの肩に、とまるんですよっ!!あの重そうなガンが、肩にとまるんです。それほどに手なずけるまでに、どれだけのじいさんの涙ぐましい努力があったか・・・」
Bさんの声が、心なしか、ふるえています。
「だから、わたしは、おとりが1位です!鳥さんを手なずけるまでの苦労、これが一番!じいさん、めっちゃ大変だったと思う。なにか文句あります?」
ふだんはBさんとAさんのコンビぶりをからかっている男子たちも、この剣幕の前に、ホワイトのうさぎのようにぷるぷる震えて小さくなっています。
キーン、コーン、カーン、コーン・・・
男子がうさぎになったところで、授業が終わりです。
さあ、明日が楽しみです!
脳が活性化するからだ。
それも、「AかBか」くらいの簡単な。
簡単にするワケは、だれもが議論に参加できるから。
ラーメンかうどんか、どっちが好き?
こういう類の質問になると、子どもたちはどうにも止まらないほど、意見を言おうとする。
「聞いて!聞いて!」という感じ。
これを、授業中にやりたい、と、こういうワケ。
①学習課題はシンプルに
②登場人物と自分との比較をしながら「課題」を見つける
とくに②が大事で、自分たちが考えたくなった問題であればあるほど、意欲が増す。
先生が「考えてみよう」と投げかけたものでも大丈夫だけど、自分たちで
「なんでだ?」となった問題は、とことん考えようとする。
〇ランキングを考える方法
6年生の歴史の授業で、
縄文から弥生への変化ランキングを考えるという授業をしたことがある。
縄文から弥生への、一番大きな変化といえば、多くの子からは「稲作」が最初に出てくる。
ところがあれこれ討論するうち、一番大きな変化、というところにこだわると、
「うーん、渡来人が来た事、そのこと自体が大きいんじゃないの?」
という子も出てくる。
結局、
・金属器の伝来
・縄文式土器から弥生土器になったこと
・新しいタイプの墓
・集落の設計
たーくさん、意見が出て来て、決めきれない。
しかし、決めきれなくても、その過程の討論がすこぶる面白くて、ためになる。
子どもが「あーあ、おもしろかった」と言う授業になるのでありました。
「大造じいさん」でも、ランキングを決められないかな・・・。
うん、できますね。みなさんご想像の通りです。
「作戦のランキング」が思い浮かびました。
例の作戦について、です。
①ウナギつりばり作戦
②タニシばらまき作戦
③おとり作戦
これで、
「準備がたいへんだった作戦のランキング」を考えましょう。
やってみました。
第一位は、これもまあ大半の子が手を挙げたのですが、やはりタニシばらまき、これでしょう。
なにせ、タニシをどっさりと、つかまえなければならない。
つかまえた大量のタニシを、蓆を編んだ米俵とか何かにぶちこんで保管しておくだけでもそうとう大変だろう、と。
そしてそれを、沼地に運び込んで、どっさりとばらまいておかねばならない。それも数か所に。
第二位は、ウナギつりばり、でした。これも、タニシの中に、ごく少数の罠をしかけるのが、大変そうであります。それも、「釣り針」を仕掛けるのですから。うっかり手に刺してしまいそうです。
おとり作戦は、それほどでもなかろう、と。第三位です。
クラスの38人のネームプレートを黒板にびっしりと貼り付けて、
だれが、どのランキングを支持しているか、明確にします。
これは、明確にすべきです。
「わたしはぜったいに、こう思う!」
と言い切ることに、人間はどうやら興奮を覚えるようであります。
だから、幾種類かのランキングのタイプを黒板に明示して、子どもの名前を全員、貼ります。
すると、がぜん、教室の空気が、いっきに活性化してきます。
おどろくほどの変化です。ふだん仲の良い女の子どうしも、ここはゆずれませんで!という感じで、AちゃんもBちゃんも、同じ意見になりません。
「ええ??Bさん、Aさんと、意見が違うじゃん?」
だって、BさんとAさんは、いつだっていっしょ、トイレもいっしょ、服もおそろい、音楽会で選んだ楽器もいっしょ、ダンス教室もいっしょ、英会話教室もいっしょ、なんでもいっしょなのに。
わたしが心配して聞きますと、
「はい。ちがってもいいでしょう」
と涼しい顔。
「Aさんとわたしは、別の人間ですから。意見がちがって当然です」
こうなってくると、教室のみんながびびるほどの迫力が出てきます。
「わたしは、おとり作戦が1位です。だって、ピューッと口笛ふいたら、大造じいさんの肩に、とまるんですよっ!!あの重そうなガンが、肩にとまるんです。それほどに手なずけるまでに、どれだけのじいさんの涙ぐましい努力があったか・・・」
Bさんの声が、心なしか、ふるえています。
「だから、わたしは、おとりが1位です!鳥さんを手なずけるまでの苦労、これが一番!じいさん、めっちゃ大変だったと思う。なにか文句あります?」
ふだんはBさんとAさんのコンビぶりをからかっている男子たちも、この剣幕の前に、ホワイトのうさぎのようにぷるぷる震えて小さくなっています。
キーン、コーン、カーン、コーン・・・
男子がうさぎになったところで、授業が終わりです。
さあ、明日が楽しみです!