衝動的にしゃべる、という子。
わたしもかつてそうであったなあ。自分の子どもの頃を思い出すよ。
今でも嫁様に「ようしゃべる口だねえ」と呆れられているし、どうにもとまらないのだからね。

〇順番が待てずに順番を抜かす子。
これは、ちゃんと待っていれば、やがて自分の番がめぐってくる、と安心させることが要る。

〇説明を聞かずにやりはじめて失敗する子。
最後まで聞くと、成功しやすい、ということを『成功体験』で理解させる。

このあたりをゲームで身に着けていくやり方はいろいろと考案されているが、先日やったのは、高学年にしては初歩的なもの。順番待ちゲームだ。しかし、単純で理解しやすく、短時間でやれるものの方が、実は高学年向きだ、という気もした。


【順番待ちゲーム】
社会科で米作りを学んだ。
種もみから苗づくりをするところから始まり、育苗、代かき、雑草とり、中干しなど、行程を確認できる資料をみながら、「社会科米作り・すごろく」をつくる。
このすごろくが、実に、『順番待ち』に最適なのだ。
1)社会科ですごろくをノート見開き2ページ分につくらせる。
2)絶対にいれるべきマスとして、『一回休み』をつくる。
  たとえば、日照りが続いた1回休み、など。
3)しかし、その1回やすみのマスに止まった場合は、一回休んだ次の回に、2度サイコロをふれるようにする。つまり、休んでもリカバリーがきく。(このことでキレなくてもいい、と考える)
4)途中で、『質問カードに答える』というマスもつくっておく。
5)たとえば、「もし授業中に消しゴムを忘れたことに気づいたらどうする?」とか、「音楽室からもどってくるとき、忘れ物をした。友達が気づいて持ってきてくれたとき、友だちになんと言う?」など、生活に関わるルールの札。また、「九九の8の段を高速で言おう」や「四字熟語を2つ言う」とかの教科に関わるものなど。
6)終わった時に、「1番で勝った人?」と聞かず、「順番を守れた人!」と聞く。

順番ひとつで、喧嘩も起きれば、殴り合いも起きる。
常日頃から、『待つこと』を意識する生活にしていく。

そのうち、だいぶ衝動性も少なくなってくると、本人が過ごしやすさを実感するようになる。

「だいぶ、落ち着いて楽しんですごすようになってきたね」
「じっくり考えて行動できるようになってきた」
高学年だから、だんだんとその気にさせていくのもいい。
「落ち着いてきたので、判断を間違えないようになった、自分が本当に選びたいものを選べるようになってきた」
これ、本人が実感しているときに周囲もそれを認めていくといいよね。
少しずつ、自己肯定が進むと感じています。

しかし、一番大事なのは、ともかくもクラスの人間関係。
大好きな友達が相手なら、待てる、待てる。
なんにも問題ないんだもの。

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