人間は 
ちんあなごのように
上を見て 下をみて ナナメ上をみあげる

人間は
ちんあなごのように
ゆらゆらと じっとして 少し動こうとして


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いつも足元をみられないように
大事なところはいつもかくして
せいいっぱい 顔だけは出していようと

遠くの未来と 遠くすぎさった過去を見たいと
ゆらゆらと 定まらない視点で 目だけは懸命に見開いて

まばたきは するものか
まばたきは するものか と



わたしは はたして、見ているのだろうか
わたしは 見ていると思っているだけ、だろうか
わたしは なんのために
まなこを 
けんめいに まなこを
ひらいていれば 見えるはずと



なんのために 見開いていく
ああ、なにも映りはしない
なあにも 波間にゆれているだけ
なあにも 波間に ただ ゆれているだけ

人間は ちんあなごのように
ただ、観なければならないと
精いっぱい、見開いていなければならぬと

歩くことのできる足と
泳ぐことのできるひれと
仲間にハグできる勇気を

いつか思い出すことができるだろうか
ああ 人間は

chinanago