困らない叱らない。新間草海(あらまそうかい)の教室日記

漂流する人生からつかんだ「困らない」生き方とは。
転職を繰り返し、高卒資格のまま小学校の教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

★第一場面★
「Aくんが、ちょっと不思議な感じと言ったけど、どこかわかる?」
  最初の場面に限定して、問う。
  おばさんと子馬に手をふると、春花は歩きだした。歩きなれた通学路だ。けれど、まるで知らない道を歩いているような気がしてくる。


ここ、気になるよね。
歩きなれた通学路なのに、はじめての気がしてる。
なんでだろう?

発問。(春花の感じた)知らない気がしてくる、というのはどういう感じか。

人生でも初めてのこと。
これまでやったことがない。
どうしたらいいか、わからない感じ。

★第二場面★
次の日の放課後、牧場のさくのそばへ行くと、前の日と同じところに子馬がいた。春花は、子馬をながめながら待った。もしかして、勇太は来ないかもしれないな。
なめらかなたてがみ。真っ黒な目。時間がいつもよりゆっくりと流れていく。

Bくん。「なんで時間がゆっくりなのか」

時間がゆっくり、と作者が書いているけど、本当はどういうことを読者に伝えたいんだろうね。
主人公春花の心の中は、今、どういう状態なんだろう?

目の前の馬に、夢中な感じ。
馬をずっと見ていたい気持ち。
馬ってなんでこんなに目がきれいなんだろう、って思ってる。
馬の気持ちを想像しているところ。

「いいんですー。それなら、しかたないですね。」
春花は、子馬の鼻にふれたまま、明るい声でそう答えた。勇太と陸は、何も言わない。二人とも、こまったような顔をして、春花の方をじっと見ていた。

Cさん。「春花にとっては、すごくざんねんなことなのに、なんで明るい声で答えたのだろう」

もうつけても仕方がない名前を言いたくなかったから。
明るく言わないとなぐさめられてしまうと思ったから。
迷惑をかけたな悪いな、とおばさんに思ってほしくなかったから。
おばさんを責める感じになっちゃいけないと思ったから。
勇太と陸に、落ち込んでいると思われたくなかったから。


ここは、さすが高学年ならでは、の意見がたくさん出てきた。
本当はショックもあるし、なんだ、残念、という感情もあるだろうに、
せめて明るく振舞う、そう見られるようにふるまう、ということが、
高学年のこの子たちにも、ふだんあるのだろう。
同じような体験を持っていたり、想像できたり、するんだろう。

この発問は、かなり子どもたちの発言があった。
ここに、春花と勇太の関係の移り変わりを予感させるテーマが潜んでいると思う。




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