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問題:暖房した部屋の空気を測ると、場所によって違いがあるだろうか。

①ほとんど同じ
②Aの方が高い
③Bの方が高い

理科実験空気のあたたまり方



先に、金属のあたたまり方、そして水のあたたまり方、を学習している。

1)金属では、徐々に火元に近い部分から熱が伝わり、周辺へと広がっていく。
2)水では、あたたかい水が周囲の水よりも軽くなり、上へあがっていく。

今回は、金属でもなく、水でもない。空気のあたたまり方、を調べている。

1)の金属の学習を思い浮かべる子は、問題の答えを、Bだと答える。
なぜなら、近いから、である。実際にイラストを見て、ストーブからの距離を測ると、あきらかにAよりもBが近い。だから、と考えるのである。

2)の水の学習を思い浮かべる子は、逆に答えをAだと答える。
空気も水のようにあたたまると、周囲よりも軽くなって上へあがっていくんだ、と考える。


4年生では意見が分かれる。
なんとなく、空気も水と同じと考える子が少し多い。

「先生、家でもね、2階にあがるとちょっとあったかいんだよ」
「ストーブでやかんを上に置くでしょう」
「それは、ただ単に置きやすいからなんじゃないの」
「電子レンジの上は別に熱くないよ」
「ああ、そうか」

みんな、なんとなく混乱している。
小学校では、なんとなく全員、混乱しながら授業が進むのである。
だから、教員も、子どもたちに合わせるべきである。
教師もどことなく不安そうな表情を浮かべつつ、
え、ちょっとちょっと、えー、どゆことなんだろうか・・・
という顔で、授業を進めるのがヨイと思う。


一人が、気球のことを言った。
なんと、その子は、以前、気球に乗ったことがあるんだそうな。

「すごいうるさい音でずっと火が燃えてたけど、中の空気をあたためて軽くする、みたいなことを言ってた気がする」

うーん、なるほど。
kikyuu


実際に、みんなで測ってみよう。
全員分、合計40本の温度計を理科室から借りて来て、一人ひとり、全員に持たせた。
教室のストーブを焚いて、実験開始。

まずは、B地点。思い思いに、自分の席の周り、地面にすれすれのところを測る。
床に座ったからか、なんだか冷たい気がする。
「けっこう、寒いよ」
「すーすーする」
「廊下のドア、も一回、ちゃんとしめて」
なんだかお互いに、いろいろと言い合ってる。


次に、A地点。
どうやって測ろうか?

「みんなで自分の机の上に立って、ばんざいして測ろう」

そうする。




すると、ネ。

もう机の上にたった瞬間に、子どもたち、げらげら笑いだしました。

だって、机の上に立って、ばんざいしたら、わかっちゃったもん。

「すげえ。教室の上の方のくうきって、あったか〜い」

みんなで腕をバサバサ振って、このへんの空気、あったかいー、としばらく笑い合う。

ここまでで、ちょうど45分。