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お隣さんを、責めない。

責めたくなったとしても、責められない。

システムとして、責めることにならない。

そんな状況をどうにかつくって、自分の気持ちを観察することって、

できないかなあ、と思って。

ふと、思い出しましてね・・・。

教室で、こんなゲームをしました。




正式にはなんというゲームなんだろうか。

幼い時、実は姉といっしょに、何度もやったことのある遊びなんだけど・・・。

実に、思い出したのは、40年ぶりくらい?

1) お隣さんと、ペアになります。

2) ふたりの間に、紙を置きます。

3) 二人とも、それぞれえんぴつを持ちます。

4) お題を先生が出します。(動物、とか、お料理、とか、ざっくりしたお題です)
そのお題をもとに、各自で、何を描こうか、心の中で決めます。
相手に、何を描こうと思っているのかを、伝えてはいけません。ナイショです。
そして、先と後、描く順番を決めます。

5) 先の子が、なにかを書こうとして(たとえば、お題が動物なら、パンダとか)、「ひと筆」で書けるだけの、かんたんな一つの線を書きます。
ところが、その線は、たったの1本しか、書いてはいけない。
また、ゲームの最中は、いっさいのおしゃべりをしない。
えんぴつの先が、少しでも、一回でも紙から離れたら、選手交代。

6) 後の子が、自分も何かを書こうとして、先の子の線に加えるようにして線を書き足します。(お題が動物なら、キリンでも書こうと思いながら、ネ)

7) 交代に、少しずつ、絵を完成させます。

8) 途中で、相手が書きたいものがわかったら、譲歩して、そっちに合わせることもできます。

9) できるだけ、くわしく、それらしく、完成するまで描きます。

10) 制限時間で、途中でもストップします。


このゲームのおもしろいところは、ここから。

11) その後、会話をします。最初、何を描こうとしたのか。お互いに紹介します。
また、次の線はなにを描きたかったのか、その時のねらいや意図を教え合います。
「本当は、ここで、こう描こうと思った、こう描きたかった」 と、できるだけ伝え合います。


すると、会話の端々に、

「えっ!」

とか

「まさか」

とか

「こうだと思ったのに!!」

とか、出てきます。

どんどん、言い合います。

言えば言うほど、なんだか、不思議な気分になってくるのをお互いに楽しみます。

ルールとして、お互いの気持ちや意図は教えてはいけないことになっていますから、
相手の意図が、分かるわけがないのです。
たとえ、仮に、相手の意図が分かった、とこっちが思ったとしても、そうだという確証もないし。

つまり、

「自分が勝手に、そう思っていた、期待していた、判断していた、そうしてほしいと思っていた」

ということを、言い合うのです。

で、言えば言うほど、

「それは分かるはずのことでなく、分からないのが本当で、分かることはありえない」

ということを、お互いに、しっかりと確認することになるのです。



これじゃあ、相手を責められないでしょ?




さらにいうと、その中に、微妙に、自分の気持ちが通じたんじゃないかな、という線が、1本くらいあるんですわ。

で、その線を見つけると、とっても目がハートになるくらい、

Me, too !

という感じになって、とっても楽しいわけ。二人で、ゲラゲラ笑い続けます。楽しい時間です。

「Sちゃんの、この線、超うれしかった〜」



あとで見せてもらうと、きりんカバ、とか、みみずく犬とか、ひよこワニとか、

妙な動物がたくさんできていました。

やさしい女の子が、

「Aくんはぜったい最初、カバを描いてると思ったから、わざわざ親切に牙(きば)をつけてあげたら、本当はきりんだったから、変なきりんになった」

と言って、3分くらい笑い続けておりました。

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