元エンジニア・新間先生の自問自答ブログ

転職を繰り返し、漂流する人生からつかんだ「天職」と「困らない」生き方。
高卒資格のまま愛知の小学校教員になった筆者のスナイパー的学校日記。
『叱らない で、子どもに伝え、通じ合う、子育て』を標榜し、一人の人間として「素(す)」にもどり、素でいられる大人たちと共に、ありのままでいられる子どもたちを育てたいと願っています。
生活の中の、ほんのちょっとした入り口を見つけだし、そして、そこから、決して見失うことのない、本当に願っている社会をつくりだそう、とするものです。
新間草海(あらまそうかい)

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Fさんが、

「先生、給食のおかわり、ルールを変えませんか」

と話しに来た。


4年生になったらルールがなくなっちゃったので、
復活させたい、と言う。

「3年生の時と同じルールがいいです」


それは、おかわりルールというべきもので、
おかずを減らした人は、おかわり禁止とする

というルールなのだそうだ。


なぜそう思ったのか。

先日のこと。
給食のデザートで、フルーツポンチが出た。

隣の席のSくんが、あろうことか、他のおかずをかなり減らした。
野菜とお汁をかなりの量、減らしたらしい。

Fさんは、そのとき、

「Sくん、今日は食欲ないのかなあ」

と思ったそうだ。


しかし!

おかわりの時間になったとたん、Sくんはすぐに行動し、余っていた

フルーツポンチを、お皿の上に山盛りにして、喜び勇んで席にもどって、

「どや!フルーツの大盛り!」

と言った。



Fさんは、許せないと思った。

「だって、フルーツポンチをたくさん食べたいからって、野菜を減らすのは、ダメでしょう?」


そこで、3年生のときのように、クラスのルールをきちんとしたい、というのだ。

「野菜を減らした人は、おかわり禁止にすればいい。そうすれば、みんな野菜も食べて、本当に欲しい人だけがおかわりをすることになる」

Sくんのような、不当なフルーツポンチの享受をゆるしてはならない、ということらしい。




「わたしがおかずを食べ終わって、フルーツポンチのところに行ったら、少なくなっていたもん」

Fさんが、Sくんを恨む気持ちもわかる。

Sくんは、何でもダイレクトに大声で反応するタイプ。
フルーツポンチを遠慮して、少なくするなんてことは絶対しないタイプだ。

「わー、フルーツポンチ!!!たくさんゲットーーー!!」

それを、隣の席にも、うしろの席にも、前の席にも、斜め前の席の子にも、
みんなに見せたくなる、そういうお人柄。

「ほらみて!山もり~ッ♪!!」




Fさんが、フルーツポンチの恨みを忘れることは当分、なさそうだ。

「ねえ、先生。公平なルールをつくった方がいいよ」

「あ、そう。そうかなあ」

わたしは、腕組みをして考える。

「フルーツポンチ、人気だものねえ」

「そうだよ、みんなだって、Sくんはとりすぎだって、言ってたよ」

「うははは」

わたしは、つい大声で笑ってしまう。

Fさんの、フルーツが食べたい気持ちが、痛いくらいに伝わってくる。




「よし、わかった。今度、フルーツポンチが出たら、Fさんに大盛りにしてあげよう」

「え、ほんと。でも、みんなから、ずるって言われる」

「いいよ。先生の分をあげるから」

「わーい」

これで、もうご機嫌で、すっかりルールのことなんて、言わなくなりましたぜ。

「今度、フルーツポンチが出たら、おかわり欲しい人がどのくらいいるか、みんなに聞いてみてからにしようね」

「うん」

fruit_punch


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