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今の若い先生たちは、漫画 『釣りキチ三平』 を知っているでしょうか。
この中に、有名な脇役として、
「毛鈎(ばり)山人(さんじん)」
という方が、出てきます。
毛鈎(疑似餌)を使って、魚を釣るのですが、毛鈎山人は毛バリづくりの名人。
この方、すごい術を使います。
見ててくださいね!
ほうら。
徐々に、周囲の石と同化していくでしょう。
山人は、魚に一切、気配を感づかれることなく、この石化けによって大自然と一体となり、外敵の動きや影に敏感なヤマメをがんがんと釣り上げる。
これが、山人の究極の釣り技「石化け」です!!
実は、わたしが高校生の頃のこと。
このような術を使う生徒が幾人か、存在しました。
そして、授業中にぜったい、教師に当てられまい、とする。
呼吸を止めるなどして「気配を消す術」を身につけた生徒は、教師から当てられることがない!
気配を消す、というのは実は意外と難しく、わたしが思うに、幼少の頃から修行をしなければ、身につける事は困難だと言えます。
習得には、英才教育、もしくは、生まれ持った資質が必要です。
わたしは、20代のころ、特殊な英才教育によってこの特技を習得しました。
鶏小屋に入り、そーっと鶏をつかまえるとき。
豚をつかまえるとき。
牛をつかまえるとき。
人生の中で、生きた鶏や豚や牛をつかまえなければならない、という場面は、そうそう、めったにあるものではございません。
しかし、どうしてもあと残り30分で、100羽近くの鶏を、籠につめなければならない、という場面も、長い人生、一度くらいあるものです。
わたしはそのような英才教育と自己鍛錬によって、「気配を消す術」を身につけました。
気配を消す、または気配を断つとも言えますが、これを覚えると30分でも1時間でも動かずに、じっとしていられる事が分かりました。
わたしは、30分間、じっとして気配を消すことができます。
教室の中で、
「あれ?先生、いたの?」
と、子どもたちを驚かせるくらいのことは、朝飯前です。
じっとしてみると良く分かりますが、動けない5分は永遠とも思える長さです。それなのに、30分以上も動かないようにするには、何かしらの技が必要となります。
ポイントは、ずばり、呼吸です。腹式呼吸です。
できるだけ静かに呼吸をします。止められるなら息を止めます。そして周囲に気を配ります。
肉体から精神を外していきます。
いいですか。大事なところなので、もう一度。
肉体から精神を、徐々に外していきます。
すると、周囲をしっかり見つつ、抜け殻となったような自分になれます。
これが気配を消す第一歩です。
毛バリ山人のように、石となり、木となり、草となるのです。
大自然と一体化したとき、教室の中でじっと呼吸を殺し、
教師にぜったいに当てられないように気配を消す生徒の、
その小さな、微細な動きまで、見逃さないことができるようになります。
岩場(教室)の陰にひそみ、釣り人(教師)から身を守るヤマメのような生徒と対抗するには、教師自身が、毛バリ山人(さんじん)となるしか、道はないのです。
教師が術を身につければ、ヤマメの動きが分かるようになります。
ハイッ!!Mさん!!!
Mさんが、たとえ渓流の岩陰にひそむヤマメのように、算数の時間に息をころしていたとしても、教師はそれを上回る、「石化けの術」でもって、ヤマメ(生徒)を油断させるとともに、意表をついて指名してしまう、というわけです。
今の若い先生たちは、漫画 『釣りキチ三平』 を知っているでしょうか。
この中に、有名な脇役として、
「毛鈎(ばり)山人(さんじん)」
という方が、出てきます。
毛鈎(疑似餌)を使って、魚を釣るのですが、毛鈎山人は毛バリづくりの名人。
この方、すごい術を使います。
見ててくださいね!
ほうら。
徐々に、周囲の石と同化していくでしょう。
山人は、魚に一切、気配を感づかれることなく、この石化けによって大自然と一体となり、外敵の動きや影に敏感なヤマメをがんがんと釣り上げる。
これが、山人の究極の釣り技「石化け」です!!
実は、わたしが高校生の頃のこと。
このような術を使う生徒が幾人か、存在しました。
そして、授業中にぜったい、教師に当てられまい、とする。
呼吸を止めるなどして「気配を消す術」を身につけた生徒は、教師から当てられることがない!
気配を消す、というのは実は意外と難しく、わたしが思うに、幼少の頃から修行をしなければ、身につける事は困難だと言えます。
習得には、英才教育、もしくは、生まれ持った資質が必要です。
わたしは、20代のころ、特殊な英才教育によってこの特技を習得しました。
鶏小屋に入り、そーっと鶏をつかまえるとき。
豚をつかまえるとき。
牛をつかまえるとき。
人生の中で、生きた鶏や豚や牛をつかまえなければならない、という場面は、そうそう、めったにあるものではございません。
しかし、どうしてもあと残り30分で、100羽近くの鶏を、籠につめなければならない、という場面も、長い人生、一度くらいあるものです。
わたしはそのような英才教育と自己鍛錬によって、「気配を消す術」を身につけました。
気配を消す、または気配を断つとも言えますが、これを覚えると30分でも1時間でも動かずに、じっとしていられる事が分かりました。
わたしは、30分間、じっとして気配を消すことができます。
教室の中で、
「あれ?先生、いたの?」
と、子どもたちを驚かせるくらいのことは、朝飯前です。
じっとしてみると良く分かりますが、動けない5分は永遠とも思える長さです。それなのに、30分以上も動かないようにするには、何かしらの技が必要となります。
ポイントは、ずばり、呼吸です。腹式呼吸です。
できるだけ静かに呼吸をします。止められるなら息を止めます。そして周囲に気を配ります。
肉体から精神を外していきます。
いいですか。大事なところなので、もう一度。
肉体から精神を、徐々に外していきます。
すると、周囲をしっかり見つつ、抜け殻となったような自分になれます。
これが気配を消す第一歩です。
毛バリ山人のように、石となり、木となり、草となるのです。
大自然と一体化したとき、教室の中でじっと呼吸を殺し、
教師にぜったいに当てられないように気配を消す生徒の、
その小さな、微細な動きまで、見逃さないことができるようになります。
岩場(教室)の陰にひそみ、釣り人(教師)から身を守るヤマメのような生徒と対抗するには、教師自身が、毛バリ山人(さんじん)となるしか、道はないのです。
教師が術を身につければ、ヤマメの動きが分かるようになります。
ハイッ!!Mさん!!!
Mさんが、たとえ渓流の岩陰にひそむヤマメのように、算数の時間に息をころしていたとしても、教師はそれを上回る、「石化けの術」でもって、ヤマメ(生徒)を油断させるとともに、意表をついて指名してしまう、というわけです。